折口信夫の別荘日記

2001年02月の日記

■2001/02/03 (土) 地には平和を!

◇とりあえず、ここ数日に買った本
*川柳句集『それが私だもん』ミリマスダ 春陽堂   古  250円
*『かわいいものの本』銀色夏生     角川文庫  古  150円
*『目玉と脳の大冒険』荒俣宏      ちくま文庫 古  200円
*『アイ・ラブ・ディック』クリス・クラウス 新潮社 古  700円
*『歴史の終わりを越えて』浅田彰    文春文庫  新  950円
*『談志楽屋噺』立川談志        文春文庫  古  130円
*『若奥様玉地獄』内田春菊       祥伝社   古  150円
*『ブレーメンII』川原泉        白泉社   古  250円
*「デジタルバイヤー」3月号      アスキー  新  580円
*「すばる」1998/5月号               古  100円
*「イマーゴ」1994/10 生物にとって時間とは何か   古  100円
*      1996/09 ターミナルケア        古  100円
*『現代短歌全集』8/9/10/11/12/13/14/  筑摩書房 古 400円*7=2800円

◇こやまくんにもらった本
*『鵞卵亭 語彙』 川地光枝編著    六法出版社

◇送っていただいた本
*詩誌「妃」4/5/6/7/8

◇贈っていただいたぬいぐるみ
*「うめ吉」と「テリア」
 なかはられいこさんよりいただきました。
 どうもサンクスですー。

◇生駒の写真展の広報ビデオをうえだせんせいの家で作る。金曜日の1時まで
 かかる。まあこんなものではないか。

◇筑摩の「現代短歌全集」があったところには、「アララギ」のここ五年分くらい
 のが全部で3000円で出ていた。うーんいまさらアララギ買ってもなあ。買った全
 集本は安いですが美本でした。こちらもいまさらという気もしますが、まあいい
 かなと。

◇実は昨年末から、ちょっと歌集ラッシュですね。三月書房の最新のメルマガが、
 去年の12月の歌集出版数の増加を言ってますが、私もちょっとそんな感じ。しっ
 かり読んでないと何がなにやらわからなくなるような気はするけど、それで何が
 わからなくなるかというのが、曖昧な時代という気がする。

◇買った本についてはまた今度。17:42 01/02/03

■2001/02/04 (日) 愛の生活

◇アスキー「デジタル・バイヤー」によると、韓国は人口三千五百万に対して
 携帯電話人口二千万人とか。韓国、台湾といった国の「機械」に対する感覚
 はどこか日本と違うものがあるように思える。同じ本に掲載の韓国製携帯電
 話機は、8万語の英語辞書はおろか「宗教機能」というのがあって、聖書、
 賛美歌、聖歌(おおサガフロンティア!)、教典が内臓されていて、液晶に
 十字架や卍がアイコン表示されている。進化の仕方としては正常ではないか。
 「玲瓏」の秋月祐一さんが、HP2000という今でも探せばユーザーやマニアが
 いるPDAを使っていて、細長い液晶に縦31文字前後の短歌が二首づつ表示
 されるように入力して整理していた。歌。データ。作品。こころ。

◇先月から買い始めたこの雑誌、読むところがさほどあるわけでもないけれど、
 見えにくい「興味」を喚起するものに対する感覚がちょっとだけおもしろい。
 最近玩具系デジタルカメラを買って思うのだが、コストを気にしないでいく
 らでもデータを残せるデジカメは、そういった「興味」を喚起させるのに役
 立ってるように見える。今書店にある「デジタルカメラマガジン」という雑
 誌の、読者投稿写真。年度の一席、に庭のアマガエルを写しただけなのだが
 これがものすごく美しい「ピーマン」という写真がある。また同じく投稿の
 月別の一席も、「GREEN」という、草と一輪の黄の花だけを写した写真
 でこれもまた気負わなさがそのままセンスに化したような作品。私がアルバ
 ムを作ってるドコアルを見てると、デジカメとは同じような顔をした若いも
 んが自分写真を取るためにあるようにも見えるが、いいフォト掲示板という
 のにははっとするようなものも多くある。たとえばこことかね。

のらねこ掲示板
http://www.digicame.cc/~noraneko/hiroba/index.htm
 ちょっと前の観覧車の写真とかすごく綺麗。

 あとウエブ商品紹介系では、
アシストオン−海外玩具・CLIMB@TRONという壁登りロボがすごそう。
http://www.assiston.co.jp/

 アクアロイド−タカラのサカナペットロボ。水替えなくていいじゃん!
http://www.takaratoys.co.jp/aquaroid/

◇買った本はそれなりに開いている。
 「すばる」の古本は、谷川俊太郎と楠かつのりの対談が載ってるので購入。
 以下箇条抜き書き。

◇谷−詩の場合朗読という言葉にも問題がある。

 谷−何百人もいたら誰に目をやるのかわからないけれど、とにかく目と目で
   交流しなければだめだと言います。アイコンタクトがない読み方は聞い
   ていて弱いんだよね。

 楠−ボクシングというやり方で詩を見せたらおもしろいなと思ったのは、ま
   じ敵がいることです。

 楠−売れる、売れないというのがあるでしょう。現代詩の詩人は、売れなく
   てもいいのにやはり売れることを考えているところがある。

 谷−でも後で握手されたり涙ぐまれたりするとやっぱり後ろめたいですよ。

 谷−けれども時々、質問コーナーみたいなところで、若い連中なんかが、「
   詩人というのはもっとすごいもんだと思っていたら、ただのファンキー
   なじいさんじゃねえか」と言ったりするわけ。僕なんかはすごくうれし
   い。

 楠−ところで今は賞がたくさんありますよね、各県にひとつの詩人の賞があ
   ると言っても過言ではない。その賞の決め方は、おそらく活字の状態、
   詩集にしないと選考の対象にされない。
 谷−例外はあります。中原中也賞はカセットテープでも応募出来る。
   (正岡独言:それは知らなかった!)

 最新の「群像」の高橋源一郎:奥泉光対談とも重ねると面白いかも。高橋は、
 現代詩の衰退を「現代詩が持っていた<死者の代弁>という方法の終わり、
 あるいは無効化」という言葉でいっている。説明しにくいのは、それでもな
 お「現代詩」に惹かれる者、さらに書こうとする者はなんなのか、というこ
 とである。これを近過去への郷愁といってしまうのはたやすい、のだが、や
 っている本人達が「郷愁」と思っているようにはとても見えない。

◇というところで田中庸介さんに送っていただいた、「妃」である。これが、
 コラムや書評などがセンスよくちりばめられてこじゃれた雑誌かと漠然と思
 っていたら、ほとんど現代詩直球な詩誌である。ああつまんない比喩。全部
 読んだわけではないけれど。
 とりあえず、8号掲載の「京都」田中庸介はいい詩ではないかと思う。
 がこれは第一詩集には未収録。不可思議な気配だった、90年代の全詩歌の気
 配に思いをはせることしばし。私は90年代初頭は、神戸のうどん屋で永田耕
 衣の句会に出席していた。12:38 01/02/04

■2001/02/06 (火) ねむくって死にそう

◇三月書房までいってみる。

◇買った本

*「スムース」VOL.5          新     600円
*歌集『羚羊譚』山田富士郎       新     2835円

 「スムース」は、ほんとにおもしろい雑誌だと思う。今号の特集は、洲之内徹という人。
 みんな知ってる? 私は知らなかった。美術音楽は知らないことがいつまでもあるわけ
 ですが。山田富士郎は奥付は去年だが、先日の朝日新聞の出版ニュースではじめて知っ
 た。まだほとんど読んでないが、あとがきは高橋睦郎みたいに短歌の古典詩性を語って
 いる。そこが、現代詩にある程度身を沈めたことの影響なのだろうか。

◇お昼。
 シェイキーズでピザバイキング。
 イカスミピザ。ソーセージピラフ。中華風スパゲッティ。
 サラミピーマンピザ。ブルーベリー。かつおぶし入りお好み焼き風。

◇ゆうべは。
 デジカメがビデオチャットでもうちの環境で使えるようであることがわかる。
 なので、シーユーシーミ−のソフトをインストールしたり、
 (専用サーバーの)リフレクターにつないだだりしたが、
 うまく使えるようにはならない。うーん。どうなってるの。
 結局明け方までがさがさといじくり、
 それでもつながらなかった。
 でもこのチャットは上から下へ流れます。

◇プラッツ旭屋で買った本

*『絵の中の散歩』洲之内徹       新    680円
*『無産大衆神髄』矢部史郎、山の手緑  新    1600円

◇夜うえだせんせいと。
 某電気店の不要品置き場に。モニターがおいてあるので取ってくるのを
 手伝ってくれといわれて手伝う。
 げ! でかい!これマジですっげ重い。

◇ということで悪戦苦闘の連続ですな。7:36 01/02/06

■2001/02/07 (水) setunai

◇ちょっとマジに本を読む。

◇立川談志『談志楽屋噺』読了。私は落語ファンではないのでわからない部分も多い
 けれど、立川談志は「落語」を基調として自己の生活世界を世界模型を作ってその
 内部で生きているという気がすごくする。川柳が難しいのも、こうした「川柳を基
 調とした「生活世界模型」がきちんと作る側では成立しているのに読む側では成立
 しないからではあるまいか。立川の芸談になじみを感じるのは、ひとつには「林家
 三平によって戦後の寄席は救われた」と書くときのほとんど笠井潔のような匂い立
 つような「戦後把握」があるからだろう。言葉の流れの回路ということだけであれ
 ば短歌も現代詩も寄席の世界も等しく時の流れやそれぞれの位相にさらされている。
 ただそれを語るときのステータスや、知性に対する捌き方で、芸談になったり文学
 批評になったりするだけではないか。最後に色川武大との対談があって「だけど道
 徳を越えたものがあるはずなんだ」とかいう言葉には文学趣味とは違う立場からの
 「すごみ」があるように思える。「東京は落語にリアリティがあって大阪にはない。
 逆に大阪は歌舞伎にリアリティがあって落語は荒唐無稽で・・・」というところか
 ら「貧乏人に与えられた武器は知性しかない」へゆく流れ、等印象的。
 ついでに今月の「現代詩手帖」の投稿欄に、「投稿者に無職とかフリーターが多い」
 とか書いてあったりなんかして。やべえ! 俺もじゃん。

◇実は「SUMUS」の五号には岡崎武志の西川のりおに関する文章ものっていて、
 西川のりおの「芸人評」がおもしろく質の高いものであることを書いている。これ
 は私もラジオで女子アナ相手に喋ってるのを聞いたことが一度だけあるが確かにお
 もしろく的確だった。対称的に、ほかの芸人に興味を持たない関西芸人に中田カフ
 スをあげてるのもああ、という感じである。同じ芸人の印象やエピソードを語ると
 きにその芸人の話芸の力が出ると岡崎は考えてるらしい。「SUMUSU」にはほ
 かに先号で松本零士の「男おいどん」について書いていた荻原魚雷という人がアパ
 ートを追い出されることになる顛末をしんみりと語っていてせつない。

◇筑摩の「現代短歌全集」とりあえず館山一子、遠山光栄、岡部桂一郎などから読み
 はじめる。館山一子はちょっと変である。

 館山一子足蹴にされてまろぶよとわれ自らを見据えてあかなく  「彩」

 遠山光栄。今でも一冊なら読めそうな歌集。

 舗道にはあかり射しゐて夥しき羽根が鶏肉店のまへに吹かるる  「褐色の実」

 岡部桂一郎も今でも読める。

 妻蒼し畳にちれる米くろく地上にどっさり雪が積もった   「緑の墓」

 鋼鉄の夜空はくらく蝦蟹(えびがに)を伏せし器(うつわ)に露を置きたり

 まあ先は長いわ。

◇「妃」4号読了。稲川方人の『封印』をパロディー化したというかなんというかな
 田中庸介さんの「封切」とか。長いー。「現代詩手帖」のおととしの「90年代の詩
 人たち」を再読。うーん批評会やってなかったのかこの雑誌。長い詩の特徴は、ど
 こで終わるのかわからない、というのがある。これは朗読になるとさらにまずいの
 では。2:53 01/02/07

■2001/02/08 (木) 条件反射

◇山田正紀の『謀殺のチェスゲーム』というノベルスで男が死んでしまう
 ときに

 家へ帰るときが来たのだ。

 ていうあの部分が好き。

◇糸井重里の「へんたいよいこ新聞」の終刊のときに、あたしあなたのことを
 忘れないわとかなんとか書いてあって

 いまでもほんのり匂ってくるわ。

 と終わるあの部分が好き。

◇ごーふるBBSの三行詩集コンテストで

 わいやーれす
 ばんじー
 じゃんぷ          きゅうてつ様

 ってあれいいよね。

◇小栗佐多里の『まじょてん』で、

 あんたの
 ええ人

 この
 もっともっと先の
 その先の

 5番目あたりの
 ドアの
 向こうやで

 というのが思い出されるこのごろなのさ。

◇セガサターンの『輝水晶伝説アスタル』(なんだよそれ)でラスボスが

 見ぃぃぃぃぃぃぃぃぃいるがいぃぃぃぃぃぃぃぃい。

 とかいいながら攻撃してくるのは実はすごく変だったのでは。

◇宮沢章夫のエッセイに目薬の射し方の話が出てくる。
 ある女性は、目薬を差すのに、横を向いてこめかみにさしてから
 流れて行くのを眼にちゃんと入れるんだとか。高等技術。

◇どうしても題と作家名が思い出せない昔の別マのマンガに

 壊せるものなら
 壊してみるがいい!

 とかいうのがあるがそこだけときどき言いたくなる。

◇ぜずさま! ぐろうりやのぜずさま!

 というのは諸星大二郎の『生命の木』のセリフ。
 あと

 おらもつれていってくだせ
 おらもつれていってくだせ

◇忘れてた。俳句同人誌「くらいむ」が来ていた。

1:37 01/02/08

■2001/02/09 (金) 条件反射、は山口百恵のB面の曲ね

◇今日買った本
*「ダ・ヴィンチ」3月号     新 450円
*「マゼランが来た」本多勝一   古 350円

 えーと岩井志麻子は私より2歳も年下だったのですね。
 でもなんかやっぱりこわいなあ。穂村さんこわくないですか、
 あの手の顔は。もう少しおもしろくなってもよさそうな気が
 するのになんか不満足感があるのは総花的に編集せざるを得ない
 せいかな。あ、買ったのは枡野浩一*佐藤真由美さんのページが
 あって、買って置いたら買っておいてよかったとか思いそうだから。
 はるかに動いてる金銭の量が少ない書物雑誌「SUMUS」のほうが
 やっぱり私にはおもしろいかなあ。うーんしかしそんなこといわれてもなあ。
 月刊だしなあ。
 「マゼラン−」は先住民の視点から開拓を見たレポート。カラー写真の量がすごい。

◇今日いただいた本
*「短歌パンチマン」2号

 まつざわくんからいただきました。編集方針(というかなんというか)
 ががらっと変わって普通の短歌同人誌になったみたいにみえるけれども
 「定価280円」という価格表示がただならぬ感じ。ジャポニカ学習帳みたい。
 加藤治郎・水原紫苑・穂村弘の3人の歌人に対する評論でまとめたというのは
 いい感じですね。評論そのものはいまいちよくわからないけれど、
 若い人のものはきちんと読まなきゃとか思うのであとで読みます。
 『吉田秀彦物語』という柔道マンガに「柔道は成長のおそいスポーツである」
 という文があるんだけど、穂村弘というのは実は成長の遅い歌人だったんではないか
 と私はこのごろ思ったりしています。
 まあそんなとこで。
10:17 01/02/09

■2001/02/10 (土) 神の目の小さな塵

◇ああなんかのどが痛い。風邪かな。

◇定例チャット出席者

枡野浩一
ただしんいち
かとちえ
正岡豊
錦見映理子
なかはられいこ
村上きわみ
擬音
岡田幸生
きくちのりこ
田中啓子

 抜けてたらお許しを。

印象に残った言葉

攻撃
旭川には大学が三つ
締め切り
こぶら
江里昭彦
摂津幸彦
おめでとうございます
は、はい(^_^;)
わたしだってこわい
特別作品
開放区
酒田俊
大阪の元気なおばさん
チャットがとまるんだよね
第二歌集
『Br 臭素』
えふぽえむのように
ショパン
モーツァルト
葬送行進曲
戦略
今月はわたし書いてないから

番外印象に残った言葉
(チャット中に来たメールより)

リブレットがたちあがらない

◇「かばん」が今月号で編集長が佐藤弓生さんから、高柳蕗子さんになります。
 ほんとに佐藤さんご苦労様でした。今月号の原稿をやっと昨日に送りました。
 申し訳ないー。チャット中にメールが。申し訳ないですー。3月号は24首
 の特別作品です。自分の中でシンプル期に突入してるので詞書きもなんもな
 しです。ごちゃごちゃ書きたいときもあるんだけどね。

◇水原紫苑さんが「すばる」に「名医k」という短編を書いています。いまのと
 ころ辰巳泰子さんと二人だけかな、80年代スタート組で小説を書いているのは。
 えっときりっとした清潔感とどことなく発生する「品」のようなものがほんと
 に不思議ですね。松浦寿輝みたいに芥川賞でも取るのかな? 以前「かばん」
 の掲示板で、水原紫苑や加藤治郎とほかの歌人の違いを、穂村弘は「魂の微差」
 がその後のすべてを決定した、と書いていたんだけれど、そばではなく「はた」
 から見るとやっぱり結果のような部分しか見えないわけで、「才能」という感
 じはするなあ。では「才能」とは何かとなるんだけどやっぱり作った物の「価
 値」がナチュラルに人に伝わっていく部分にあるんじゃないのかなあ。洲之内
 徹の『絵の中を歩く』は画商でもあった洲之内さんの絵をめぐるエッセイの本
 なんだけれども、たとえばある絵には「日常性への強い信仰」がある、とかい
 う言葉にははっとさせられますね。

◇リリー・フランキーの昔の「文藝」のインタビューで、「映画は撮らないんで
 すか?」と聞いてくるやつがいる、というのをひとつのギャグとして言ってた
 けれど、なんとなくその感覚はわかるような。枡野浩一もそのうち言われそう
 だ。でも風貌がかっこいいよね、リリー・フランキーって。詩や短歌の世界に
 あんまりああいう匂いの人はいないような。リリー・フランキーが不真面目か
 どうかは知らないけど、短歌や俳句には続けていく事への生真面目さがどこか
 に匂いとしてついてるとこがある気がするんだよね。そうでない人はなんか作
 品が浮いちゃう。加藤治郎が「雁」の38号に書いたインターネットと短歌に
 関する評論は、4年たった今多少の風向きの変化はあるけれど、「歌人が一人
 の表現者として立っていける」世界の構築に対する静かな情熱というのは今読
 みかえしても蒸気が立ち上ってくるように美しいと思う。それでもなんかそん
 なこととは関係なくに加藤治郎以前、俵万智以前の歌の静かな地味さの中の、
 いくつかの歌が好きは好きなんだけどねわたしは。

 握手して別れる雨のいもうとにふと花の舟散りてゆくかや

                      成瀬高明

◇どうでもいいけど、インターネットエクスプローラに「Hotber」という
 プラグインを入れてるんだけどなんかたったいま急にウインドウが勝手に
 開いて音楽が流れ出してびっくり。

10:45 01/02/10

■2001/02/12 (月) 階段を降りる裸婦

◇風邪をひいてしまった。前の仕事場の夢や、20代のはじめまで住んで
 いた家の、洗濯場の夢とかを見る。

 三月の水やみなぎる信楽の夢のはじめを馬よぎりたり 塚本邦雄

◇昨日は、三月のかばんイベントのミーティング。同人の江國さん
 塩谷さん江草さん田村さん、購読会員のよこたさんまなべさんと
 3時間ほどで、だいたいを決める。繊細は下記。
http://www3.justnet.ne.jp/~masa-0606/dapyon.htm

◇人の集まり具合というのは不思議なものだと思う。かばん全体で60人
 くらいなのだから、関西で7〜8人集まるのは結集度が高いほうだと思
 う。購読会員は知らないが、同人名簿を見ると、空白地域は中国・四国
 地方、東北全般で、同人が都市型の集まり方をしているのがわかる。

◇いきがけの電車内で「パンチマン」2号を読む。人数が少ない(4人)
 同人誌の清潔感というのを感じる。ひとに貸してしまったので引用出来
 ないが、宮澤さんの「歌淫獣」というよくわからない感覚とかはそれな
 りにははあ、と思う。石川美南さんは「ハッピーマウンテン」などを見
 慣れた目には、NHKの朝ドラの微妙な演技感を感じさせるほど、旧仮
 名や古典文体のさりげなさが目につく。最後のほうの「金魚」の歌が感
 じいいような。「パンチマン」という短歌同人誌は、現在の学生歌人の
 ある局面をあらわしてるところがあって、わたしは「ネオ地味」とそれ
 を呼んでいたのだが、そういう彼らが自分の体感に即してひとつ上の世
 代を読むこころみは「かばん」のように妙に同い年うまれが多いが履歴
 があわないというところの話よりは興味深かった。最初の穂村論の「神
 話」というのは、バタくさいアメリカ現代美術へに対しての(エドワー
 ド・キーンホルツとか)論のようである。枡野浩一は著書のなかで穂村
 弘の歌が、「アメリカンロードムービー」の世界をやりつくした、と書
 いてあるが、それでも本人には「内なるアメリカ」といった村上龍や加
 藤典洋のようなものは希薄なのである。むしろ加藤治郎のほうにそれは
 大きいかも知れない。でも私がいま一番読んでみたいものは、渡辺松男
 論である。どうだろうか。

◇先日から退屈しのぎでサターンの『リグロードサーガ2』というゲーム
 をやってるが、ピラミッドのところでつまってしまった。宮沢章夫のエ
 ッセイで、宮沢はドラクエなのだが、寝ても「あ、あそこをまだ調べて
 いなかった」とか思うとぱっと起きてやってみて、まだ考えてしまうと
 いうのがあったが、あれはうまくRPGの変な集中感を書いてると思う。
 そう面白くはないけれど、音楽のチープで豪快でわかりやすいのはいい
 と思う。魔法使いが気を抜くとすぐ死ぬのはいかがなものか。1996年作
 品。三年ぐらいほうっておいたもの。

◇かばんの会合でデジカメで写真を撮ったのだが、ほっとコンパクトフラ
 ッシュを抜いたらデータが全部消えてしまっていた! うそ! うーん。
 まあいいか。紀伊国屋によれども何も買わず帰る。2001年2月12日

■2001/02/14 (水) ドイッチュベッカライ・ブルックマイヤ

◇歌を書くと言うことは。
 歌を書くと言うことは。
 同じ短歌を書く人と会ったり話をしたりすること。
 うんそうねだいたいはね。
 でもそれって必要なの。
 必要かどうかはしらないけどさびしいじゃない。
 ええーそういうもんか?
 そうじゃないのかよ。
 うーん別にこの世にひとりでも。
 短歌無人島。
 短歌無人島。
 でも人と会うって楽しいじゃないの。
 楽しくないとはいってないよ。
 じぶんひねくれてるよ。
 そうかねえ。
 ほら昔高校の応援団手伝ってて。
 またそんな昔のことを。
 いいじゃんか。絶対勝つとわかってたらもう応援なんかしないっていってさ。
 ああ。
 荒木って子ともめてたじゃない。
 あああのチープトリックのファンの子。
 そうそう。
 うーんただまあ。
 なんだよ。
 なんかこうなあ。
 なによ。
 でもなあ、うーん。
 ああもうまたはじまった。
 おれとおまえらは友達かね。
 もうやめようやそういうの。
 いや、なんかさ、別にこうさ。
 それよくないよそういうの。
 なんでよ。
 だから別にさ、自分の歌なんか人に読んでもらわなくったっていいとかいうんだろ。
 いやそうはいわないよ。
 いってるよ。
 だったらいってるんだろう。
 そうじゃないよ。
 うんそうじゃないんだ。
 でもなんかなあ。
 なんなのさ。
 どうしてほしいのよ。
 いやどうしてってのもないよ。
 だったらだまれよ。
 なんだよそのいいかたは。
 うるさいっていってんだよ。
 あ、もうやめやめ。
 いいよもうやめるよ。
 それはそれとしてさあ。
 なんだよ。
 ひょっとして今日14日だとおもってない?
 14日じゃんか。チョコもらったよ。
 あーほちゃーう。
 今日13日だよ。
 えっ!
 えっ!
 それってひょっとしてほんと?
 ほんとだよー。
 ほんとほんと。
 ちょっと電話入れておけば。
 うーん。
 あーもー。

■2001/02/17 (土) もう「聖徳太子」のロケを奈良でやってるとは

◇今日買った本
*「雨月物語」  講談社学術文庫  古 200円

◇ブックオフやらみてまわるがめぼしいものはなし。もっとも読む本は
 山のようにあるにはあるのだが。

◇難波ジュンク堂に「小松左京マガジン」というのがあってちょいびっくり。
 小松左京さんは、神戸地震のあと鬱状態と書いてあって、ひさしぶりに、
 自分からしたい、やろう、といったのがこの同人誌作りなんだったとか。
 往年のSFブームや万博でのアドバイザーの仕事ぶりを思うと、隔世の感有り。
 薄くて素人くさい作りである。いいともわるいともいいがたいなあ。

◇難波ジュンク堂の詩歌の棚は、いってもしかたのないことだがなんとかならない
 ものか。あの棚だけで、どれだけの売り上げを見込んでいるのだろう。せめて三
 月書房のメルマガを見て、「これから売れそうな本」の歌集を何冊か置くとか、
 宋ミンホの詩集が売れたらきちんと補充するとか、阿部日奈子の詩集を一度で
 いいから置いてみるとかしてはもらえないだろうか。一万くらいなら寄付するから、
 置いて売れるかどうかだけでも試してみてはどうだろうか。

◇かばん関西の会の出席、現在16、7名ほど。
 いい会になるといいなと思う。

◇サターンの「リグロードサーガ2」をわりと気持ちよく終えられたので、「シャイ
 ニングフォース3−1」を買って来て、やってみるがなんとなくいまいち。「リグ
 2」は戦闘フィールドに高低があって、すべりおちるとかするとそれだけでHPが半
 分削られたりする。これがなんかはまると結構こだわる。「スト2」で春麗のジャ
 ンプ中キックだけで勝とうとか思うようなものである。あと音楽。無理矢理東洋っ
 ぽくしてて変なのだけれどエンディングにはきちんと尺八の人、三味線の人、第一
 バイオリンの人とか名前が出ていた。ということでひさびさの著作権違反。テーマ
 音楽をリアルオーディオにしてみました。なんか耳をついて離れないのよ、これ。
 でも人それぞれなので、怒らない人だけダウンロードしてなあー。290kbなので
 5分はかかるかも。
http://homepage2.nifty.com/masaoka/ongaku.htm
2001年2月17日 土曜日

■2001/02/19 (月) 神様のi−モード

◇どうも熱があるようで、半分寝て過ごす。今日は映画「シュリ」をテレビでやって
 いたのだが、それも見ない。いまちょっとましである。

◇昨日からなんかホームページのトップのカウンターがよく回ってるような気がした
 ので、ちょっとGooで「正岡豊」で検索をかけて見る。誰かリンクしてくれてたら
 ある程度はこれでわかる。結局そういうのはないみたいだが、たださんが高橋源一
 郎のファンページの掲示板に書いてるのがあがって来る。高橋源一郎と私では高橋
 源一郎のほうが現代詩を応援しているとたださんには見えるそうである。そこでく
 らべられてもなあとは思うが、確かに「おれは現代詩のことを考えてやってるぜ」
 みたいなとこはあるかもしれない。うーん。それは確かにいやらしいかな、と思う
 が紙一重のような気もする。恩着せがましく感じられるようなことは出来るだけ避
 けよう。そこの掲示板をみて、ようやく朝日夕刊の連載がどういものかわかったよ
 うに感じた。うちは朝日取ってるんだけど読んでないのである。なんかわかりにく
 くって。あと新聞小説はなんとなく読むのが苦手なんだよね。

◇昨日買った本
*アスキー3月号
 それといっしょにもらった冊子
*小学館コミックガイド「ナマズの巣」vol24
 いただいた本
*「短歌21世紀」2月号

 「ムーンプール」の元となった掲示板のログが、メール形式で残っていて、これを
おもな書き込みメンバー(ほとんど6名で750件ほどを書いている)の了解を取っ
てホームページに置こうと思っていて、この間うちからいろいろやっている。アウト
ルックエキスプレスからユードラにデータをうつしてユードラからテキストにしよう
としたら、メールデータの量がすさまじく膨れ上がって、6ギガのHDの残量がいっ
ぱいになって、あやうくアウトルックのメールデータもいかれるところだった。あん
なに膨れるとはね。今月のアスキーにはアウトルックのver5以上から、テキストへ
変換出来るソフトの話がのっていて、それを使って001、002、というテキスト
にするとこまでは完了。あとはヘッダや日付をどうするか。
 うーん。
 もとのままが一番読みやすいんだけどね。
 あと大森望がウィリアム・ギブスンのインタビューにいってきたと書いてある。
 大森望も1961年生まれで実は私と1才違いなのである。
 あと233頁のいがらしみきおの写真が、藤原龍一郎さんにちょい似てます。
 XBOXの話がかなり。私はいまでこそあんまりしないけど四五年前は立派なゲー
マーと言えるくらいはゲームをやってたので今でも感心はあり。HP作りはじめのとき
は、「嘘とセックスとビデオゲーム」というサイトを作ろうとか思ってたんだけど、
結局ゲームのサイトは作らずじまいだった。RPGなんかに今でも思うのはかける時
間の量の半端でなさ、における時間の貴重感の混乱でしょうか。暇だからゲームなん
か出来るわけじゃないけど、時間がなくてもやっぱり出来ない。しかも、出るロット
のそれなりの数がやっぱり半端じゃないですね。生産中止が決定したドリームキャス
トのオンラインRPG「ファンタシースターOR」のオンライン会員数が、10万を
越えてます。しかも同時接続のマックスの人数が、枡野浩一の『かんたん短歌の作り
方』の初版の部数を越えていたりします。
 というか、桜井亜美の文庫本が全部で百万部こえているのにまだ枡野さんの『かん
たん短歌の作り方』が重版してないというのはなんかよくわかんないですね。
 「本を買う」=消費する層にカチンとまだ打ちあたってないということなんでしょ
うかね。
 でも桜井亜美とぱっと聞いて、一冊でも書名が浮かぶ人は私の知人にいるのかな。
 加藤千恵さんや井上真樹さんなら浮かぶのかな。江國の凛ちゃんでも浮かばない
のではないかなあ。うーん。
 それから小学館のコミックPR誌の「ナマズの巣」は松本大洋と三代目魚武濱田
成夫の対談が載ってたり、高橋しんの「最終兵器彼女」の一話分がまるまる再掲載
されてたりとボリュームあります。
 もう次の号が出るころなので興味がある人はおはやめに。
 「短歌21世紀」については、まだ何をいったらいいのかよくわからないですね。

◇先週、錦見さんや村井さんがうなぎ屋ミーティングをおこなって、きくちのりこ
 さんのところにそこでの模様が書いてある。入江一月さんの第一句集の感想もか
 なり丁寧に書いてある。そこの話で、きくちさんが、「もしタイムマシンで好き
 な時代にいけるなら」とか「好きな時代の人になれるなら」とかいう話を投げか
 けて、村井さんが即座に「高浜虚子」といってるのはかっこいいなとかおもう。
 私も錦見さんみたいにちょっと絶句しちゃうかもね。ぱっと思いついたいきたい
 場所やらなりたい人がたぶん普通の人には特殊で、わからないし、その理由とか
 もまた説明しなきゃわかってもらえないだろうけど、なんだかそこを説明するの
 は嫌だから(笑)。こういう男はもてないんだろうな、と思いつつ。

■2001/02/20 (火) 歌集二冊

◇山田富士郎『羚羊譚』雁書館より。付箋紙をはった歌。

葱畑につかのま射し入る冬の日の子守女のごとくに消ゆる

幻覚をときに感ずるふゆ終りかもしかとあふ残雪の尾根

カーテンのひだにこもれる紫のけむりあなたはクレイジーだわ

笑顔をくれざとうくぢらの吹く潮につかのまやどる虹みたいなのを

また熊が山から降りて来たといふけふの青空は目薬の匂ひ

帰つてきた千の性器の交合の虹の爆発する宇宙から

田の面より牛消えてより四十年か献辞が土星みたいに重い

匂ひなき冬のあけぼのいつのまに掌中にある汗ばむ乳房

肝臓が日々はれてくる信ずべき教典はもういずくにもなく

プリンみたいにふるへる家はあるのだが心が貧しい神父みたいだ

俺はもう勝手にしたつていいだらう虹を食はうと蛇を呑まうと

見習いの奴隷で僕はありますが眠る主人に瘴気を送る

卵の中にかくれてゐると、俺達は死ぬぞ、と叫ぶ声がした秋

FMのメシアンいつか終りゐて馬の歯がみのやうな春星

骨髄に銀行がある! 思想には養老院があるといいのに

クリームパンのやうな手をして洗熊(ラスカル)のやうなしつぽの猫が来た来た

護摩の葉がふたつに裂ける音がする俺、あのひとに電話しなくちゃ

猿の仔は人の子よりもきよらにて栗の上枝にわれをみつむる



◇村上きわみ『キマイラ』歌葉。 付箋紙を付けた歌

宇宙論冷えゆく真昼 すさまじき色に煮崩れゆくヘビイチゴ

少女期を遠くへだてて蛍(なつむし)の銀の明滅てのひらに見る

天に告げ地に告げしつつ発火するたましいを揚雲雀と呼べり

天から雨地に水たまりその間(あい)にうまく泣けないわたしを立たす

真昼間の盥にややを裏返す かみさまはるすかみさまはるす

グレゴォル・ザムザの低いハミングに統べられて統べられて終日

時々は別の名前で犬を呼ぶように呼んではくださらないか

「あなたと話すと背骨がねじれてゆくようでとてもうれしいとてもうれしい」

秋津島敷島液化さざれいしの母と子しぼる歯磨きチューブ

ぬれやすき尾を持つ僕ら(やさしさは)波打ち際の会釈のように

◇あとさよならの恋というページとか。

■2001/02/21 (水) ラボアジェ

◇今日買った本
*「ひねくれ一茶」田辺聖子  講談社文庫  180円
*「シャイングフォース3」公式ガイドブック 200円
*「現代思想」特集・機械の身体       100円
*「希望の国のエクソダス」村上龍      500円

◇今日来た本
*「林檎貫通式」飯田有子 歌葉

◇おうぎわりくんが長居をして帰った。むーん。

◇「ひねくれ一茶」の解説は五木寛之、単行本は1992年刊行。
 ポピュラーであるといえばあまりにポピュラーな

 雀の子そこのけそこのけお馬が通る

 とかの作者が俳諧古今についてこれだけ勉強してまた現在にまさる
ともおとらない短詩型による「立身出世」の物語のなかを生きていた
とは知らなかった。

(早く足を洗えばよかったが、月が花かと、ちんぷんかんぷんを吹いて
むだ歩きしてる間に四十年過ぎてしまった。もう五十がくる、『歯髪
磋だとして将に五十になんなんとす』、一茶さん五七五というのはおそ
ろしい魔ものだねえ・・・五七五に夢を賭けて、一生を棒に振ってしま
った)
 泣きじゃくる草丈に、一茶は黙然としている。泣いたって、どうにも
なりはしない。草丈はやっぱり、これからも五七五に骨身を削るだろう
しそれは一茶も同じだ。どういようもない。あたま打ちなのに、やめら
れない。・・・・・
                    (「ひねくれ一茶」181p)

 小説そのものは、「情」を車軸に世間がめぐるというたぐいの話なの
だが、それでも一種の近代の詩の奈落としての江戸俳諧を、ある側面か
らはものすごく克明にえがいている。

◇あと「書評のメルマガ」では、集英社のヤングジャンプ掲載「栄光な
き天才たち」の文庫化の中断を、痛恨として指摘する文がおもしろい。
 わたしも「栄光なき−」は好きだった。
 年を取ったアベベビキラがいう
「わたしたちアスリートは・・・」
 という言葉はうつくしかった。パリ数学アカデミーの学者の抽斗に
論文がしまわれたままだった悲運の数学者はなんといったっけ。
 日本百メートルの吉岡たかよし、円谷幸吉、確かに絶版にしておく
にはあまりに惜しいとは思う。
2001年2月21日 水曜日

■2001/02/21 (水) 教えておじいさん

◇今日買った本
*「アサヒカメラ」2000/6月号 追悼植田正治    100円
*「山おとこの子守歌」北アルプス穂高町営大天荘   50円
*『郷土の名詩』東日本編 小海永二編       350円
*『闇の司』秋里光彦               520円

◇「山おとこの子守歌」は薄い小冊子。たぶん山小屋での
 愛唱歌詞集なのだろうが、読んでもおもしろい。

<山の子の歌>
1.歌声が あの小道にひびけば
  あの森影あの谷間 山の子の歌
  山の子は山の子は 歌が好きだよ

(そ、そうか好きなのか)

2.(略)
  山の子は山の子は みんな強いよ

3.(略)
  山の子は山の子は みんな仲良し

4.(略)
  山の子は山の子は みんな元気だよ

(そ、そうか、そうなのか)

<岳人の歌>

1.星が降るあのコル グリセードで
  あの人はくるかしら 花をくわえて
  アルプスの恋唄 心ときめくよ
  なつかしの岳人 やさし彼の音

(は、花をくわえるのか)

<想い出の赤いヤッケ>

いつの日にか 君に会えると

きっときっと信じてた

けど もうやめたやめた

(や、やめるのか)

<一人の山>

1.山にあこがれ 山に行き ことば少なに ただ歩む

2.恋に破れて 夢も破れ 夕日静かに 山に沈む

3.一人寂しく たたずめば たばこの煙 ただひとすじ

4.雪渓すべりて 岩場を登り ふれる岩肌の 冷たさよ

(み、みじかいな一番分が)

14、山よさよなら またいつか 山の笑顔に 振り返る

<センチメンタル山男>

3.そぼふる雨にさみしと濡れて
  想いはかなく消えてゆく
  一人ぼっちのさみしい男
  センチメンタル山男

(タ、タイトルが)

<二人の山男>

1.そんなに急ぐとと山がにげるよ

(に、にげるのか)

<マウンテン ボーイ>

1.山の男に会ったかい
  すごいひげに黒い顔
  山の上ではうれた顔
  カモシカ雷鳥顔なじみ
  *俺の様だネ君の様
   オオ マウンティンボーイ
   ほがらかな山の大男

(ちょっと佐野元春・・・・してないか)

<アルプス一万尺>

12.若いツバメの浮気じゃないが 明日は向こうの山で寝る

(粋ななー)

でも、アルプスの少女ハイジのアニメの歌をこんなに入れなくてもいいのでは。

◇「アサヒカメラ」昨年亡くなった写真家の植田正治さんの追悼特集の
 ある号。特集記事より

杵島隆

このことで思い出すのは、土門さんが砂丘に遊びにきたときに、植田さんと
いっしょに写真を撮っていて、そのあたりのことを聞くんですよ。すると植
田さんは「いや、写るのは最初の一枚だけですよ」というんです。演出写真
なのに一枚目で決めてしまう、そこのところが絶対非演出のリアリズムを標
榜していた土門さんにもっとも不思議がられていましたね。二の句が継げな
いんです。土門さんは「おれはそんなに写真がへただということなのか」と
いってました。

荒木経惟

砂丘っていうと面白い話があるんだけど、篠山紀信が少女か何か撮るときに、
植田さん、あの砂丘の位置を教えてくださいって言ったんだって。それでい
ろいろ教えてあげたんだって。でも一番いいところは教えなかったって言っ
てた。そこがいいだろ(笑い)。

 しかしそれにしても、投稿のコンテスト写真の年齢が異常にどなたも非常
に高齢なのはなぜ?               2001年2月21日 水曜日

■2001/02/23 (金) ゲッシング・ゲーム

◇かばん関西で朗読会をやろう、ということに去年なって、今年になって
 まだ歌会はじめて半年くらいでちょっと大きなイベントは無理じゃないか
 ということで、穂村弘さんに来ていただいて、歌会をすることになった。
 「なった」というのと「した」というのとは微妙に違うけれども、
 まあそれはそれとして、一応公募みたいなのをネットやメーリングリスト
 でかけてみたが、ここまでで17名くらいである。
 3月11日に大阪で、2月28日までに受付(もちろん別にそれが過ぎてから
 でも、ことわりはしないけど)で、関東関西あわせてかばんからは12人である。
 正直にいうともうちょっと「穂村弘」の出る歌会に出たいと思う人が
 いるのではないかと思っていたのだけれど、やはり歌会というのはめんどう
 くさいので、そういう人はもっといても、二の足を踏んでるのかも知れない。
 自分がいまもうちょっと若くて歌を作っていたら出るかな、とか思うのだが
 いまよりもうちょっと若かったらどこでどういう
 風に歌を書いてるのか検討もつかない。「獏」もなければ角川の
 塚本選歌欄もないわけで、未来にはいって岡井隆や加藤治郎のあとを追いかけて
 いるだろうかなあ。「玲瓏」にはいってそれなりのペースで作っているだろうか
 なあ。まあそんなこと考えても無駄か。
 でももしそういう状態でも、今歌人でその人のしゃべってるところをいっぺんで
 いいから見たいと思うのは、やはり穂村弘ではないかと思う。
 これは歌がおもしろいとかそういうのではなくて、たぶんしゃべってるところを
 見たらなんかいままで曖昧な理解だったものが感覚的にはわかるんじゃないかと
 思うからですね。あとの人はまあ、なんかそれなりにみんな魅力がないわけでは
 ないけど、みんな結局歌なり歌の形や歌を書いてる自分なりが好きなんじゃない
 かというとこで納得するんじゃないかなとか思います。
 とはいうもののまあこんなもんかな。

◇今日届いた本
*『水晶散歩』井辻朱美   沖積舎

◇あと百円ショップにいったら落語のCDがあったので買ってみたけど、関東の落
 語というのはどうも勝手が違いますね。あれはなんだろう。

2001年02月23日 金曜日

■2001/02/24 (土) 金子みすず

◇定例チャット。今日も遅れてしまった。まつださんのせい。すぐ終わるって
 いったのにー。ひっぱるんだもん。

◇参加

枡野浩一
ただしんいち
玲はる名
小鳥
岡田
きくちのりこ
なかはられいこ
むらかみきわみ
村井康司

印象に残った言葉

私のことひとときでも思い出して買ってきてくれるならもみじまんじゅうでもいいわ

◇みわくんが「金子みすず展」とか「月岡芳年展」とかの招待券をくれたので
 とりあえず「みすず展」を見に。ひとがいっぱいで少しおどろく。
 展示は、そんなに見せるものもないはずなのに、かなりきちんとしてる。
 平日なのでおばさんが多い。日曜日はひょっとしてすごい混雑になるのでは。

◇今日買った本
*KWADE夢ムック「金子みすず」  1200円
*「国文学 解釈と鑑賞」特集・連句   100円
*週間「モーニング」          220円

 まど・みちお、相田みつおと、詩学も詩手帖もやらなかった詩ジャーナリズムのエア
ポケットを、このシリーズはよくやっていると思った。金子みすずはいまほとんどの国
語の教科書にのってるから、子供はみんな知っている。執筆は、現代詩系の人が結構い
て、あと児童文学の人、歌人では今野寿美が書いている。
 新川和江の「みすずの詩が受け入れられるには50年の年を眠らなければならなかっ
たのでは」という一文はある切実さを持つ気がする。それでも国民詩人的存在に徐々に
なりつつあるわけで、それがほとんど曲がついていない童謡だというのはなんだか不思
議なような気がする。
 このムック版での引用で彼女の詩を読んだ感想は、とにかくいやらしくない七五調の
律に感心させられる。と同時に新川和江や富岡多恵子がもたざるをえなかった「性」の
テーマ性からの妙な自由さが、ひとの警戒をまったくといっていいほどに、解く。
 それともうひとつは、五七の音数律による詩を書きながら、普通に書いていては絶対
こうはならない(三木露風とかが今読まれないのはつまらないからというのもあるが、
その時代のノーマルさを踏襲してるからではないか。退屈なのは、「普通だから」であ
ると私は思う)空白行と記述行の緊迫感がある。これが、何度も引用する鈴木志朗康の
「文字が書かれている紙の面に自らの実存を倒錯させてゆく」という現代詩というより
現代の生がそのまま病であり、病むことがそのままヘルシーであるような文芸のアポリ
アの部分とかなりな深度でかさなりあうところに、みすずの詩の現在のブーム性がある
ように思える。
 あといきつけの古書店に巽聖歌全集という本があってなにをしたひとかさっぱりわか
らなかったのだが、この本には名前が何回か出てくる。ああそういう人だったのか。
 それにしても26歳で自死したのだとは知らなかった。
 「モーニング」では沖縄の終戦直後の、米兵による婦女への暴行とそれへの村をあげ
ての闘いが、ぎこちないしかしどこか明るいきび畑のような筆致で、音楽の流れるよう
に書かれた読み切りがのっている。「モーニング」という漫画誌の妙な民衆詩性という
のはいまのマンガ界でわたしは不思議な話ではないかとときどき思う。

2001年02月24日 土曜日

■2001/02/25 (日) こんなわたしの気持ちも知らずふざけて笑うあなた

◇土橋さんという方に誘われて、「紀伊水道メーリングリスト」というのに入るこ
 とになった。関西を中心の、歌詠みのちょっとした集まりである。
 今入ってるMLをジャンルを問わずあげてみる。

「ラエティティア」ML−短歌関係。
「かばん」ML−かばんのML。おしらせ、と二チャンネルある。
「かばんウエスト」−関西かばんのML。
「ロマンシングサガ」ML−ゲームのロマサガシリーズのML。半年メールなし。
「さるさる読書日記」ML−一応オーナー。メールなし。申し訳ないです−。
「パラディスコ」ML−よくわからないアートイベントML。月一通ぐらいイベント案内。
「DKフィナー」ML−美術館情報等のML。ほとんどメールなし。
「天象俳句館」ML−ホームページの更新連絡用内輪ML。20人に達したので、
          一応新規募集は中止。月10〜30通くらい。
「オリエンテーリング男&マーキング女」ML−携帯メール推奨ML。中身は題通り、
          「いまどこそこにいる」「いまから何を食べる」等が主。一番
           参加人数は少ないがいま一番メールが多い。
「ハルナトリウム」ML−玲はる名の短歌ML。もうひとつある。
「声」−声の同人誌のML。

 ここに「紀伊水道」が加わることになる。

◇日記と掲示板の流れが急速に来て、ある部分MLが静かになりつつある。
 枡野さんと加藤治郎さんの初顔合わせも、ちょうどHPをみてなかったの
 で、この間のチャットでも話題に出来なかった。たぶん日記書いてなかったら
 加藤治郎さんがMLに流したと思うのだが。加藤さんの日記に「インターネット世代
 をつなぎ止める」という表記があって目をひく。ネットで歌を書いたといっても、
 多くのひとはしばらくののち歌を作らなくなることだろう。いくばくかの人は
 残るだろう。その中で歌葉は確かに役割を果たしていくのだろう。

◇「俳句研究」今月号は、小林恭二のインタビューが掲載。私は小林さんの俳句論
 をあんまり好きではないけれど、それでも読むとおもしろいです。あと座談会に
 私の第一歌稿集のコピー版に解説を書いてくれた山西雅子さんが出ている。街で
 あってもお互いわかるまい(笑)。

◇「歌壇」に林和清が五十首掲載。歌じゃなくて詞書きを懸命に読んでしまうのは
 「東京式」や「呑牛」といっしょ。下血して医者にかかってたのか。早死にはし
 てほしくないのう。塚本邦雄も五十首掲載だが、なんだが晩年の永田耕衣のよう
 におなじ単語ばかり使ってるのがちょっと気になる。林くんをかばんの会にさそ
 ってみようかと思ったがかなり忙しいようなので遠慮。

◇「電撃プレイステーションD」がPS隠れゲー(話題にならず売れなかったが
 とても出来のいいゲーム)の十選の小特集をしている。こういう特集や本には
 一本はかならずはっとさせる文章がある。今回のは、「アイドルプロモーショ
 ン−すずきゆみえ」(題うろおぼえ)というのに関する文章がピカイチ。この
 ゲームは私もしたことがないがファミツウのクロレビで新宿ジャッキー(当時
 )が「奇蹟に近いゲームバランスが取られている」と書いたもの。この一文で
 も「こんなにつまらないものでしかない要素ばかりなのに、作品はそれを越え
 ている」という書き方にクールな熱っぽさがある。出来るならそういう歌を書
 いてみたいものだ。午前 02:22:26


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