定理(
行列の積に関する法則)
A,B,C をそれぞれ (k,l)型,(l,m)型,(m,n)型の行列とする.このとき,
| (1) | (AB)C=A(BC) (結合則) |
| (2) | c(AB)=(cA)B (スカラ倍) |
| (3) | A(B+C)=AB+AC (右分配則) |
| (4) | (A+B)C=AC+BC (左分配則) |
| (5) | OA=AO=O (零行列との積) |
が成り立つ.(1) が成り立つので,これらを ABC と書くことが許される.
証明
結合則 (1) について A=(a
ij),B=(b
ij),C=(c
pq) とおく.ABは(k,m)型の行列であり,その(i,p)成分は
となる.(AB)C は(k,n)型の行列であり,その(i,p)成分は
| (e1) |  |
で与えられる.次に BC は(l,m)型の行列であり,その(j,q)成分は
となる.A(BC) は(k,n)型の行列であり,その(i,q)成分は
| (e2) |  |
で与えられる.(e1) と (e2) は等しいので定理が示された.(2)から(5)も同じようにして証明できるから省略.