まとわりつくもの

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ある日、仕事をしていると女の子がキーボードの前に座り込んでいるのに気がついた。
彼女はキーボードで何かを弾きながら何かを話していた。
どうやら、隣に誰かがいるつもりで話しているようだ。
彼女はず〜と楽しそうに話をしていた。
   
両親が買い物を終えて、清算を済ませて帰る時、彼女は私の方に向かって手を振った。
私はてっきり自分に向かってだと思ってたけど・・・。
彼女の視線は私のすぐ後ろにそそがれていた。
私の後ろに「それ」がいて、彼女には「それ」が見えたのだ。
話していた相手は「それ」、手を振った相手も「それ」。
「それ」が私のすぐ後ろにいたのだ。
   
私の仕事場には「4人の死んだ人」がいる。
おじいさん、50歳くらいのおじさん、おかっぱ頭の妊婦さん。
そして・・・、5才くらいの男の子がいる。
彼はレジに立っているとすぐそばにやってきて、洋服を引っ張ったり、手に触れてきたりする。
店内を走り回って、いたずらをする。
姿はあまり見えない。
それでも、たくさんの人の目に映るから幻覚でない事だけはわかる。
「それ」はおそらくその子だろう。
彼女には彼が見えたのだろう。
   
私は仕事を辞めて、その仕事場を去ってしまったが・・・。
「4人の死んだ人」は今もそこにいるんだろうか?


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