
「マシラさんって山に行くんだって?」との声あり。
「うん」
披露宴が始まる前って、ちょっと手持ちぶたさじゃない。昨日、若い人の結婚式があって、ホテルのロビーで待ってたときの、たわいもない会話なんだよ。
そう言えば、塩川滝まではチャリンコ・トレーニングの休憩場所として月に一回くらいは立ち寄っているけど、南山 しばらく行ってないな〜
よ〜し
そんなたわいもない会話から今日の行き先が決まった。でも山に遊ぶこと自体がたわいないことなんだよ
そして朝一番のバスを馬渡橋で降りて中津川の右岸路を下流に歩く。正面に仏果山。だけど、ここら当たりじゃ、仏果山(ぼっかやま)なんて呼ぶ人はいなくて、みんな南山で通っているんだ。「ぼっかやま」なんて言ったら「なに惚け言ってるんじゃ」と揶揄されるくらい、半原の町からはまさしく南にある山なんだな。学校林もあるし、春先には山菜採りが盛んだし、名水取水状も半原越の少し下にある。小さい声で言っちゃうけど採っちゃ行けないエビネなんかもある場所にはちゃんとあるからシーズンには大勢の人が出入りする。山の仕事が無くなった宮ヶ瀬地区にくらべれば生活密着度は、こちらの方が強いから、パブリックに”南山”と呼んでも良いんじゃないかな。(小さな主張)
肩まで手を振り上げる急歩中のお嬢さんを”こまや”の手前で追い越したら横目で「ギロッ」って睨まれた。それが怖くって逃げたんじゃないけど、角を曲がって中津川に注ぎ込む南沢(滝沢ともいうのかな? 塩川滝のある沢)沿いの路に入る。
でも、せっかく逃げたのに、今度は軽トラックに乗って追いかけて来た。もちろん、お嬢さんではなく、別の人だよ。
それに呼応したかのように川沿いの民家の塀の内から犬がマシラに向かって胡散臭いと吠える。尻尾を振っているのが見えるから半分はボスにかまってくれと甘えているんだろうか。追いかけて来たと思ったトラックはマシラを追い越すと橋を渡った先で止まった。そこでマシラを待ち受けようという魂胆だろう。
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半原馬渡 大貫撚糸前から南山(中央の橋の下が塩川鉱泉)
そんな手にはのらないよ。橋の手前の廃旅館、
古くは滝の家という名だったり白竜閣というものすごい名のの旅館だったり
でさあ、右手に小さな支流が別れているのが見える。前から、こっちはどうなっているか気になっていたんだなあ。だから本流行く前に、ちょっとフェイントをかけての気分で/まずは、こちらの探索にはいる。
沢沿いに小径が着いていたけど、踏み跡は50m程歩いた所の二俣までだった。その先で両岸が狭くなって道つける程の空間がないんだ。そうならば小滝の一つもあって良いと思えるんだけど、そんなの無い。しかたなく流れの中を歩く。砂の上に凝集岩っぽい大きめの石が不規則に並び、不安定で歩きにくい沢だ。おまけに両岸の木々の間に渡る蜘蛛の巣。
いやだな〜
里中的/藪沢
このまま進んで行ってタンパク質が腐った匂いが漂っていたりする状況に囚われたりして!
なんて思いを押さえて前に進むのも、この先に、ひょっとして滝の一つもあるんじゃないかと感じたからなのに、歩くこと300mで諦めた。
さて、廃旅館に戻り、塩川滝に向かうと例の軽トラックが待っている。なんで ウソッ
軽トラックの荷台から降ろされた狩猟犬が全部で五匹。
狭い檻から解かれて、首輪も外され、嬉しさの余りmトラックの回りをラン・ラン・ラン
通りかかったマシラにもラン・ラン・ラン
飼い主が「コラッ」と制止しても、はしゃぎだした心は直ぐには止められないだよな。
前後にじゃれついて、指先をナメ、尻をナメ ふくらはぎにベロを押しつける。
この感触
犬は嫌いじゃない。
危ない犬とそうではない犬の区分けはつけられるつもり。
だけどフイッと止まるとマシラの尻にゴッツンコするような状態で後を付かれるんではバシッと歩けないじゃん。いい加減にしろ「カッ」と小さく威嚇すると犬は「ギクッ」と止まって、直後に飼い主が呼んだので、そちらに戻っていった。
塩川滝 はいつもの塩川滝だ。正面の観瀑橋上から眺めると下部十数m、その上部は数mの滝に見える。実際は上部も十m近くあり、合わせると相当に大きな滝なんだけども、橋は滝から5・6m位の位置にあり、近すぎて滝の上部が矮小化して短く見えて、全体を眺めるには少し不適切なんだな。とは言っても背後は切り立った岩壁となれば、一般的に見物場所は、ここしかないんだな。
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塩川滝 下の観瀑橋からは下の一段は見えるが二段目はちょっとしか見えない。
そんなようにして滝の見物が終わったら、少し戻って右岸の尾根に乗る。
さっさと上に行かなくちゃ
ところが巻き道の眼下に”塩川の滝”の全容が見えるとなると、さっさと行こうなんて言葉を直ぐに忘れて、もっと滝の見通しが良い場所って無いんだろうかとロケーションの設定してしまうから、私の心は移り気なのだ。
だけど、先ほどの観瀑台といくらも離れていないのに、滝の見通しなんてのに自然物はかまっていられないらしく、尾根の上では木立が邪魔して邪魔者無く見通せるカメラアングルが取れない。だったら尾根を外して、どこかに良い場所ないだろかと、上を見て下を見て、足元直下20mにある観瀑橋の先端からまっすぐ10m程うえにある立木に「おっ そこが良い」と見当を立てる。
単純に現在地から10m程降れば良いんだ。
まずは灌木をバランスにして露岩の2mを飛び降りる。下は狭いけど砂の斜面だから踏ん張れるだろう。そこから急斜面を灌木頼りに10m程横行下降する。そして木々が途切れて前面全てが滝にとなる地点につくんだけど、カメラを操作する為に、その木に足を踏ん張ったら、根っ子が浅いらしく、そいつからは「グッグ・グッ〜」と頼りない反力しか返ってこなかった。
「おっとっと これっ危ない」
加重したら剥げて落ちるかも。そんな感じの頼りない立木
そうなると、その場にはいられない。そこまで行くのは行ったけど、頼りなさを感じた瞬間に体がこわばる。だから岩に張り付き呼吸を三回繰り返す。ロープ無いかなと思う。次に手にするホールドは全て確認して3m程戻って別の木にすがることにする。
その立木はしっかりしていた。でも、滝との間には別の立木が邪魔してグッド・アングルにはならない。だけど、私の技能では、それでも精一杯の場所なのよ。木の一本くらい写真に入っていたってどうってことないじゃない。どうせ素人写真なんだから。
この塩川滝の巻き道はしっかりと踏まれていて、滝観瀑台橋終点付近を中心点にしてグルッと取り囲む270度位を回り込むように設定されている。本来の踏み跡は180°付近にて尾根に別れて進むが、その地点から落ち口方向に更に90°くらい回る。その間、ずっと下に滝が見える。この道、木立が無ければグッドな眺めでもっと沢山の人が通るっていうのは無しだ。もしもそうだったとして安全策が施工されていなかったら、転落事故が年に数回起こっても不思議ではないかもしれない険しいなのだ。
急な巻き道が終わると、砂地に丸っこい石が乗っかった平坦な沢に降りる。
両岸が立って、狭く暗い沢だが、多くの水に磨かれて沢の中の石は綺麗だ。
そして、この地形、覚えている。そうそう この沢って こうだった。と思い出す。
江ノ島淵 小さいが深い2m以上はある。 少しも砂に埋もれていない。
だからといって、これから進む沢の様子を思い出すかといえば、そうではない。
見ることによって「そうそう そうだった」と記憶を再確認できても、その先にある記憶にはつながらない。
だから、先の様子を思い出すことなく、行って見て「そうそう そうだった」となるだけなのだ。
あてにはならない頼りない人間の記憶だ。
だけど、この先に江ノ島淵があるって事だけは覚えている。地形はどうだったっけ
確か新編相模風土記稿によれば四月の巳の日に、江ノ島から流れ出た潮が吹き上げるという伝説のある淵なんだけどね
それは、たしか5m程の滝の釜を指すんだったっけ?
こんなような感じに記憶は頼りない。
丸っこい石と砂地の中の所々に岩床のナメがある沢の中は難しいところは無く、時に靴を濡らさないように気をつける程度のだらしなさで滝から200m程歩いたところに小滝が一つ見えた。
左右岸を岩に覆われた高さ1m程のちっぽけな小滝
近くに寄って見れば、釜は広さ4uくらいと小さいけれど、水は深い。涼々して澄んでいる水の底は2m以上はあるかもと見える。水面上から見てもそうだから、実際に測ればもっとずっと深いかもしれない。(これが江ノ島淵らしい。だが、登る途中まで、そうは思っていなかった)
釜左側の岩のフリクションを確認し、慎重に回り込み。だって、小さい滝だけど、釜が深いんだもの。万が一滑ったら足が着きそうもなく、もしも、この場所にカッパでも住んでいようなら釜の底まで引きずる込まれそうな感じがしたんだもの。まさしく、”江ノ島淵”にふさわしい。ここに江ノ島から潮が吹き上げる四月巳の日って何時だろう? それを見てみたいものだ。江ノ島海岸のさざ波くらいは感じられるだろうって聞き耳を立てるのも悪くない。
時間のある人はどうぞ
淵から暫く歩くと、少し前までこの滝の釜を江ノ島淵と記憶がすり込まれていた5m滝に着く。
なぜ、ここを江ノ島淵と思いこんでいたかと言うと、ここも釜が深かったという記憶があったからだ。
だが滝手前の釜は砂に埋まっていて、靴を濡らさずに滝に触れることができた。昨年の大雨は、ここを含めて丹沢各地の淵という淵を埋め尽くしたのだ。マスコミ関連では大騒ぎされていないけど、あの大雨が自然に与えた影響はかなり大きかったのではないだろうか。
そんな中で、彼の江ノ島淵は砂一つ無かったのは、その場所が、さすがの深さであったと言って間違いないだろう。あの淵から相模湾までの水脈全てを埋め尽くすにはダンプカー一千万台の土砂が必要だろうと絵空事を想像してみるのも楽しいものだ。
6m滝 釜はすっかり砂に埋もれていた。(右側から巻く))
さて、この5m滝
釜は砂に埋もれているが立っていて登れない。右側の砂地を露岩が尽きるまで登り、杉の林に入る。そこには上流に向かう細い踏み跡があり、それをたどると、コンクリ製の砂防堤の上に立つことになる。ここも前回(2002年)は湖のような感じだったのが、広い砂地に変わっている。
その砂地の上に竹製の矢倉が高く組まれていて、炉が切られ、太い薪が井形に積まれていた。秘密基地のキャンプファイアー用としては十分な仕掛けだろうけど、だけど、コレじゃないよな、というのを明日にでも確認しようと思う。
同じような砂防堤がもう一つ続いて二俣に着く。水量は1:3で右が多いが、そちらは行ったことがある。(南山林道(半原越を通る林道)を横断する。更に急な岩窪を登れば仏果山から秋葉山を過ぎた付近で稜線につくことができる)
今日は左に進む。
石積の堤を左から一つ越える。そうするともう一つの石積堤。これは右から越える。先は一面のボサが這え、上流には中央が下から上まで空いたコンクリ製の堤が見える。右の上10mには林道。車が走り去る。
もういいか
林道に出ると暖かと言うよりも暑かった。もう一台車が走り去って、僅かに歩くと先ほどのコンクリ製砂防堤の上流に「作業路南山1号路線」の標識が立つ。その標識を見るまでは半原越まで行こうかと思っていたが、見た瞬間にコッチを選ぶ。
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「作業路南山1号路線」 ダラダラと水平に伸びる地元の方々の散策路
この作業路は良い道である。
大半が水平に伸び、所々緩やかな降りになだらかな登りがダラダラと経ヶ岳から半僧坊への登山道に出るまで続き、遠方には相模原の町々、近くには中津川を挟んだ半原田代や荻野の風景が広がってが見え、その間、足元を気にする必要が無い。
そして、この道はもう一月もするとビニール袋を片手に提げた山菜摘みの老若男女に溢れるのだ。おそらく、山菜の数より摘み取りの人の方が多いかも知れないというのもウソではないと来てみれば実感できるだろう。 大半は山菜採りを名目に散策を楽しむ人と見ているけど、それなりの良い道なのだ。さっきの入り口表示を見るまで、存在を意識していたわけではないが、気がついたら、こんな道を、歩かない手はない。
途中、山菜の隠れ畑立ち寄り、タラの芽が枯れていないことを確認する。今年は旬のタイミングに合わせて採取に来ることがこれるだろうか、それとも本年も先手を見せつけられることになるのか、せめてフライングして全てを刈り取るのはだけはカンベンして欲しいというのは時間ハンデを受けるマシラのひがみかも知れない。
さて、経ヶ岳からの登山道に合流(砂防堤付近で合流)するための左手方向に降る作業径路に別れ、更に直進するが、200m程進んだ沢の中で道が尽きる。強引に横断し、上に百m登って登山道に合流。本日の山遊びを終える。まだ朝飯前の十時だった。
写真集
自宅6:50〜神奈中バス半原線馬渡下車7:25〜廃旅館7:35〜旅館横手の小沢探索して旅館に戻る7:55〜犬と遊ぶ〜塩川滝7:55_8:05〜巻いて落ち口へ8:25〜江ノ島淵8:35〜5m滝8:40〜5m滝上8:50〜二俣〜コンクリ堤9:10〜作業路南山一号路線入り口9:10〜秘密のタラの芽群生地探索〜経ヶ岳登山道入り口10:10〜相州病院まで歩きバスへ10:35〜下車〜自宅11:00 20090215 ポカポカを通り過ぎて暑いくらいの日だったよ。
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