
バスを降りて 三峰登山口に蛭避けを見に行く。
その間にザックの横にメットをブラブラさせている3人パーテーが先に行った。
今日、
ヘソをヒルに喰われた。
足回りはしっかりチェックしていたのと、思いの外に彼等の数が少なく、沢の中では詰めに入る直前に指先に吸い付かれただけだった。もちろん直ぐに気がついて振り払ったので実害なし。そして順調に山遊びを終え、帰路についたのだ。
今日は全然大丈夫。
そのつもりだった。大丈夫だとは思ったけど、念のためバスから降りて直ぐに靴を脱いで確認したら敵も然る者。三匹が靴ひもの間に紛れてひそんでた。しかし、これは実害なし。
これだけ確認したんだもの、絶対大丈夫って!!!!
これを慢心という。初心者は慢心なんて起こす余裕無くベーシックに用心するから、この時点でのミスは犯さない。
他方、プロと言われている人たち。これも動作が体に染みついていて当たり前のように対応するから、当然ミスなんておかさない。
では、その中間の連中はといえば。 マシラの山もこの範疇に入ると思う。こいつ等が一番ルーズで傲慢というのは世の中の常識らしい。
さて、帰宅して一汗流そうとシャツを脱ぎにかかる。念には念を入れて身の回りを確認する。ヒルにやられていれば、この段階でシャツは真っ赤っかなはずだ。全くそんなことはなかった。
おそらく指先に吸い付かれたのと同じ地点だろう。あそこは枯れ葉が厚く積もっていて腰の辺りまであった。腰回りの衣服にへばりついたヒルが吸い付くポイントを探し、どうせなら暗くて狭い場所が相手に発見されにくいと、たかがヒルのぶんざいのくせにヘソの穴に食らいついて、それも一番奥深くに吸い付きやがったのだ。そうとは知らないボンクラなマシラは、腹はシャツとパンツで覆っているのだから大丈夫と防御を過信し、まさか腹と油断していたのだよ。そう言えば、あのころ汗かいて暑くてシャツはめくれ上がっていたよな気がする。そんな僅かな油断を見逃さず、果敢に相手に突進したのだから、さっき吐いた”ヒルのぶんざいのくせに”との言葉は相手に敬意を表す意味で撤回し、”敵ながら、あっぱれ”と言い換えるよ。ヘソの上はウェストポートのベルトで押さえつけられているので、山の中で腹に吸い付いたとはいえ、その時点では圧迫されて十分には吸血できず、本格的に血を吸い始めたのはマシラが家に着いてからだろう。それから、それほど時間は経っていないが、立派な出べそに見えるくらいに十分に大きくなっていた。
ヒルは熱に弱い。熱目のシャワーを浴びせて弱ったところを指でつまんで捨て去る。
しかしなあ ヘソだろ 恥ずかしながら ユミコちゃんに ヒルにヘソ抜かれたと言ったら
ドレドレ ぎゃあ! バーカーたっれ
それに
まだべつのがヘソの中に隠れているかも知れないから ヘソ掘り返して ちゃ〜んとチェックしておきなよと、あきれかえられた。
ヘソの穴だと、この後かゆくなっても、指の先が届かないから、どうしてかいたらいいのか今から心配だ。綿棒、常に持参かな。
(その心配はご無用 全くさわれない場所なので すぐに傷口は塞がってなおってしまった)
3人パーティは沢に入るんだろうか、ヘルメットがザックに括り付けられている。
仏果山には雲がかかるが、直ぐに悪くはならない。
所々霧が立ち、その霧が山の下から頂にかけての窪みにたむろうように漂う。湖面は静かなもので、200mほど先で騒ぐ人の声もしっかり聞こえる。
小さな騒動は、何やら竿の先にヒットした釣り人のものだった。七・八人の人がたむろしていて、その輪の中心の路面には釣り上げられたばかりの30cm級のニジマスが二匹が尾をふるわしている。
だが、輪に入って写真取らせてと言ったら、集まっていた人たちがさっと散り、残った人も魚を見るのを露骨に嫌がった。どうやら密漁監視人と勘違いされたらしい。そんなような格好はしていないはずなのだが、最近は覆面何とかというのも多いから、胡散臭いと警戒されたんだろう。
そんな譜面仕事を請けているつもりではなし、相手は嫌がることは強要しないに限る。それでも釣られたニジマスと釣り上げて喜んでいる人の写真は一枚しっかり撮っていた。
こんなように、今日は釣りやさんとの相性が良くない日だったらしく、もう一回、別の釣りさんに相手にとって嫌なことを強要してしまった。
沢に降りると釣り人が一人 真剣勝負の最中だった。
先ほどの3人を追いついたところで中津川に架かる橋を渡る。3人もどうやら同じ橋を渡るらしい。 それにはかまわず道を進み、ハタチガ沢の上に架かる橋を渡り、右に折れて右岸の村道高畑線に入る。
対岸(ハタチガ沢左岸)の川瀬近くに山仕事の道が延びているのが見える。所々から桧油の香りも漂ってくる。伐採からそれほど時間が経っていないのだろう。そのための仕事道も伸びているから、今なら林道を行くのも仕事道を行くのも時間的には大した差はないと思える。
村道終点200m手前付近から河原に降りる道がついていて、川の10m手前までは楽々下降できる。残り部分は灌木にぶら下がって川に降りる。
そこは二つに割れたコンクリ塊の先で右岸に小沢が合流する場所だった。少し奥が小さな釜になっていて、そこで小事件発生!
事件と言ったって
釣り屋さんが瀬から身を隠すようにして竿を振っていた。竿先に集中している彼が、マシラに気づくのを5分くらい待ってから、声を掛ける。
「先に行きたい。行かせて欲しい」
返事は「困る 止めてくれ」 魚が警戒して釣れるものも釣れなくなってしまう。迷惑だ。
たいがいは迷惑だなあと思っていても、当たり障りない対応をするのが大人だ。だから、このようにダイレクトな返答への対応って、どうしたら良いんでしょうかねえ
林道から、さっきの下降路ではなく、もう一本奥の仕事道で下降してくれば100m程上流だから、彼に気づかれずに、彼も気づかずに、袖を振る縁もなく、こんな問答を行う必要なかったのだが、出会ってしまってからでは、そうはいかない。
キッと渓流釣りなら先行者が優先するというマナーが存在するんだろう。そして彼は、その常識に照らして、当たり前の事を要求しているだけなのかも知れないが。
だが、引き返せと言われても
マシラの対応はその場は上の林道に戻り、彼の目の範囲を外した上流地点から沢に降りるだけだ。
そんなこと考えているのが相手にも伝わったらしく、「ソッと行ってください 出来るだけ魚を脅かさないように静かにお願いします」となった。
申し訳ないが、これなら対応は出来る。沢沿いは行くが、少なくとも、ここから200mは瀬の中には入らず、瀬から出来るだけ離れて歩く。幸いここら当たりだと川幅は広い。渡らなければならない箇所は三箇所くらいはあって、そこは、そっと飛び石ですますことで彼の希望をほぼ100%遵守出来るだろう。
この沢は何回か来ているが、その中では本日の水量は多い。小さな釜や瀞が沢山あるこの沢では、そんな小さな変化が沢の雰囲気を大きく変える。なんか 奥入瀬渓谷でも歩いているような気ぶん。
支流の小沢を少しだけ探索
P677mへの支尾根上流側の小沢を300m程だけ探索し、そのもう一つ上流側の支流は簾滝迄の50m往復して見学する。小瀞の中で水に浸かるとようやく沢歩きが本格化したような気分がする。
少しだけ進むと本流は右(ハタチガ沢)と左(オオユナラノ沢)に分岐する。いつもは水の流れのない左俣にも今日は水が流れている。
右にはいると直ぐに二つの小滝と4mCS滝からなる小さなゴルジュになる。このCS滝、右側から登ったことがあるけど、出口付近に指にがっしりと体重を掛けられそうなホールドがなくて、細い灌木が頼りだったり、あんなもので体重は支えられないからバランスだけに使うのだが、小さいくせに結構この滝しょっぱい。早い話が、あんなところ確保なしで良くも登ったよね、前は。今ではとても考えられないってこと。
滝の右直ぐから露岩中を小さく巻いて落ち口の3m上で沢に戻る。
セラドン石の緑が印象的だ
そこからのハタチガ沢は、良いところだ。岩床が続き、不整地を歩かされるような面倒はなく、滝は厳しいのは二つほどで、他は濡れるのを厭わなければホントに易しい。それに今日は水量が普段よりも多く、その分 水にサラされる岩の感触を多く楽しめる。
その岩がまた良いんだな。東丹沢では多くは大山亜層群という変哲もない岩で構成されているらしいが、中津川周辺では、それの間にセラドン石が含まれている(マシラの認識違いで全く別の岩石名だったらゴメン/この石は火山岩の一種で緑色に変成している)セラドン石自体は珍しいものではないと言うが、他の沢では亜層群の中にツブツブになって含まれていることが多いが、ここハタチガ沢では大きな岩一枚総てが鮮やかな緑色をしているのが沢山あるのだ。それが水に洗われて更に鮮やかに感じる。磨けばつやつやと輝く宝石になるのではとも思えるくらいなのだ。そんな中を歩けるのだから、もしも気分が沈んでいても山の緑と岩の緑の両方にイヤされること間違いなし。さあドンドン行こう。
岩床の中の所々に滝場あり 本流
8m滝を左から巻いて、上に出る。そこまで狭かった沢が一気に広がる。沢の傾斜が無くなる。水量はまだまだ沢山。だが、この先はダラダラと817mの鍋嵐山頂目指して、代わり映えしないよなあ。なんか今日の山遊びのアクセントが欲しいなあ。
そんな時、右岸に4mほどの小滝で小さな流れが落ち込む。
こんな場合、どうするか?
岩床の中に所々の滝場あり 本日の本流ラスト
雨の降っていない水量の少ない時期なら、キッとこの小沢に気づかずに通り過ぎてしまうだろうな。
さあ いよいよ支流?の小沢へ 入り口の小滝
4m滝は流れの右側についた細いバンド状のホールドを使って登る。
岩床は続き、ささやかなゴルジュ状はいくらかの傾斜と高々1m程度の小滝を幾つか掛けるが易しいものだ。
次の7m滝に続く。滝と言っても傾斜は緩く、平板な岩の中央部が、流水によってえぐられたような登り道になっている。ただ傾斜は緩いとは言え、人の出入りの少ない岩の表面には薄く水垢が付いているので、そんな場所は避ける注意は必要だろう。
次も小さなゴルジュ状
小さなゴルジュ状を簡単は通過可能
もう少し傾斜があれば、ナメ状滝と称してもよいのだが、最上部のCSを含んでも、易しい。
それからも樋状の岩床とか、10m(5m二段)の滝もあるが、いずれも水苔に注意すればよいだけの簡単なもので、ナメ状の15mも登るのを楽しめば良いだけだし、20m程の岩場に見える急傾斜も、実際にそこまで言ってみれば五段に別れた簡単な小滝の集成で見かけ倒しも良いところ。だけどこれくらいの難度がマシラには全くピッタリ。五段の涸れ棚の上は一枚のスラブになっていて、ずり落ちないように30m程のぼってから、右の疎林帯に移り、30m登って稜線に着く。沢状が尽きてからは僅か30mで稜線っていうのはとても良い。最後の60mは中々急である。
水垢にさえ気をつければ良い
稜線(ハタチガ沢と滝ノ沢分界尾根)にはP677m経由でハタチガ沢出会いに降りる道がついている。鍋嵐の隣のピーク(P81□m)では滝ノ沢左岸尾根
が合流する。そこには前日ぐらいに歩いた跡が付いている。だれだろう。そして鍋嵐山頂
鍋嵐を物見峠側に歩き始めたところで二人の登山者に会う。言うに来る時のバスが同じだったという。彼等は鍋嵐からは唐沢川黒岩に下降するとのこと。その割には道はあんまり知らないようで、滝ノ沢方向にだけは入らないようアドバイスを行うが、鍋嵐を登ろうという登山者はベテランだろうから改めてアドバイスもないだろう。
土山峠から物見峠への登山道に出たところから辺室山方向へ向かう。その山頂手前から脇の仕事道に入る。その道、入り口は良かったが、20m歩くと埋もれかかったように細くなったが、それでも古来の道らしくトラバースを忠実に行って山腹を巻いていく。そして、左手から整備された仕事道に合流する。この合流した道はとても良い道で、丸太を馬で引いたような道型が残り、その上に最近の丸太での仕事道整備の手が加えられていて、唐沢林道を横断しても更に下降を続け、旧の辺室林道終点まで続いている。
それだけではなく辺室林道を横切っても辺室沢に降りるまで続き、ついついそんな道に導かれてしまう。
そうして、辺室沢に降りる。
辺室山から唐沢林道〜辺室林道〜辺室沢へと下降する仕事道(旧の辺室林道〜札掛巡回路の一部?)
普段は左岸/右岸の瀬の近くにある仕事道を使うのだが、左岸には下流に向かってずっと平行に伸びる別の踏み跡があり、一旦それに気づいて歩きはじめると、たとえ歩きにくくとも、下にもう少し歩きやすい道があると分かっていても、ついつい、この道どこまで続くとと誘惑にかられて歩き続けてしまう。その代償は辺室林道なら終点から加藤林業事務所入り口まで25分あれば十分なはずだったのに、この左岸の道は山の中腹を山の膨らみへっこみを忠実にたどるのと、道が細くて歩きにくいこともあって、くねくねと35分は十分にかかってぢまう。その結果12時のバスに余裕で乗れるはずだったのが、バス停に着いたのとバスが停車したのが全く同時刻となり、汗を拭く間もなかった。ヒルチェックもバスを降りるまで出来なかったのだ。
自宅〜千頭橋神奈川中央交通バス〜三叉路〜ハタチガ沢出会い〜村道高畑線〜ハタチガ沢(釣り人)〜ハタチガ沢〜稜線へ(P815m→P677m→ハタチガ沢出会いへの尾根)〜P815m〜鍋嵐〜物見峠方向へ〜鍋嵐直下で二人組と〜辺室山方向へ〜辺室山手前から仕事路(トラバース)〜良い仕事路(旧の辺室林道から物見峠につながる道?)〜唐沢林道横断して〜辺室林道〜辺室沢に下降〜辺室沢右岸の仕事道(とても細く薄いが延々と水平に山肌を縫うように続いている)〜辺室ダムに強行下降〜加藤林業事務所〜坂尻(バス乗る)千頭橋〜自宅12:45 2009/05/31 曇り 時々薄日が射したが雨粒も
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