本厚木から発射した神奈中バスは奥煤ヶ谷から折り返し、そこから宮ヶ瀬までは専用バスのピストン運行だった。運転手と誘導員の2名で運行しているそのピストンに乗り込んだのはでもマシラたった一人だった。[あんちゃん、どこまで][そこの土山峠でおろしてくれます][あいよ、この雪の日にごくろうさんです][いやぁ、こんな日も休めない運転手さんの方がよっほどごくろうさんですよ。おれはこれから遊びに行くんだから][遊びでも乗ってくれる人がいるのはいいことだ]
厚木方向から登ってきて土山峠のてっぺんで折り返していくパトカーを堤防の上から見下ろしながら買い物袋の雪中脚絆を付けてる。雪に隠れた土止め木のある階段を上り小尾根に出て宮ヶ瀬湖を左手に見ながら登っていく。水をようやっと氷の固まりで引き留めたような雪で踏み込んだ跡からは水がジワァ〜としみ出してくる。蹴った雪はボッサと空中を舞って蹴ったときの固まりのまま雪面の中に潜り込んでいく。最初は水がたっぷりな割には積雪も少なかったので抵抗感の少ない雪だったのだが石祠が二つ列んだ辺りまで来ると膝のあたりまでの深さになり、結構、雪原歩きの気分が出てくる。この間、ゴアテックス張りとおもって3000円で買ったズック靴の中はもうこの辺りでぐしょ濡れだが、気温は暖かく木々の梢から雪解けの雨が降るから歩いている限りは凍傷のおそれはない。木々の間に何本か作業道が横切り、兎や犬や鹿が走った跡も横切る。急登を終わりなだらかに登って室辺山頂(644m)となる。そこは樹林帯で見通しは利かないが雪の彼方に厚木の街がかすんで見える。20女沢上部の鍋嵐が見える。三峰が見える。宮ヶ瀬湖は見えない。この周辺には何回か来たがこの山頂は始めただ。
山頂からは物見峠側に下る。ただし、物見峠は煤ガ谷から札掛方向への峠であって室辺山からはそちらの方が標高は高いから下ると言ってもなだらかな登りが続くのは一寸した誤算。笹が多く葉っぱの上の雪が腰のあたりにあたって膝が濡れるのもあんまり嬉しくはない。物見峠から煤ガ谷へはしばらく三峰の山頂を巻くように室辺沢の幾つかの源頭部をトラバースする。道がガレていて急なところが部分的にあるが、そこでは山側を向き胸までの雪をかき分け、足場を確認し慎重に横断する。水の尻沢の縁あたりまで来るともうそんな場所もなく楽しい雪道、やがてバシャバシャの雪泥道となって煤ガ谷となる。帰りは行きの運転手さんが運転し、柿木平から宮ヶ瀬までのバス運転手を乗客としてやってきたバスで千頭橋までのって、残りは歩いて家に帰る。10:20自宅〜10:40本厚木〜バス〜柿木平乗り換え〜土山峠〜室辺山〜物見峠〜煤ガ谷14:23〜千頭橋〜自宅 2000/01/08



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