街の桜が一息つけば山は萌葱色の季節
 それぞれの木々が麓から山頂に向かって順々に硬い殻が開き、淡い葉っぱが芽を吹いていく。種類によっての微妙な色合いと、山のひだが織りなす陰影が縦横斜に織りあい、複雑にモザイク模様を染め上げる。そんな近隣の山々の上には丹沢山から蛭ヶ岳・焼山にかけての山稜が明るく見える。
しょっちゅう見ているのに、今の時期は山は日々表情を変えるので、見飽きることがないねえ。いいなあ・・ あの辺 歩いて見たいけども・・・

 なんて言いながら、今回は超手抜きの山歩きだ。だって山菜の育成状況確認が今日の山歩きの目的なんだから、それさえ怠らなければ少しくらい手を抜いたっていいじゃんかようってね。

 荷籠の大きなママチャリを愛名入口経由・玉川沿いに走らせる。桜は大半散ったが、三分分くらいは残っていて、そこかしこからヒラヒラと散り舞う中、広沢寺の駐車場の水道栓横に止める。
 時間が早いのか行き交う人はなく、弁天岩も奥のキャンプ場も無人だった。入り口にあったはずの管理棟は撤去されて跡形も無い。
 キャンプ場最奥の天幕場から少し奥に進んだところに「ひょうたん広場→」の標識が立つ。その標識が示す方向にある小さな沢が、本日の目的場所なのだ。それは標識からP674m(梅の木尾根二俣分岐から鐘ヶ岳方面に向かう途上にある小ピーク)下の稜線に出る流程1kmに満たない小さく短い沢なのである。
 入るのは二度目・・・各所に切り払いがされているはずなので、暖かみが欲しい種類の山菜がきっと沢山育っているに違いないって目星を付けていた本日のターゲット設定の根拠になる。それほど立派な理由とは言えないって事は分かっている。
 「ひょうたん広場→」方向に伸びる遊歩道(この道を歩く場合、最近整備されていないので肝心な箇所が荒れているので多少の注意が必要です)に入って、十歩ほど歩いたら右の踏み跡道に踏み換え砂防堤を越える。
 その沢はすぐに二俣に別れる。
 最近森林整備の手が入ったらしく、二俣中央には緑十字の大きな安全マークが立木に翻っていて、その下から仕事道が上方に伸びて行くのが見える。
 安全旗を右に見て、左の小沢に入る。枯れ葉に覆われた沢の中は足場を目で確認することが出来ないので不安定で、最初の一歩で早速転んでしまう。だけど枯れ葉のクッションの中だから、手が少し水に浸かっただけで何ともないのがラッキーと思う。

最初の5m滝 枯れ葉を払って登る
 すぐに岩床の流れに代わり、少しだけ左に曲がると、そこに最初の滝が見えてくる。何もかもがスモールサイズのこの沢、5m程の小さなものだが、ここでは最大の落差をもつ大きな滝なのだ。傾斜にきついようにも見えるが、流れの右側から登ると、岩は純層な上にフリクションは割かし良いので、易しく登れる。
 それを登り終えると、次の滝がすぐ目の前に見える。3m程の高さで、これも右側から取り付いて、岩の上の枯れ葉をかき分け足場を確認して登る。難しくはない。
 岩床の流れは最初の滝からずっと続いていて、それほど間を開けることなく次の小滝は3m。左側の回廊状になっている地形に順ってパスする。すぐに小滝と岩床の流れ・・・ナメと言うほどでもないかな。中央を歩くって事は当然ながら水の中に入ることになる。それがイヤなので側面を歩くが、これが見た目よりは面倒に思う。
 だったら下を歩けば簡単にガンガン行けるのに。。それに今日は暖かい。。。でもなぜか、本日は水を嫌う気持ちが強い気がする。
 なんて書くと側面を歩くのが面倒に思われるかも知れないが、本当は、足場がちょっと不安定かもしれないくらいであって、全く難しくは無いのだ。それなのに、そうしないのは、一度、今日は水の中に入らないと決めたら、それを破るのが精神的に面倒なだけなのだろう。だからドッかでよろけて水の中に入れば、その後は全く躊躇無くいける。要はタイミングだけの問題なのよ。今日は難しくないので(入り口最初でよろけた以外)そんな機会がなかっただけさ。
 狭い回廊状の水量が少なくなると沢に下りて、小滝小釜をのぞき見しながら進む。

水量少なく急なルンゼ状を登る
 そして二俣
 左は水の流れのある3m滝、右は2m涸棚。二つの小滝は上に連絡路があって、行き来が出来る。その中央には上に向かう仕事道が付いていて、きっと上の山稜迄つながっているのだろうな。
 沢に入ってまだ30分と立っていないのに、小さな沢である証拠に既に稜線は間近に見える。先は短い。
 左の小滝を登ると、予想通りに水流は尽きて、乾いた岩の沢に変わる。そして傾斜が増してきて、小さな幾つかの涸棚を登る。そうすると周囲全てが涸棚状にカバーされる。その中の傾斜の少ない部分を選んで登っていく。
 ポッと稜線に出る。
 P674mとその隣の二の足ゲートに向かう道と、弁天の森キャンプ場入り口付近に向かう道が別れる小ピークの鞍部であった。まだ七時半だというのに、今日の登りはこれで終了なのさ。あとの残りはうつらうつらと景色を眺めることと山菜のチェックだからのんびりしたものになる。

一の足沢全景を二の足ゲートに向かう稜線から眺める。桜のピンクがアクセントかな
 遠くの山は春の日差しに霞み、近くの山の各所にはうす色の桜が咲き、ツツジは、そこにあそこにピンクを鮮やかにしている。
 小ピークからは二の足ゲート方向に向かう。切り開きの場所ではタラの芽を幾つか確認するが、葉を出したばっかりで刈るには忍びない大きさだから、まだ早い。
 一つ降ったところの小ピークの境界杭に「二の足ゲート」方向をマジックインクで書かれ、その下に仕事道が付いているのを確認したが、山菜確認の為には稜線通しが良いので尾根を直進する事にする。更に幾つかの杉林切り開きで山菜の確認を行い、やがて旧のお釜弁財天参道入り口の奥で行われている橋工事地点で車道に降る。
 沿道ではポカポカの陽気の中、農作業が行われていた。今日はおだやかな感じがする。

 ただし、まだ朝飯前の農作業が片づいていない時間らしく、筍を五本くらいなら千円で買えるだろうと考えて、それを運ぶために荷籠の大きいママチャリにした今日の目論見は、目当ての無人販売の販売台は空っぽだった現実に泡のように消えた。この価格と質は他では置き換えることが出来ず、例えば他の販売台では五百円/本や、良さそうなのは自家製糠付き700円/本ってな具合なのだからと、品物と荷札を見比べるだけで、近くのスーパーでも同じじゃないかと悪態をついて、わざわざ遠くから運ぶ必要ないだろうって考えてしまうマシラってケチだねって改めて思う。今月は歓送迎会多々で早くも空っけつマシラなのよ。
 前回の同場所2004/8はこちら
 写真集です


 自宅5:10〜玉川小学校〜広沢寺6:00自転車デポ〜弁天の森キャンプ場6:40〜小沢(名知らず)入り口6:45〜最初の滝6:55〜稜線7:30〜小ピーク(二の足ゲート側に向かう)7:35〜二の足林道の新橋工事場所へ8:20〜広沢寺8:25〜小野小町公園(桜見物)8:40_55〜自宅9:30 2009/04/11 ポカポカの晴れ
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