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宮ヶ瀬湖 朝 (山びこ大橋から)  雨がふるまで時間はいくらもなさそう





 「水ヤリ沢? なにっ それっ」
 たいていの人はそう言うだろうな。俺だって今まで気がついていなかったんだけど、宮ヶ瀬の中津川 滝ノ沢と風穴沢に挟まれた位置にあるちっぽけな山襞の窪みが、その沢なんだよ。

 名からは、水がヤリの先のような鋭さで流れ下る沢ではないかと想像させるでしょう。マシラは、そう感じたから、出かけたんだ。
 実際はどうかというと、そうだね 想像が当たる事もあれば、はずれる場合もあり、色々さ。今回は部分的には当たっているけど多くは外れっ、そんな感じさ。

 「雨は夕方から」というのが六時前の天気予報だったが、自転車を走らせていると、腕に当たる風の感覚はしめっぽく、今すぐに雨が降ってもオカシク無いというように思われる。スタート地点では信号一つ分だけ先に行った自転車には土山峠を登り切ったときには、姿も見いだせないほど完璧に振り切られていたが、それでも休憩タイムなしで宮ヶ瀬湖まで走れたのだから、今日もご機嫌なサイクリングである。県道が狭くなってから三回くらいカーブを曲がれば長者屋敷キャンプ場に着く。入り口に自転車を止め、無人のキャンプサイトを突っ切り、中津川の流れを渡って対岸に着く。そこからは川沿いに上流に進む。どうも、この付近の川の石はマシラと相性が合わないらしく、これは大丈夫と思って踏み込むと「ツルッ」と滑る石が多いので、足を取られないよう注意して歩くので思ったより進行が遅い。
 さて、沢の入り口は、唐突に山肌が裂けたような感じで出迎えてくれる。

 その「水やり沢」の入り口はナメ状の小滝で始まる。
 右岸は切り立ち、左岸も急は崖で、狭い裂け目からは水がヤリの穂先をきらめかせるように吐き出し、本流に流れ下るように見える。ナメの奥には滝から落下する飛沫が暗い闇に浮かび、「なるほど これならば『ヤリ水沢』という命名も分かる」と納得できる。地図に水線が引かれていないが、思いの外に水量も多い。大して期待して来たわけではないが、これは期待してもいいかもと思わせる入り口なのだ。

 でも、こんなように入り口の事を子細に書くってことは、他には大して書くことがないアカシ

 入り口のナメ部分は左の側壁から小釜を避けて通過する。続く3mの小滝は右から登る。岩床の流れが10m先で右に曲がり、そこには落差5m程の簾滝がかかる。中央突破をはかれば登れると思うが、全身濡れることと少々傾斜がきついので右を小さく巻いて逃げる。滝の上には3m程の小滝が重なり、それを右から登ると2m程の小滝が更に続く。それが終わっても岩床の流れは続き、上には大石を積み重ねた砂防堤から涼しやかに水が落ちる。
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最初の3m滝




続く4mすだれ状の滝



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ナメ状と小滝が続く 上には古い石積砂防堤が  良い雰囲気だったが



 イイゾいいぞ この沢拾いモノだ。こんな状態の滝場が、もう二つ いやいや 一つでもいいからあればなんだけども
 砂防堤を右から登ると、そこで岩床はとぎれる。狭かった沢は開け、きつかった両岸は、低い小尾根に変貌する。そして、そこからは深い苔に覆われた石が積み重なる中を水が静かな音を立てて流れるゴロタの沢が終わるまで続く。単調な歩きのアクセントになるのは石積みの古い砂防堤だけである。沢沿いに植えられた杉の木は樹齢60〜80年 中には100年を越えていそうな立派に成長したものもあり、普通に考えれば切り出されてもおかしくない良材の林である。手入れの為の、或いは付近にいくつもある炭焼き窯への仕事の為だろうか、古い道の跡が沢沿いに稜線近くまで続く。いまは消えかかろうとしているが、所々に残る石積みで手入れされているほどだから、山仕事が盛んだった頃には、さぞ立派な道だったんだろうことが想像できる。

 稜線へ100m程の位置で左に地肌が剥がれ、岩がむき出しになった窪が左に派生する。上のピークを直接目指すなら右なんだろうが、剥き出しの岩肌の誘いには逆らえないので左に入る。
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写真より実感は結構 急なんだよ 左への窪

 その岩床の登りは部分的には岩には手がかりが少なく、左から垂れ下がる木の根っこを頼りに登ることになるが、傾斜度も怖いほどの恐怖心を抱く事のない手頃な傾斜が続き、登り切ったところは滝ノ沢右岸尾根を滝ノ沢F2上に降りる仕事道の木の桟道である。50mも歩かずに水源の森表示板につく(滝ノ沢への仕事道と水やり沢左岸を下降する地点の分岐になっている)

 予測したとおりに雨が時折パラパラと降りかかる。P815m(鍋嵐のすぐ横のピーク)に向かう途中にある露岩帯(あたりの見通しがパノラマ状に利く)まで行き、360°をグルッと見渡した地点で、今日はここまで。

 水やり沢左岸尾根を下降する。P618m手前の鞍部は二重山稜となっていて中間地点は泥の鹿のヌタ場となっている。雨の時期には小さな池が出来ているのかもしれない。
 水源の森標識はP618mまではしっかりと打たれていたが、そこから下部は赤く古いプラ杭のみになる。が、盛り上がった尾根状は踏み跡を探すような苦労する事もなく、膨らんだ部分を選んで黙って下れば自然と中津川の水音が近づいてくる。そして、もう少しで本流というあたりで右手を見ると、先ほど上がってきた「水やり沢」の最初の石積堤が見える。そこから下部の尾根は僅かな距離だが、特に本流の川に降りる10m程は急峻で下降にはちょっと注意が必要だった。本来の仕事道はおそらく先ほどの石積み堤から本流を上流側に降りる方向にあったに違いないが気がつきはしなかったが、そんなこと 下ってしまえば、どうでもいいことさ。

 雨がバラバラと降る道を後ろからの風に押され、帰りは楽ちんに自転車走り。本日は10時のお茶も自宅で済ます超ショートコースとあいなった。


自宅6:20〜宮ヶ瀬山びこ大橋7:15〜長者屋敷キャンプ場(自転車デポ)7:25〜水やり沢出会い7:35〜滝ノ沢右岸尾根の仕事道8:45〜P815m(鍋嵐横のピーク)手前の露岩帯までで折り返し8:50〜水やり沢と風の穴沢の中間尾根〜P618m経由〜水やり沢出会い9:25〜長者屋敷キャンプ場9:35〜自宅10:15  2006/10/01 予報では夕方からとなっていたが、実際には朝方からパラパラと雨が そして昼過ぎにはしっかりとした雨に でも自転車で走るには誇りも立たず適温で快適な一日でした。

キャンプ場内は私有地です。ここの主は無断通行者を相当に嫌っているようで見とがめる姿勢は強く通行時にはそれなりの注意が必要です。またこのあたりのヒルはまだまだ元気ですので要注意です。
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