鉢植えパパイアの育て方
★ パパイア or パパイヤ 2005/01/09
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パパイアの学名はCarica papaya L
ですので、パパイアもしくはパパヤという事になります。園芸学会でもパパイアを正式名称としていますので、当ページでは「パパイア」に統一しています。
★ パパイア
熱帯アメリカ原産の草本性小高木で本来は高さ2〜10mになります。通常枝分岐せず長い葉柄に切れ込みのある大きな葉を着けます。花は葉柄の付け根上部に着きます。雌株、雄株、両性株があり、更にその中間株もあります。種から育てる場合、観葉植物と割り切るなら1粒でも良いですが、果実を収穫したい場合は複数個の種が必要です。雌雄両性の見分けは花が着くまで分かりません。(
鉢で育てる場合、上から見た株の直径と横から見た株の高さをそれぞれ1m程度を目標に育てます。)
★ 鉢植えするなら在来種
生産地以外で鉢植えで育てるなら、雌雄異株の在来種がお勧めです。ソロ種(両性株)は1株で結実しますが、株が大きくならないと開花しないというデメリットがあります。生産地以外では冬は室内に取り込む必要がある事から、大きくならないと開花しないソロ種は結実が難しいかもしれません。在来種は徒長させなければ、85センチ程度で開花し、受粉すれば結実します。鉢植えで種から育てて大きくなったが開花しないという方は播いた種がソロ種であった可能性があります。私のところでもハワイアンソロを育てていますが、2年過ぎて1メートルを超えても蕾は着いていません。2003/10/23追加
★ 上の記事を書いた後、ハワイアンソロに花芽が出てきました。在来種から1年遅れですが、株元から105cm程度から上に6個着きました。在来種より20cm程度上です。ソロでも鉢植えのような根域制限された環境だと比較的低位置で開花結実するかも知れません。
| 鉢植えパパイアの雄株(左)と雌株(右) |
★ 生育環境
パパイアの生育は日当たりの良い場所で、13℃〜35℃の範囲(25℃が最適)とされています。13℃以下では生育が止まり、35℃以上では花粉の受粉がうまくいかないようです。10℃以下では生育障害が出て枯れてしまう事もあります。13℃以上でも冬季の乾燥で葉先が枯れたり、葉が縮れたりする事があります。(鉢でコンパクトに育てるには5月〜10月の生育時期は屋外で十分日に当てます。日照不足で徒長するとヒョロ長く育ってしまいます。)
★ 水やりと用土
パパイアの根は水に漬かると根腐れしやすいので、発芽から大株まで「鉢土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出すまでタップリ水やりして、受け皿に出た水は必ず捨てる」という方法で行います。特に温度が低いときは根腐れしやすいので注意して下さい。(
冬季の水やりは暖かい部屋に一晩汲み置きした水か、15〜20℃程度の微温水を使用します。冷えた水道の水は根を傷めます。
)
用土は種まき、大株共、観葉植物用か草花用でよく、水はけが良ければ特に選びません。
★ 種まきの準備
熟した実から種を取り出し、種を覆っている透明な薄皮(仮種皮)を取り去ります。薄皮には発芽を抑制する物質が含まれているので必ず完全に取り去って下さい。中の黒い種は表面に凸凹があります。種はよく水洗いして、日陰で乾燥させます。(乾燥させた状態で1年程度は発芽力があるようです。)
★ 種のまき方
5月上旬から9月上旬、4号(直径12cm)程度の鉢に用土を入れて上記の水やりを行ったものに種を3cm間隔で、種が隠れる程度に軽く押し込みます。種の乾燥を防ぐため、新聞紙などで覆いをします。2週間程度で発芽するので、10日過ぎたら覆いを取ります。(種の数は5〜10個程度で良いでしょう。発芽率が良いのでたくさんまく必要はありません。)
★ 鉢上げ(4回実施)
発芽して本葉が3枚になったら4号(直径12cm)深鉢に1本ずつ植え替えます。以後鉢と株のバランスを見て6号(18cm)深鉢、8号(24cm)深鉢、10号(30cm)深鉢と順次植え替えます。植替えの時、根鉢は崩しませんが、底で根が巻いている場合は軽く崩します。追加する用土には粒状の緩効性肥料を土の量に応じて混ぜておきます。(
発芽した苗を直接大きな鉢に植え替えると鉢内の周囲にしか根が張らず、根の量が少なくなります。また、過湿で根が傷みやすくなります。)
★ 古葉、側芽の摘み取り
黄化した古葉や枯葉、側芽(葉柄の付け根に出てくる葉芽)は養分、水分を無駄に消費して開花を遅らせるので摘み取ります。また鉢土に生える雑草も抜き取ります。
★ 雌雄確認
種まきから8ヶ月程度、8号鉢あたりで初夏に雄株に花芽が着きます。雄花は花茎がいくつかに分かれています。雄株には実が着きませんが、花の香りが良いのと、受粉のために1株は残して下さい。雄花は1日花で翌日には落ちてしまいますが、夏には数十個咲いて夜良い香りが漂います。一度咲き始めると、毎日咲いては落ちを繰り返します。雄株から数ヶ月遅れて雌株にも花芽が着きます。10号鉢にした後でしょう。株の高さは85cm程度です。雌株の雌花は葉柄の付け根に1個ずつ着きます。
| 雌花の蕾(左)と雄花の蕾(右) | 雌花は直径4 cm程で花びらの下が太い | 雄花は直径2cm程で花びらの下が細い |
★ 雄株にも果実がなる事がある!?
パパイアには雌雄異株と、ソロと呼ばれる両性株がありますが、時として雄株に果実がなることがあります。果実の茎が長く、形は水滴型〜ナス型になります。パパイアの性別はかなりアバウトです。 2004/08/15
| 川崎フルーツパークで撮影した雄株の果実 |
★ 追肥
5月以降はベランダなど屋外で直射日光に当てます。次々大きな葉が出て、花も咲くので肥料は欠かせません。過燐酸石灰の粒状肥料を用土にまいたり、1000倍の液肥を毎週1回水の代わりに与えます。暑い日が続くと朝晩の水やりが必要になるかも知れません。
★ 雌花の開花と受粉
雌花の蕾が4cm程度になると開花し始めます。花びらが十分開いたら、雌しべに雄花の花粉を付けます。1週間ほどで雌花の花びらが散り、クリーム色の子房が緑がかって来ます。
★ 果実の肥大と完熟
受粉後、子房が緑がかると同時に肥大して果実になります。完熟するまで受粉から4〜6ヶ月、落果しないように温度や水、日当たり、施肥の管理に努めて下さい。実の肥大と共に次の蕾が小さいうちに落ちる事があります。このような場合は残りの蕾も取り去ります。10号鉢の場合で果実は2〜3個が限度でしょう。無理に開花結実させると果実になってから小さいうちに落ちてしまう事があります。(
パパイアの雌株は受粉しなくても実ができる事がありますが、単為結果といって種はできません。)
★肥大した果実を落果させないために
果実が肥大してくると、先に直下の葉が黄化してくる事があります。黄化した葉は幹から5センチ位のところで切ります。これは養分や水分を浪費しないためです。切った葉柄は幹との境に剥離層ができて自然に落ちます。こうなると果実を支えているのは果柄だけになり、上向きのため非常に不安定になります。この状態で振動を与えたりすると、果柄が果実を支えられなくなり、落果してしまいます。葉柄が落ちたら果実をペーパータオルなどで上の葉柄から吊り、落果を防止しましょう。果実の重みで果柄が少しずつ曲がってきますから、果実の端が幹に接するまで吊り方を少しずつ緩めます。果実の端が完全に幹に接すれば2点で支えられるので落果しにくくなります。
★育てて分かった夏果と冬果
温帯地域でパパイアを育てていると、雌花の開花時期が夏と晩秋にあります。夏に開花した雌花は収穫が2〜3月、晩秋に開花した雌花は6〜7月になります。どちらもフルーツパパイアとして収穫は可能ですが、完熟時の形状やサイズに違いが出てきます。理由は果実の生育後半の生育条件にあるようで、前者は果実が球形でやや小さく、後者は楕円体で2割程度大きさも重さも増えます。果実の生育前半が冬の方が形状も可食部や種も多くなります。味も晩秋に開花して果実の生育後半が屋外の方が良くなる傾向がある事がわかりました。2004/04/03追加
| 落ちた蕾と内部、子房と雌しべが形成されている |
★パパイアの年齢 2005/01/23 New !
樹木に年輪があるように、パパイアにも年輪に相当するものがあります。もちろんパパイアは草本類(草)ですから樹木のような年輪はありませんが、茎を見るとそのパパイアが何年育っているかが分かります。パパイアの茎には葉柄の跡が密集している部分と間隔が空いている部分があります。密集している部分は冬〜春に育った部分、間隔が空いている部分は夏〜秋に育った部分です。密集している部分が何ヶ所あるか調べると何回冬を越したかが分かるのです。
| 冬〜春に育った部分 | 夏〜秋に育った部分 |
★ パパイアの病害虫
関東地方でパパイアを鉢栽培するにあたっての病害虫で、生産地とは若干異なるかも知れませんが、今後鉢栽培される方の参考になれば幸いです。ウドンコ病:茎や葉に粉をふいたようにカビが発生する病気です。株が低温などで弱っている時、過湿や他の植物に寄生したカビ類の胞子が付着すると発生するようです。ハダニ:色々な植物に付く害虫ですがパパイアにもよく付きます。蓄圧式のスプレーで葉裏を洗い流すのが一番です。カイガラムシ:3〜4ミリの殻を持った虫で、成虫はほとんど動かず、貼り付いています。妙な楕円形の物が貼り付いていたらセロテープの粘着面でペタペタと取り去るのが良いです。カイガラムシの排泄物は霧を吹いたような感じでベタベタするので、濡れ布巾で拭き取ります。
★ 皆様へのお願い
奄美大島の農業試験場の方からメールを頂きました。奄美大島と沖縄ではパパイアのウィルス病被害が出ており、この地域からパパイアの苗を興味本位で持ち出さないでほしいと言う事です。今のところ植物防疫上の移動制限はありませんが、感染地域からの持ち出しは避けるべきと思います。ウィルス病の種類は奇形葉モザイク病(PLDMV)と輪点病(PRV)の2種類と言われています。これらのウィルスはパパイアとウリ科植物を寄主として、汁液とアブラムシによって伝染します。パパイア種子はウィルスの心配はありません。
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パパイアのタンパク質分解酵素
パパイアの青果にはタンパク質分解酵素が含まれています。青果の収穫を行う時は汁液が目に入らないよう注意するとともに、皮膚に付いた汁液はよく洗い流して下さい。