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糖尿病と目



目の病気のおすすめサイト:
「メルクマニュアル」「ぎもん・しつもん目の辞典(新見眼科)」参天製薬「目の健康」「目に迫る糖尿病」 こういったところで、正統派の病気解説が読めます。


糖尿病の統計2003
2003年(平成15年)の厚生労働省の統計によると、日本での糖尿病患者は 約740万人、糖尿病予備軍も合計すると約1620万人 (つまり日本の人口の1割以上!)という数になります。 糖尿病の合併する網膜症によって、失明する人が日本で年間約4000人います。 あなたの周りには糖尿病と診断されたまま病院に行かなくなった人は いないでしょうか?

Q1:
糖尿病といわれましたが、よく見えています。眼底検査が必要ですか?
A1:
必要です。糖尿病が指摘されたら,まず一度、眼科に行きましょう。「見えにくくなってから眼科へ行く」のでは遅すぎることがあります。ほとんどの人が糖尿病を指摘されてから最初に眼科に行くまでに,平均2年かかっているそうです。これは眼科医にとっても患者にとっても不幸なことです。眼科に行くまでにすでに網膜症がすすんでいることはよくあります。矯正視力が0.2程度で眼科にやってきて,いろいろ治療はしたけれど結局両目とも矯正視力が0.02くらいになった,という例はしばしばあります。これでは運転もできないし毎日の生活も不便です。糖尿病が指摘されたら,「すぐ」眼科で診察をうけてください。初診のあとは1年後なり,3ヶ月後なり「次はいつ来てください」と眼科医から指導されると思います。


Q2:
糖尿病があるとかならず目が悪くなるのですか?
A2:
必ずではありません。ただしかなり高い確率で、それも糖尿病の経過が長いほど網膜症が発生します。糖尿病の三大合併症は「網膜症」「腎症」「神経障害」であり、なかでも糖尿病性網膜症(Diabetic Retinopathy)は日本での中途失明の主な原因になるほど深刻な問題です。ただし糖尿病の程度が強くても目もそれだけ悪くなるとは限りません。


Q3:
目はどんなふうに悪くなるのですか?
A3:
糖尿病が長くなると眼にいくつかの合併症がおこりますが、そのうち最も危険なものが糖尿病性網膜症です。糖尿病が進むと、眼底の網膜に最初は本人の気づかないような小さい出血が起こります。そして出血の数がだんだん増えると、白い膜を作ったり、網膜剥離をおこしたり、大出血をおこしたりして網膜症が進行し、治療をしないと最後に失明します。治療法としては内服や注射がありますが、長い間の糖尿病のため血管が悪くなって出血しているため、治療をすればすぐ効果があがるとはかぎりません。
大切なことは、糖尿病にかかった場合、必ず眼科で定期的な眼底検査を受けること、そして内科で十分な血糖のコントロールをうけることです。視力が悪くなってから眼科を受診するのでは手遅れになることもあります。

Eye anatomy color
図は参天製薬パンフレット、「目に迫る糖尿病」1996.4月作成、から引用

Q4:
糖尿病で失明することがあるのですか?
A4:
 ここ数年の統計では日本の中途失明(うまれつきでない失明)の原因の一位が糖尿病です。(日本眼科医会資料。)一般に社会的に「失明」と呼ばれる状態は視力が、手の動きが目の前で手を振ればやっとわかる程度の視力「手動弁」や、それ以下の「光覚」「光覚なし」などをさします。糖尿病で網膜症が強く進んだ状態では視力がこの「手動弁」「光覚」にまで下がることがあります。だから決してばかにできない病気といえます。


Q5:
眼科では散瞳(さんどう)検査をするのですか?
A5:
 糖尿病性網膜症の検査の時は、よく散瞳(さんどう)をします。散瞳とは薬で瞳孔を開くことで、瞳孔を暗い部屋に入ったときのように開いたままにします。散瞳薬を点眼して10-20分ほど待ち、それから眼底を調べるため、診察は30分-60分くらいかかります。いちど散瞳をするとその後3時間から6時間くらいはまぶしい状態が続きます。室内でも物がぼやけて見えます。眼科へ行く日はなるべく車やバイクの運転を避けるようにしてください。


Q6:
蛍光眼底撮影という検査をうけるのですか?
A6:
糖尿病性網膜症である程度網膜に出血などの変化があるときは、診断のために蛍光眼底撮影 (FAG; fluorescein fundus angiography) という検査をします。少しまぶしいですが痛くない検査です。全部で40分程度かかります。点眼で散瞳を約20分して、座って腕に点滴ルートをつけ、5分程度撮影をします。色素を注射するのでその日は尿が濃い色になり、皮膚の色も多少かわります。その日は車の運転やめましょう。撮影結果は約1週間後にわかります。


Q7:
網膜症の治療はレーザーを当てるのですか?
A7:
網膜にレーザーを当てるのは、「網膜光凝固」(PC; photocoagulation)という治療です。通常は上記の蛍光眼底撮影を行って網膜症の程度を確かめ、必要な場合に網膜光凝固を行います。糖尿病性網膜症の進行をくい止めるのが目的ですが、残念ながら視力があがる事はほとんどありません。治療をしても視力は改善しないという点をよく了解してもらってから網膜光凝固を行います。網膜の一部の治療なら1週間から2週間、網膜全体で両眼なら週一回通って一回40分,8-10週間程度です。光凝固の最中はチクチクした痛みを感じることもありますがほとんど無痛です。

網膜光凝固の様子(下写真)
点眼で散瞳をして、診察台に座って目にレンズを当て、 0.2秒くらいのレーザーの光を100-200回網膜に照射します。 かかる時間は散瞳に30分と光凝固に10分程度です。 場合によって自宅で散瞳の点眼を入れてから来てもらうこともあります。
laser photocoagulation 網膜光凝固

糖尿病での足のやけど、ケガ
糖尿病での足のやけどに関して2002年3月、 「テレビ番組の“裏技”まねて大やけど」 という記事がありましたが、糖尿病のある方はいつも、足のけが、やけど、に注意する 必要があります。こたつや、カイロという健康な方が普通に使う道具でも 糖尿病の人にとってはやけどを起こす原因になります。 「糖尿病合併症のQ&A」 でも「こたつを使用しないこと」という注意があります。 (糖尿病)「フットケア」や、 (日本医師会)「病気をチェック」の「糖尿病」解説もどうぞ。 新聞記事の件は 「健康情報収集所」 に感謝。 (2002.03.14)


参考になるサイト
糖尿病ホームページ...厚生労働省作成。豊富な図解。
東海眼科 ---糖尿病性網膜症の眼底写真などあります。

(98.7.31作成06.06.09更新)[目次へ]