| このページの内容 ◆コンタクトをめぐる戦い ◆屈折矯正手術(PRK, LASIK)をめぐる戦い ◆メガネをめぐる戦い ◆近視をめぐる戦い 目にかかわる仕事、いろいろあります。目医者、メガネ屋、近視回復訓練屋、コンタクト販売店、 似たような仕事に見えますが彼らは時に友達、時にはライバルです。 一見、目医者に見える医者が実は目医者でないこともあったり、奇々怪々です。 近視、コンタクト、近視手術の世界ではただいま、日本を舞台に熱い戦いが続いております。その戦い、四つのステージに分けて実況中継いたしましょう。 |
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1.コンタクトをめぐるメガネ屋、目医者、その他の医者の戦い |
| コンタクトレンズを作るとき、使う人は「処方箋」というのを医師にもらわないとコンタクトを買えません。
角膜の病気がある人への処方を防止して体を守る目的です。その「医師」ですが、眼科医かどうかは法律できまってません。
すると実状としてはコンタクトレンズのお店で、内科医のアルバイトその他もろもろの「去年まで眼科をやってなかった医者たち」
が仕事をしています。
非眼科医が多いのが「お店の併設眼科」、で、専門的な眼科が「一般眼科」と区別をしています。
さて問題はいろいろですが [A] 眼科医でない医者が処方箋を作っていいのか? [B]「眼科医」って何だ? 内科を引退して1年間コンタクト見ている医者と、大学出て1年「眼科」ひとすじの研修医とどっちが信頼できる? [C] コンタクト利用者が、診察した医者の名前も経歴もわからないのは困るなあ。 [D] 眼科の病院に行けと言われるけど、日曜も開いてないし待ち時間も長いのに不便だ。眼科は日曜に開いてくれ。 こんなところでしょう。 で眼科医の言い分は「眼科医でない医師がコンタクトを処方するのはたいへんよくない。 おそまつな処方と診断で角膜に病気を作った患者が毎年やってくる。利用者はまず眼科の病院にきてほしい。 コンタクト販売店がアルバイト医者に診察させてるのはよくない!」という調子です。これに対するコンタクト販売店、量販店というのは、公式な反対声明を出すわけでもなく、販売活動を着々と続けていますので、 両者「戦い」のリングにのぼらないままともいえます。ただし非眼科医の割合は若干は減ってきているようですが。 (以前98年から「眼科担当医師の経歴と名前くらいは表に出してほしい」とここに書いていたら、どうやら2008年春からはコンタクト検査のために担当医師経歴を明示する方針になってきました。小さな進歩かもしれません。 ある友人の声「コンタクト作るときにメガネ屋さんに行ったけどねえ、店員さんがレンズ合わせて、それから、 奥の方でぼさーとテレビ見ていた医者みたいな人が出てきて、コンタクトのせた目を診察台でパッとひと目だけ見て、 『はい、大丈夫です』だけ言っておわりなの。なんだ、あの態度は!ぷんぷん!」とのことでした。 |
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2.屈折矯正手術(RK, PRK, LASIK)をめぐる眼科医とその他の医者の戦い |
| (98.4.24作成、08.04.10更新)
現在、日本の屈折矯正手術(つまり近視や遠視や乱視を直す手術)の施設には、
おおまかに言って「眼科専門医」のグループとそうでない医師のグループのふたつがライバルのように存在します。 1999-2001年に眼科専門医の施設がずいぶん増えて、2003-2005年では眼科専門医が多数派です。(2008年現在では非・専門医は少数派です)近視の手術は自己負担ですから片目について自費で10万円-30万円くらいかかります。
RK, PRK, LASIKとは? おおざっばに説明します。ダイアモンドナイフで角膜(中心をはずれた部分)に細い切れ目を入れて曲率を変えるのがRK、エキシマレーザーという光を当てて角膜中央部分をけずりとって曲率を変えるのがPRK、一度角膜上皮をめくってとって、そこにエキシマレーザーを当ててまた上皮をかぶせるのがLASIKです。それぞれ予想屈折度数に近づける成功率も違いますし合併症も違いますし術後の痛みや生活上の注意も違います。詳しくは「 南青山アイクリニック」のページなどを見てもらうといいでしょう。 近視の矯正にはICL(水晶体を残したまま入れるレンズ)やICRS(角膜の実質層にうめこむリング)などその他の方法もありますが今は PRK, LASIKが主流、しかもLASIKが主流です。LASEKはフラップの作り方を変えたLASIKです。 RKはごく一部施設しかしていません。 さて、問題点はコンタクトの事情とにていますが、こうです。 [A] 眼科医でない医者が屈折矯正手術をしてよいか? 眼科専門医側の意見では「危険」ですが法律から言うと合法です。角膜の病気を治療した経験のない医者が角膜に手術をすると、手術をすべきでない角膜疾患を見逃すし、トラブル時の対処が遅くなるからです。眼科の学会とかに行くと、「RK, PRK, LASIK手術をうけて失敗した例を当院でみた。どうやら、どこそこの病院で眼科経験のない医者が手術をやったらしい。どうやら角膜形状の検査もしてないらしい」という 写真をいろいろ見ることができます。医者と病院はよく選びたいもんです。しかし眼科専門医も、そうでない医師も、医者の経歴を表示しない施設があるのは残念です。 (もっとも1998-2008年にかけて、かなり改善されました。医師経歴が無いウェブサイトは信用を失う事が次第に常識となってきたと思われます。) [B]「眼科医」って何だ? どうもはっきりした決まりがないようです。去年まで産婦人科をしていても、「私は眼科をしています」と言っても違法でありません。ただし「眼科専門医」は学会が決めたしくみですし試験を行っていますから勝手に名乗ることはできません。 [C]手術を受ける患者が、手術する医者の名前も経歴もわからないのは困る。 これが今、問題でしょう。98年当時の医師法では看板にも広告にも医師の経歴をかけないことになってまして患者にとって不便な状態でした。(2002-2005年、一部の専門医資格は看板に書けるように改善されてきました。) (2008年現在、少なくともウェブ上では医師の経歴がかなり一般的になりました) 弁護士の木村晋介氏は著書の中で書いていますが、医師の経歴を知ることができないのは患者にとっても医者にとっても不幸ですよね。 どうやったら「当てになる医者」を選べるのか? うーん、むずかしい問題ですね。まあ利用者としては「ぜひ眼科医にしてもらいたい」という人も「どんな医者でもいいから早く安くしてくれ」という人もいるでしょう。ただし「この医者、去年までは産婦人科だったよ」と聞いてそれを知って目の手術をうける人は少ないでしょう。Web(俗にいう「ホームページ」)をみていますと、 そこの施設の医者の名前とか経歴とか顔写真を出しているところが多数はになりました。医者の名前を出している施設が信頼できる、と私は思ってます。 ではインターネット上でなく実際に街に出るとどうでしょう。「近視なおします」の病院の近くに行って近所の住民に「ここのお医者さん、長く眼科やってますか?」とたずねるのも原始的かつ当てになる方法かもしれません。病院の受付で「ここの先生どこの大学眼科の出身でしょう?」とたずねるのも賢明かもしれません。病院で実際に検査をうけてみて、ちゃんと裸眼視力、矯正視力、角膜形状という検査をしているかどうかも、眼科専門医を見分けるポイントかもしれません。今のところウェブでは名前と顔写真と経歴出しても規制をうけません。 なお、医者の経歴を見る時、**大学卒業、ていうのは特に眼科かどうかに関係ありません。医学部は卒業の時点では科はきまってませんから。また「**眼科学会会員」も必ずしも眼科の経験とは関係ありません。つまり卒業後すぐの新米医師も眼科学会会員になれますし去年まで内科外科をしていても今年からすぐ眼科学会会員になれます。 眼科の経験が長いかどうかは、どの大学の眼科に何年いたとか、どの病院眼科に何年勤務した、というほうがあてになります。また屈折矯正手術のトレーニングをどれだけ積んだか、というのも知りたいところです。 ウェブでは次第に「当院での手術症例数」や「当院での治療実績」をのせるサイトが増えてきました。 このあたりで消費者のみなさまはきびしく眼科医を見分けてください。私はこの先もWWWの上での表示の規制は作らない方がいいと思っています。(信頼度の高いサイトに認定を与える制度なら有意義かと思います)ちなみに「近視手術の本を書いている」から眼科経験が長い医者かというとそれもあてになりません。眼科専門医でなくとも経歴がはっきりしていれば信頼できる医師、という考えもありますね。 1998年からこのLASIK記事を書いてきましたが、 筆者としては日本のPRK, LASIKも安定期を迎えたと感じています。 中国四国地方でも良い治療成績の施設が多数そろい、2003-2008年は状況は安定しているみたいです。 |
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3. メガネをめぐる目医者とメガネ屋の戦い |
| これも昔からある論争ですが、目医者のいいぶん「眼鏡店が、医者の処方なしにメガネを作るのは違法行為である、けしからん!」というやつとメガネ屋の言い分「客が病院と店とどっちを選んでもいいじゃないか」というやつです。 いかがでしょう? 目医者のいいぶんは、たいていこういう論争では「どこそこ県医師会の見解」てな形で出ていますが、「眼鏡店の店員がメガネを作るのは医師法違反である。専門知識のない店員がメガネを作れば重大な目の病気が見過ごされて、患者の健康をそこなう。眼鏡はすべて眼科医の処方のもとに作るべきである。メガネはすべて医療用具である。ぷんぷん!」というもんですが、どうも、こいつも利用者不在の論争になりそうです。 もし、メガネはぜんぶ眼科専門医の処方が必要、て決まりができると、メガネ希望の人がわんさと眼科病院につめかけて病院は混雑、しかも日曜は病院がしまっていてメガネが作れない、てなことになりそうですがねえ。経験を積んだ眼鏡士は中途半端な眼科医よりもいいメガネを作る、ていう事もありますし。 妥協案としては、「矯正視力1.0以上が出せるならば眼鏡店が独自の判断でメガネを作って良いことにしようじゃないか」 とかいう案も出ています。そのへんで手を結んでもいいかもしれません。 利用者が自分で判断して眼鏡店と眼科病院を選べるよう、どちらもしっかり自分のサービス内容を公開してほしいですね。(もしそうなら眼鏡店も店員の名前と経歴を出してもよさそうですが) 日曜に開いている病院 日曜に開いている病院が少ない、と以前ここに書きましたが、調べると日曜に開いている眼科は結構あります。 例えば広島市では、救急医療Net Hiroshima で調べると日曜午前に開いている眼科が8軒くらいある。 「全国10万件以上のお医者さんガイド」 でも県別、曜日別に探せますのでみなさん自分の地域で試してください。 現状としては日曜午前の眼科に受診する患者というのはそんなに多くはないようですから、日曜に開く病院が少ないのも適度なバランスなのかもしれません。 |
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4. 近視をめぐる、視力回復センター(の仲間)と眼科医の戦い |
| 屈折矯正手術は主に成人を対象にしていますから、これはだいたい小中学生が主役ですね。「近視は訓練でなおる!」というのが視力回復派の主張で、これに対して、「ほとんどの近視は訓練では治らないから適正なメガネやコンタクトで対処しましょう」というのが眼科医のいいぶんです。とはいえ、眼科医の意見も時代と共に変化していますし、今でも近視を軽くする訓練をある程度認める眼科医がいないわけじゃありません。少し前まで眼科病院でも熱心に訓練をしていたと思います。じゃあ何が問題になるか? 近視を直す訓練の本を出しているだけなら、たとえ騙されてもたいした被害なさそうですけど、高い料金をとって「視力回復トレーニング」をやっていると、これは医師法違反かどうか、と問題になるみたいですね。その料金表は見たことはないんですがどうも数10万円の高い料金を全額前払いで払ってから毎週通
う、という事をするみたいです。どうも背景には近視の子供を持つ親の「何がなんでも近視を治したい」という悲願があったり「近視とは実に悪い病気だ」という病気観てのもありそうです。「ファミコンするから近視になったんだ!」と信じて疑わない人も多いですし。ファミコンがなくても近視になる人は昔からおおぜいいますけど。 これはまあ、あらっぽく言えば「眼科教と回復センター教、どっちの宗教を信じるか?」という事かもしれませんねえ。科学といえどもその時代の限界、てのがありまして、近視がなぜおこるか? というメカニズムが今、全てわかってるわけじゃありません。1000年前には宗教も科学も似たようなものでしたしね。「まあ2000年代の眼科医の多数派としては、近視は訓練で治らないよ、という考えなんですがねえ」と遠慮気味に言っておくのが患者に対する「科学的」な説明でしょうか。僕自身も頭のかたすみには、「近視回復訓練も、ごく一部の患者には有効かも?」という考えがありますから。もっとも、色覚異常は治ることはないです。色覚異常があっても立派な社会人になれるよ、ということを知ればいいと思います。 で、患者が眼科と回復センター、どちらを選ぶか、という時には僕は、「視力検査結果 を患者によく見せてくれて、料金がはっきりしていて、納得できる説明をしてくれる方を選んでくださいよ。僕は視力検査の結果は全部を見せますよ。」と言っています。近視を話題にすると、「裸眼視力」の数字というのがやけに独り歩きすることが多いのですが、ほんとは近視や乱視の度数、マイナス2ジオプターだとか、マイナス5ジオプターだとか、そこをきちんと説明するのが正しいやり方、だと思います。[視力はこう読む]も読んでみてください。訓練だけやって、裸眼視力だけ計って、というのでは近視が弱くなったかどうか判断はできませんからね。 |
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自由な国とおせっかいな国 コンタクト利用者の人には「どこの病院にかかろうとどんな使い方しようと個人の自由だろう。俺の目だから勝手にやらせてくれ。」 という意見を持つ人もあるかもしれません。なるほど日本はおせっかいな国でして、弱者を救うしくみは(健康保険とか)あるけれど、 個人の自由にいろいろ制約がついていますね。ただし「おせっかい」な仕組みは「困ったとき助けてくれる」仕組みでもありますから、 コンタクトの間違った使用で眼に病気を作っても、医療保険で7割とか8割をまかなってもらえるわけです。 1週間で捨てるコンタクトを3週間がんばってつけてやろう、という勇気ある人は「病気の治療は保険を使わずに全額個人で払ってやる!」 くらいの意気込みで命をかけて自分の費用で 対処してほしいと思います。 あとがき 僕としては眼科医チームを応援していますが「どこそこ県の眼科医師会の見解」てのを読むと、僕の意見とは違う時もあったりします。そりゃ医者全員が意見一致するわけじゃないし医師会の中でも意見は割れるわけです。 以上の文章は、不十分な資料をもとに、平野の個人的意見として書いています。たまに「軽率な発言は困る!」とおっしゃる人々もいますが、 個人個人が自由に「軽率な発言」を出せるのがWWWのいいところでして、また違った意見の人もそれぞれ軽率な発言を寄せてもらえば、 面白い話し合いができるかな、と考えています。反対意見、賛成意見ともおまちしています。 また考えが変わったら追加もしますし、書き直しもします。 (98.2.5作成、08.4.10更新) |
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