| 紫外線を考えて子供の日光浴は減らすべきか? 1995-2000年にかけて、新聞や雑誌で紫外線の害を強調する記事がふえ、中でも子供たちを紫外線から守れという意見が増えているようです。紫外線は一般に皮膚癌の発生率を高くします。ですが子供たちを紫外線から守るという目的のために、この日本で戸外で遊ぶ時間をへらす必要や、大きな帽子をかぶらせる、長袖を夏も着せるという必要があるのでしょうか? 結論: 断定はできませんが、日本で戸外の遊びを減らしたり 子供に長袖を着せる事は、紫外線暴露を減らすわずかな利点に対して、苦痛が大きすぎるように思います。 理由その1は、 有色人種は白人よりも皮膚ガンがおこりにくいこと、 理由その2は日本でオーストラリアや南米ほど紫外線が強くないこと、 理由その3は日本人にとって皮膚ガン自体の起きる率が他のガンよりずっと低い点です。 日本に住んでいる白人の人についてはここではコメントを避けますが、 日本で紫外線を避けるために余分な費用をかけるのは効率が悪いと言えるでしょう。 日本で子供の健康と生命を考えるなら、(つまりガン発生や事故発生を避けるなら) 紫外線をさける事以上に、 子供をたばこの煙から守る(親がタバコをやめる)事、 正しい食事で胃癌肝臓癌の発生をおさえる事、交通事故の発生に気をつける事の方が 効果が大きいはずです。ただ外国旅行や留学については、その目的地の紫外線事情を知っておくほうが 役立つでしょう。(99.8.30-06.06.29) |
| 紫外線の害についての参考サイト: ■「紫外線から子供たちを守れ!」 ---極端な論調です。「1日10分くらい日光をあびてよい」とのこと。オーストラリアと日本とそのまま 並べる事に平野は賛成できません。 2003年の中学生の紫外線暴露調査は価値ある調査とは思いますがあくまで暴露調査だけの結果であって発病との関連は(中学生での皮膚ガン発生もそもそも実にまれなので)この調査ではわかりません。 ■資生堂(紫外線の話) ---内容が増えています。世界の情報や数字あり。癌へのコメントはない模様。 主に日焼け防止のための資料。 (2001-2006年確認) ■環境省の紫外線保健指導マニュアル平成18年6月 ---PDF書類なので少々重たいですが、グラフも多く、よい内容です。 1990-2005年に日本での紫外線照射量がわずかに増えているグラフが 「 第1章 紫外線とは [PDF 981KB]」の中に載っています。 ■「紫外線教育研究所」 ---以前掲載していたオーストラリアやアメリカでの紫外線教育紹介記事は今は無いようです。日本の小学生にもっと紫外線の害を教えようという趣旨は理解できます。 (2006新URL) ■沖縄県におけるがんの罹患状況--- UV-B 紫外線量の強い沖縄県(北海道の約2倍)では全国平均より少し皮膚癌が多いみたいです。 しかし沖縄県の皮膚癌は部位別ではトップ10位にも入っていません。 つまり沖縄で暮らしてもガン予防を考えるならば胃ガン、肺ガンの対策を考える方が理にかなっているようです。 ( ちなみに沖縄男性の胃癌罹患率は全国平均の半分。胃癌にも地域差はあります)(2006.6.29 URL変更) ■がんの統計2005 ---●おすすめ●国立がんセンター資料です。「7 がんの国別・部位別累積罹患率 (PDF 942KB)」で国別のがんの場所がわかります。オーストラリアでは4 位にメラノーマあり、スペインやスイスでは1位が皮膚ガンです。ちなみにスイスの紫外線照射量は沖縄より少ない程度です。 なお2001年の 「がんの国別 ・部位別累積罹患率のグラフ」も参考に 。 ■WNI年間紫外線傾向(世界) ---WNI社提供の、 世界各地の紫外線の比較ができます。 ■「日本上空のオゾン層の状況」--- 1998年大分県の資料。 気象庁が札幌、つくば、鹿児島、那覇、南鳥島の計5地点でオゾン層の観測を行っており、 札幌では、オゾンの減少傾向が少しあります。那覇ではやや増加?(1960-1998年のグラフあり) 僕の思い付く疑問はこうです。 ◎皮膚癌の発生率はこの10 (20)年間でどれだけふえたのか?---どうも増えてない。 ◎白内障の発生率はこの10 (20)年間でどれだけふえたのか?---不明 ◎皮膚癌が増えたとすれば原因は紫外線なのか?---関連は深いようですが? ◎紫外線の量はこの10 年間でどれだけふえたのか?---日本では増えてない(または微増した)ようです ◎オゾンは今も減っているのか?---1995年頃からむしろ増えています ◎1日にどれだけ紫外線をあびたらどれだけ皮膚癌の発生率が高くなるのか? ◎大人と子供に皮膚癌の発生率の差はあるのか?---不明です ◎白人と黄色人種に皮膚癌の発生率の差はあるのか?---あります ◎なぜオーストラリアではそこまで日光をあびない方針 (「通学時の長袖、サングラス、日焼け止めクリームは学校の決まり」らしいが?)に熱心なのか? (紫外線の量が日本より多いためと、白人と黄色人種は皮膚癌発生率に差があるためでしょう) ◎紫外線の量--- 環境省2004年報道発表資料の、「オゾン層等の監視結果に関する...」 では、「1991年の観測開始以来、札幌、つくば、鹿児島及び那覇における有害な紫外光(UV-B)量の観測値に大きな変化傾向は見られません。」と明記してあります。 (「図6 UV−Bの日積算値」では1991-2003年まで13年間の測定で、増えていません。) ◎オゾンの量---- 同じく環境省資料の、「オゾン層等の監視結果に関する...」では 図1グラフによると1960-1990でオゾンは減少、1995-2003でオゾンはやや微増ともいえます。 海外の、紫外線と皮膚癌についての参考サイト(英文): ■Sun Protection Guide for Children ---ガイドはわかりやすい。 ■ Health and Environmental Effects of Ultraviolet Radiation ---WHOの指針。下の方にマンガでわかりやすい図解。 ■(skin cancer )frequently asked questions 皮膚ガンについてよくある質問が並んでいます。 ■ Guidelines for School Programs To Prevent Skin Cancer ----「USAでは、メラノーマ(黒色腫)の発生率が 1973年には10万人に5.7人であったが1998年には 10万人に14.3人に増加した(15年で倍以上)」という数字があります。 ■ Facts about skin cancer ---根拠の数字あり。 Australia has the highest incidence of Skin Cancer in the world - 10 times higher then the U.S.A. となっていて、オーストラリアはUSAの10倍も皮膚癌の発生率が高いとのこと。 ■ The Good News about Tanning ---室内日焼けマシンの機械業者組合(?)が日焼けの利点を主張。 なお、沖縄県衛生環境研究所疫学情報室長 下地実夫様に、がんの統計資料を送っていただきました。感謝します。 |
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スキーにはゴーグルを! 冬はスキーの季節ですから「雪目」と呼ばれる角膜障害の季節です。角膜が傷つく原因は太陽と雪面 からくる紫外線ですから、溶接の紫外線で受ける角膜の障害と似ています。よくある誤解ですが、くもった日に紫外線が少ないというのはウソです。くもった日も紫外線はバンバン上下からさしこんできます。くもった日もゴーグルかサングラスをしてくださいね。今は店頭で売っているサングラスはほとんど「紫外線カット」と札に表示してあると思います。 「雪目」で目が痛くなるのは滑った日の夜です。紫外線が目に当たっている時に痛くなるわけではありません。夜にロッジに戻ってから、とかベッドに入ってから目が赤くなってきて「あいたたた!」と苦しむわけですから、こういう状態では病院に行くのもひと苦労です。まあ経験上、翌日に眼科を受診すればすむようですから救急車を呼ぶほどではないでしょう。痛くなった状態ではたいてい、角膜の表面 が、こまかい点状のくぼみができていて、それが瞬きの時にこすれて痛く感じます。この状態では目を閉じているほうが角膜の保護になります。治療としては感染予防のためと傷をひろげないために抗生剤の眼軟膏、点眼、角膜保護材の点眼などを使います。 ---以上、スキーをする際のポイントは、こうです。 ●くもった日も紫外線は多いからゴーグルかサングラスを! ●紫外線あびてもすぐは痛くない。何時間かたって痛くなる。 まあ、ワタクシ、紫外線をバカにしてるわけじゃありません。オゾンホールにも興味がないわけじゃありません。でも街にあふれてる「UVカットでシミソバカス撃退!」てな調子のいい商品たちと、ほんとに大切な皮膚ガンの話は、別々に考えた方がいいよ、 という感想を持っています。 |
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オマケ1:「紫外線がまぶしい」だって? オマケ2:電気性眼炎 |
| (98.1.26作成、2006.6.29更新。) [目次へ] |