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近視手術、突っ込んだQ and A


このページの内容
◆RK, PRK, LASIKって何?
◆本当に安全な手術ですか?
◆眼科医にメガネの人もいるのはなぜ?
◆本当に痛くないの?
◆手術後しばらくで近視が戻るの?
◆LASIKが普及すればコンタクトは無くなる?
◆どの医者が一番うまいの?
◆片目30万円は高い。もうけすぎ?
◆レーザーはNidek, VISXどっちが高性能?
◆韓国(米国、カナダ)で手術をうけたいが?
◆軍人やパイロットに屈折矯正手術は向いている?

近視手術については普通のQ&A集はたくさんあります。 杉田眼科 とか、 南青山アイクリニック とか、 こやのせ眼科クリニック とか。でも「めだまカフェ」は普通の答えでは物足りないマニアの声に応えて一歩つっこんだQ&Aを作ってみました。

 
■RK, PRK, LASIKって何?
詳しい解説は 南青山アイクリニック におまかせして、ここではざっと説明。ダイアモンドナイフで角膜に切れ目を入れるのがRK、エキシマレーザーを当てて角膜中央部分をけずるのがPRK、一度角膜を薄く切ってめくって、そこにエキシマレーザー当ててまたフタをかぶせるのがLASIKです。 近視の矯正にはICLやICRSなどその他の方法もあり。今はLASIKが主流と言えるでしょう。 PRKが少数派、RKはごく少数派です。 なお、近視でなく、遠視の治療としてはCK (Conductive Keratoplasty) が 米国FDA(日本の厚生省に相当)に2002年4月、承認されました。 refractec社のサイトを参考に。
■本当に安全な手術ですか?  この質問はたいへん多いです。まず、事故の起きない自動車がありえないように100%危険のない手術は世の中にありません。手術による合併症がどこまで減ったか、それを冷静に判断すればよいわけです。 次に、屈折度数(近視と遠視)がゼロになる成功率と、それ以外の合併症(痛みや濁り)の話はかならず区別 しなくてはいけません。眼科の医者自身で近視の手術をうけた人も結構います。私が今思い付くだけで四人、LASIKを受けたB先生とT先生、PRKを受けたT先生、RKを受けたN先生です。私の知る限りでは四人とも現在幸せな生活を送っているようですが。近視の手術を受けた眼科医は手術が100%安全ではないことを知っていても自分なりに「ここまで安全だ」という判断で手術をうけています。例えば絶対に事故のない飛行機が作れない、絶対に落ちない航空会社がないように、100%事故のない病院というのもありえませんから、高い技術と良い環境の施設でも何かの事故はあるわけで、トラブルが起きた際の対処が、経験の多い医師、技術の高い看護婦、注意深い事務職員、といったメンバー次第では良い結果 になったり悪い結果になるという事です。 (飛行機もトラブルがすべて死亡事故になるわけではありません)(2002年追加)私が読んで印象強いのは 西眼科病院 でのLASIK合併症の報告です。 自分の施設で手術合併症の起きた数を述べて、その後大事に至っていない事を淡々と説明している点が、科学的かつ良心的と思います。 なおLASIKの統計として手術後1週間で裸眼(メガネなし)で視力が1.0出た人の比率というは非常に高いのですが、この数字イコール「手術に満足した人の割合」とはいえないことも大切です。手術の「安全の度合」と「満足の度合」も区別 して考えて下さい。(2001年と2002年に更新)
■眼科医にメガネの人もいるのはなぜ?
メガネとコンタクトと近視手術にそれぞれ長所と短所があるわけです。「週刊金曜日」の記事(2000年3月ごろ)では「メガネをかけた医者は信用するな」という極端な説が書いてありましたが、ここまで先入観を固めて医者を選んじゃいけません。例えばマイナス1D(ジオプタ), マイナス2D(ジオプタ)の近視の人にはたいていLASIK手術をすすめません(コンタクトで充分見えるしメガネなしでもそこそこ見える)。また45才以上で老眼を自覚している人もあまり近視手術は望みません。そして値段。「3万円のめがねをなくすのに手術が40万円は高い!」ごもっともです。価値観は人それぞれですからね。だからメガネを愛する眼科医もいるんです。近視手術で有名な坪田一男先生がメガネを使っているのは、彼自身が強いドライアイのためです。 自分の眼にLASIK手術を受けた眼科医は例えばビッセン宮島弘子氏、そして大高功氏などがいます。なお「ジオプタ」については 「視力はこう読む」を参考に。

 
■本当に痛くないの?  手術中の痛みについては、PRKもLASIKも痛くないです。麻酔がきかせてあるから、当然といえば当然です。ただPRKの場合、手術当日の夜は人によって痛みは出ます。手術の日と次の日は痛みにそなえて仕事その他を予定しない方がいいでしょう。とはいえPRKにもメリットがあるために、この術式が消えたわけではありません。LASIKの場合は手術当日の痛みもごくわずかといえるでしょう。
■手術後しばらくで近視が戻るの?  残念ながら手術をうけて数ヶ月で近視傾向が出る場合もあります。これは施設によって患者の1割程度かと思います。元と同じ度数の近視に戻るわけではなく、元の近視の3分の1程度までですが、その場合は再手術で解決する事がほとんどです。多くの施設ではこの再手術を無料で行っているようです。

■LASIKが普及すればコンタクトは無くなりますか?
 私の答えは「西暦2100年にもメガネとコンタクトは不滅です!」です。それぞれの良さがあるんですから。例えLASIK手術が片目10000円でできるような事になってもメガネは不滅なんですよ。(10000円にはなりませんけどね)先日コンタクトのボシュロム社の人にきくと彼は「米国ではLASIKの話題がもりあがってきてさらにコンタクト利用者が増えた」と教えてくれました。(1999年)なお、2001年の統計でも、どうやらLASIK登場後のUSAではコンタクト利用者がさらに増えているようです。

 
■どの医者が一番うまいの?
 残念ながら全国の眼科100軒を見て回ることはできません。病院の選び方を書いてみます。自分で「近視手術の施設一覧」を見て、2軒は足を運んで、何ジオプタの近視かをきいてメモして、(裸眼視力だけじゃあダメ)そして「この病院で何人手術しました?何人が裸眼視力1.0達成しました?追加手術をうけた人は何割?手術担当医師の経歴は?」という具体的な質問をしてみましょう。追加手術は、全体の1割から2割くらいは受けているのが普通 です。このくらいきつい質問をだしてもいいんです。何10万円も払う大切な手術なんですから。近視の強さと「ジオプタ」については 「視力はこう読む」を参考に。マイナス3ジオプタ(-3D)くらいまでが軽い近視、-6Dから-9Dが中くらい、-9Dより強いのが強い近視と考えてください。
■片目30万円は高い。もうけすぎ?
 これも経営のむずかしいところですが、一ヶ月に10人くらいの患者だと片目30万円両目60万円でも赤字になるみたいです。(一ヶ月30-40人なら黒字?)エキシマレーザー機械が7000万円、その他機械が1000万円、機械維持費が年500万円、その他人件費、土地代(家賃)もたっぷり、これを支払うには月600万円でもなかなか苦しいといえるかもしれません。今アメリカと日本のLASIK料金はそんなに激しい差はないみたいですからね。日本の近視手術の施設、噂をきいた限りではまだまだ赤字部門というところも多いみたいですよ。(つまり他の眼科医療の黒字で補ってるのでしょうかね)
■レーザーはNidek, VISXどっちが高性能?
 僕もはじめは追求しようかと思っていたんですが、結局LASIK手術の出来、 不出来を決めるのはエキシマレーザーの機械よりもマイクロケラトーム (はじめに角膜を薄く切る機械)のよしあしとか、医者の腕のよしあしのように思いますので、 その後詳しくしらべていません。すんません。 ただし、VISX社もnidek社もソフトウェアの改良を何度かしていますので、 レーザー一括照射からフライングスポットに変わったり眼球追尾機能が増えたりと 同じ機械でも徐々に改良されています。つまり同じ施設でも、あとで機械にアップグレードを加えて 機械の性能があがったりしている事はあります。 近視手術施設の一覧にはひとつの目安にnidek, visxを書いていますが、これを別に参考にしなくても結構です。 (2003.1.18)
軍人やパイロットに屈折矯正手術は? 稲葉眼科「米軍における屈折矯正手術の現状」が大変よい記事です。要約すると米軍ではPRKがパイロットを含めて認められており、 LASIKはごく一部認められている。過酷な環境ではLASIKのフラップが問題、という内容です。さて日本では、 エアフライトジャパンJAL採用情報航空身体検査Q and A のページを見ると、日本の2005年の現状では 航空法でPRKもLASIKも認めていないようですから日本でパイロットになる条件は米軍パイロットよりも厳しい、という状態のようです。 (2005.10.22)

■韓国(米国、カナダ)で手術をうけたいがどうだろう?

 韓国のLASIK施設が2001-2003年にかけて日本語サイトを出しています。 ミョンドン眼科クリニックク・ヒョンナム眼科ドリーム聖母眼科、以上2001年夏で3件、また、 「バルグンセサン眼科」「ソウルナビ」(表紙>エステ>眼科の)「ソジュンハンヌン眼科」、 「ク・ヒョンナム眼科」、 もあります。(後半3件は2002年春調べ。旅行案内の一部も含む。)またハワイやUSA 本土でも日本語案内付きのサイトが増えてきました。(現地在住日本人のためもあり)
 筆者平野は3日間程度の旅行で手術と検査をみなすませる事は現在おすすめしていません。近視の手術は術後の経過によって処置を追加したり薬剤を変更することがあります。その時に「具合が悪くなったが自分は病院から数100km離れた場所」では満足な治療は受けられないでしょう。
 国内、国外を含めて、普段住んでいない地域で手術を希望する人もいます。その理由は、手術の費用の格差だったり、近くに手術施設がないことだったり、色々でしょう。でも、めだまカフェの意見は「手術は日数がかかるもの、だから日程が大切だ」です。
 LASIK, PRKの手術は書籍などで「手術たった20分!」「次の日にはよく見える!」といった、手術時間の短さや効果 が出る速さを強調されています。これは手術の手軽さを訴えるための派手な言葉で、そんなに短時間で理想的な手術ができるわけがありません。正しい手術には(1)術前にコンタクトレンズを1-3週間はずす期間、(2)手術前の検査にほぼ半日 (3)手術後の検査の日数、などがかかるものです。これを無視して手術をうけようとすると、眼科で「危険だから手術中止」と判断されたり、もしくは術後の経過が悪くて目標の視力が得られない、または術後に感染症などの合併症、という結果 につながります。術後の見え方に不満が残る場合も日本に帰ったあとにうまく連絡がとれるかどうかの問題があります。また手術後に「術後は紹介状を持参して地元の眼科に行けばOK!」という施設もあるのですが(紹介する事自体は悪くないのですが)、術後にかかる眼科に必ず手術の前から連絡をしておかないと、あとでトラブルがあった時に手術施設と術後に検査をする施設がうまく連絡をとれないことになります。
 僕は韓国のLASIK手術レベルはたぶん高いと予想していますし、カナダ、米国、韓国の眼科医は平均的な日本の眼科医よりLASIK手術の経験を多く積んでいる(手術認可の時期が早かった)ようです。しかし医師の腕前だけが手術の結果 を決めるわけではありませんので、手術前後のスケジュールの組み方は長く余裕を持つのがよいでしょう。留学など長期間外国に滞在する人ならば安全な手術がうけられそうです。また日本国内でも、例えば中国四国地方ではLASIKがかなり安い料金の施設もありますので外国に比べて日本の眼科が必ず高いともいえません。参考までに、眼科医峰村氏の韓国LASIKへのコメントが、 「近視矯正手術体験記」 のページにあります。また、コリアンビジネスネットワークの、 「日本の観光客に「病院ショッピング」が大人気」 のページには、日本からのLASIK希望患者が韓国の眼科に行っているとの紹介記事がありました。 ということで、筆者平野は短期間の旅行で手術と検査をみなすませる事は多少の危険が伴うため、 現在おすすめしていません。1ヶ月以上の留学や滞在ならば検討する価値があるでしょう。 (2001.7.8-2002.5.20)
 (以下2003.4月追記)実際に韓国でLASIKを受けた韓国在住Sさんの手術体験記を 別ページ「韓国での近視矯正手術体験記」 に掲載しましたので、ぜひご覧下さい。(2003.4.24)

 

2000.5.25作成、2005.10.22更新、 [目次へ]