群集解析
----新生代のサメ群集----
ver. 1
| 新生代のサメ群集の変遷を理解するために各産地の群集を解析した.解析には一次堆積物から標本を可能な限りもれなく集める必要がある.微小化石や母岩から分離がわるい化石は解析の精度を低下させる. 特に、微小な化石は、肉眼観察が容易な大きな化石に比べると、処理できる堆積物の量はより限られるため、正確な化石数の計測は困難になる. 新生代の化石の同定には現生サメの分析が必須だが、必要と思われるレベルにおける現生サメ分析の道程は気が遠くなるほどのものだ.. しかし、化石同定と群集解析の魅力は大きい.ここに、現時点のデータでの、解析結果をまとめた. |

| 図 1.各産地の群集構成成分割合.鮮新世:掛川G. (n=462) 静岡県遊家、高久G. (n=644) 福島県広野、後期中新世:千畑F. (n=1017) 千葉県鋸南、中期中新世:多賀G. (n=452) 茨城県長浜、北陸G. (n=448) 石川県関野鼻、初期中新世:一志G. (n=184) 三重県美里、漸新世:芦屋G. (n=168) 福岡県藍の島、始新世:バートン (n=112) 英国. |
| ハスタリスとプラヌスが共産する中期中新世の多賀G. 長浜と北陸G. 関野鼻の2産地で、両者の構成比を求めた.この比は上顎歯のみで求めた.関野鼻ではプラヌスが優勢だったが、長浜では逆の結果であった. |

| 図 2.ハスタリスとプラヌスの構成比.多賀G. 長浜 (n=47)、北陸G. 関野鼻 (n=38).標本は上顎歯. |
| 新生代の板鰓類ではメジロザメ目のサメが最も多様性に富んでいる.メジロザメ類が多くみられる3産地でその構成比を調べた.通常メジロザメ属が卓越するが、産地により優勢なサメは異なる. ここに示した3産地のうち漸新世の芦屋G.ではメジロザメ属は少なく、ツバクロザメ属が卓越する.中新世前期の一志ではメジロザメ属が圧倒的に多い.また更新世の掛川G.ではメジロザメ属は少ないがヘミガレウス属はもっとも目立つ. |

| 図 3.メジロザメ目の構成.芦屋G. (n=55)、一志G. (n=154) 掛川G. (n=242). |
| 群馬県、原田篠層の深海サメ群集は通常のサメ群集とはその構成が全く異なる.ここで卓越する種はカラスザメ属. |

| 図 4.深海サメ群集の構成. |

| 図 5.深海サメ群集ツノザメ目の内訳. | 注:顎歯はないが、アイザメ属の楯鱗は多くみられる. |
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