前編のダイジェスト
同棲中の恋人、アスカとけんかしたシンジは公園で寂しくたたずんでいた。
そこに、あらわれたのは職場の先輩の伊吹マヤ。
「これこれこういうわけなんです」
「わたしが女の子のことおしえてあげる」
めくるめくようなデートを楽しむシンジ。遊園地へ行った2人はいつしか
ジェットコースターのなかでしっかりと抱き合うのだった。
しかし、楽しいことは長くは続かなかった。たまたま、友人と気分転換に
遊園地に来ていたアスカがそれを見てしまったのだ。
ご機嫌で帰ったシンジにアスカは冷たく、2人のデートを目撃したことを
告げるのだった・・・おや?大筋はあってるはずなんだがこんな話だっけ?
【SS】ジェットコースター 後編
「アスカぁ朝ご飯だよ」
ガラッと扉が開き、アスカがにこにこしながら出てきた。
「おっはよーミサト」
「おはようアスカ」
「おはよう、アスカ」
シンジもミサトに続いてアスカに声をかけるが、アスカはまるで何も聞こ
えていないかのようにミサトに話しかけた。
「今日もいい天気ねぇ。全く心がうきうきしてくるわぁ」
「(まだ、怒ってるのか)」
マヤとのデートの後から、ひたすら無視されているシンジだった。
朝食の後片付けが終わり、学校へ行こうとアスカを探すシンジにミサトが
言った。
「アスカなら、もう行っちゃったわよ」
「いつまで怒ってるんだよ、まったく」
「まあまあ、シンちゃん」
そのとき、玄関の呼び鈴が鳴り、いつもの2人の声がした。
「おっはよー碇くん」
「学校、はよ行かへんかぁ」
「いま、行くよぉ」
シンジは鞄を持ち、玄関に向かった。
「3人とも行ってらっさーい」
ミサトの声を背にシンジは部屋から出ていった。
「あれ? 惣流は?」
「先に行っちゃったよ」
「センセェ、昨日はまずいところを見られてしもたのう」
「別に・・アスカに見られたからって関係ないよ」
「無理しちゃって」
「なら、センセェは綾波の方が気にいっとるんか」
「綾波も関係ないだろ」
「ホンマ、お子様やのぉセンセィは」
教室に入ると、すでにアスカは登校していてヒカリとおしゃべりしていた。
一方、レイは今日も欠席らしかった。
「アスカ、これおべんとう。持っていかなかっただろ」
けんかしてても、お弁当を届ける几帳面なシンジだったが・・・
「いらない!わたしはパン食べるから」
「パンじゃあ、おなかすくだろ?」
「わたしは、ご飯よりパンの方が好きなのよ!もういいから放っておいてよ」
バシッ。
シンジの手からおべんと箱が飛び、床に落ちた。
「何するんだよ。昨日から一体なに怒ってるのさ。いいかげんにしてよ」
「なんで、わたしがあんたのこと怒らなきゃならないのよ。バカじゃないの」
「怒ってるじゃないか。僕がマヤさんとデートしたことがそんなに気に入ら
ないのかよ」
「なんで、わたしがそんなこと気にしなくちゃいけないのよ」
「そうだよな、どうせアスカには関係ないことだもんな」
「関係ないですってぇ」
「そうさ、アスカには関係ないさ!」
「何よ、何よ、何よー。わたしにキスしたくせにー」
「あ、あれはアスカが、退屈だからキスしようって言ったんじゃないか」
「あんたバカぁ?どこの世界に退屈だからキスする女の子がいるってのよ!」
「だって、あの時アスカが・・・え?今なんて言ったの?」
シンジは肩を震わせるアスカを凝視した。
「シンジの・・・・・・・・・・・ぶぁかぁぁぁーーー」(バキャ!)
シンジはくるくると回りながら壁までふっとんだ。
かすむ目をこすりながら、立ち上がるシンジに見えたものは教室から出て
いくアスカの背中だった。
静寂のなか、ケンスケがつぶやいた。
「こぉく すくりゅぅ ぶろぉ・・」
「あの女、グーで殴りおった・・」
首をふるシンジに近づいてケンスケは言った。
「碇、あと追いかけて行った方がいいんじゃないか」
「でも、もうすぐ授業が始まるし・・・それにアスカは許してくれないよ」
「センセィ、昨日遊園地でわしら、センセィがジェットコースターできれい
なお姉ちゃんと抱きおうとるの偶然見てもうたんやけど。そのあと、あの
女、帰るまでひっとことも口きかんでなぁ。あのうるさい女がやで。信じ
られるか?」
「・・・」
「碇くん、行ってあげなさいよ。アスカちゃんが気分悪くなって、碇くんが
つきそって帰ったことにしておいてあげるから」
「委員長の言葉とは思えんのぉ」
「・・みんな、ありがとう」
シンジは教室から走りでようとした。しかし、そこにはレイが立っていた。
「綾波!」
「碇くん、どこへ行くの?」
「あ、綾波。いつからそこに居たの?」
「惣流さんがお弁当を落としたときから」
「(初めからじゃないか・・・)」
「惣流さんを追いかけなくていいの?」
「えっ、そ、それは・・・」
「キスしたんでしょ?」
レイを振り切ってアスカを探しに行く。
レイに言い訳する。
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