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小泉内閣は、圧倒的な国民世論の反対にもかかわらず、武装した自衛隊のイラク派兵を強行しようとしている。自衛隊イラク派兵は、平和主義と戦争放棄を定めた日本国憲法に反するだけではなく、派兵準備自体が私戦予備罪(刑法93条)にあたる犯罪である。 刑法93条は、「外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備または陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する」としている。 「外国」とは、国際法上の未承認国を含む国家・政府を意味する。米英軍によるイラク攻撃は、武力行使の正当化要件をおよそ満たさない違法な攻撃である。「大量破壊兵器」を口実とした開戦論が破綻するや、「イラク民主化」を唱えたが、これはたんなる内政干渉のための武力行使であり、国連憲章に違反する侵略である。国連安保理事会決議を得ることに失敗した米英軍による独断的な違法行為である。米英は、違法な武力行使によってイラク政権を転覆し、その後も違法な占領を続けている。 「戦闘」とは、たんなる暴力の行使ではなく、武力による組織的攻撃や防御をさす。国家の合法的意思によらない「戦闘」は、国家機関によるものであっても「私戦」にあたる。組織としての自衛隊が私的に戦闘を行えば、私戦にあたる。 内閣総理大臣や防衛庁長官がその職務に反して自衛隊に違法な戦闘を行う「命令」を下せば、それは私戦の命令である。私戦の目的で自衛隊に出動命令を出すための予備または陰謀を行えば、私戦予備罪が成立する。 そもそも日本国憲法第9条第1項は、戦争のみならず、「武力による威嚇又は武力の行使」を永久に放棄しているうえ、日本国憲法第9条第2項は「交戦権」を否認しているから、自衛隊を戦闘地域であるイラクに派遣することが許されないことは言うまでもない。 しかも、イラクは米英軍による違法な占領が継続している。自衛隊をイラクに派兵することは違法な占領への加担であり、日本国憲法の平和主義と平和的生存権に照らして許されない。 日本国憲法に違反して自衛隊を派兵し、国連憲章に違反する占領に加担することは、現代立憲主義国家にとっていかなる意味でも許容できない事態である。 自衛隊イラク派兵は、日本国憲法に照らしても、国連憲章に照らしても、およそ正当化理由のない行為であり、それは「私戦」と呼ぶ以外にない。憲法も自衛隊法も無視した「イラク特措法」による私戦の遂行は許されない。 従って、小泉首相は、憲法によって授権された職務権限の範囲を超えて、自衛隊イラク派兵により違法な占領に加担する準備および陰謀を行い、私戦予備罪を犯したものである。 反戦平和運動は自衛隊イラク派兵に反対するだけではなく、小泉首相の憲法破壊と犯罪を厳しく告発するべきである。 |
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2003年12月27日 前田 朗 |