
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)は米国のイラク攻撃に反対する
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米国軍のイラク侵攻は、米国および国際社会における合法的な安全確保に役立たないし、サダム・フセインの政策には責任のない一般的なイラク国民にさらなる災害をもたらす。 イラクが大量破壊兵器を開発したり、その他の方法で再軍備し近隣諸国の脅威にならないことを保証するのには、慎重に計画された国連査察による規制と、現行の大部分の経済封鎖の棚上げで十分である。現行の経済封鎖は、イラク市民の生活と健康破壊以外に何の役にも立っていない。特に、数百、数千という子どもたちが経済封鎖の犠牲になって死亡している。 IPPNW議長ロナルド・S・マコイ博士は次のように述べた。 「イラクに対する攻撃は中東情勢を一層不安定にし、西側とイスラム諸国家との二極化をまねき、テロリスト分子の増殖を刺激し、米国およびイラク攻撃を支持する他の諸国の無辜の市民を巻き込むさらなる報復の危険性をます」 |
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IPPNW議長ロナルド・S・マコイ博士の書簡 |
2002年7月29日 |
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米国上院外交委員会委員長 ジョセフ・R・バイデン上院議員殿 1985年ノーベル平和章受賞団体IPPNWおよびその58ヶ国の各支部を代表し、私はイラクの大量破壊兵器の脅威の可能性に非軍事的に対処する手段を強く支持する意見を申し述べる。 米国および国際社会の安全確保に役立ち、イラク市民の極端な健康および生活条件悪化を改善するために、米国の軍事介入以外に有効な選択肢が存在すると、われわれは確信する。IPPNWは米国支部が提唱している選択、すなわち、国連枠内の多国間協調によるイラクにおける兵器査察員の復活を目標にすることを、支持する。以下のような提案である。 国連安全保障理事会は、国際制裁を再構築し、新しい制限物資品目(Goods Review List,GRL)を承認すべきである。この提案によれば、武器輸入は引き続き全面禁止され、軍事、民間両用使用可能技術も検査対象になるが、他の生活用物資はイラクに自由に輸入される。国連は許可制のもとでなされるイラク民間企業への外国からの投資を承認すべきである。 国連はイラクの非石油物資禁輸を解除すべきである。 大量破壊兵器の材料および軍事関連資材購入のイラクの意図を現行どおり抑制する手段として、国連による経済規制措置は継続されなければならない。 バグダッド政府は国連による査察の復活を容認しないかもしれないので、イラクへの武器流入を阻止するために、外部に基地を置く強力な封鎖システムの構築が必要である。現在のところイラク国境は穴だらけである。イラクに隣接する各国の協力を獲得するのに、政治的、外交的努力が求められるであろう。軍事利用可能な技術および兵器の流入を厳しく防止しすることによって、イラクの再武装を阻止する永続的な体制を確立するのが、目的である。確実で、き然とした兵器封鎖システムの構築は、国連査察を受け入れる選択をせざるをえないと、イラク政権に納得させるのに役立つであろう。 イラク政府が国連提案を受け入れれば、石油取引の制限および国連による経済規制は停止されるであろう。 IPPNWはイラクに対する戦争および軍事介入に強く反対する。われわれは、民間人の直接的、間接的犠牲が莫大になることを懸念する。すでに、イラクの人民は、サダム・フセインの圧制および湾岸戦争、経済封鎖の結果、激しい苦しみにあえいでいる。大多数の家族がかろうじて生存するための食料は、ほとんど完全に政府の食料配給に頼っているが、この流通システムは政府が分解したり社会不安が起これば、いともたやすく崩壊する。このような状況での軍事力行使は民間人のさらなる広範な惨状と死亡犠牲者の増加をまねくであろう。前述した非軍事的措置は、イラクの軍事的脅威に対処するだけではなく、イラク人民の人道上の惨状に目を向けたものである。 われわれは次のようになると信じている。イラクに対する戦争は、中東情勢を不安定化し、西側諸国とイスラム諸国との分極をすすめ、テロリスト分子の増殖を刺激し、米国およびその軍事行動を支持する諸国の無辜の市民を巻き込む報復の危険性を増大させる。 長年にわたってIPPNWは、中東各国における核、生物、化学兵器の存在に懸念を表明してきた。イラクに対する戦闘行為が、イスラエルと近隣諸国を含む広範な新たな地域紛争に拡大し、核兵器または他の大量破壊兵器使用の脅威をまねくことを、われわれは深刻に憂慮する。核兵器および他の大量破壊兵器の存在しない中東地域を構築することは、この地域のみならず、全世界の安全保障にとって緊急課題である。世界の安全というこの問題の核心である究極の目標を目指すには、米国自身が、他国には不拡散の教義を押し付けながら、自らは未来永劫、安全保障の中心に核兵器を据えるという、その政策を見直すべきである。最近の核態勢見直しは、本来その検討の一環であるべきであった。 最後に、予想される軍事行動の正当性を求めて提出される情報を、上院外交委員会が注意深く検討するよう、われわれは要請する。すなわち、イラク戦争における長期および短期の人的および安全保障上の損害;介入および国家自衛権にかかわる国際委員会のガイドライン;軍事介入という選択にともなう国内政治動向などである。非軍事的なさまざまな有効な選択肢が、人的被害、政治的、経済的、道徳的損害をはるかに軽減するものと、われわれは確信するものである。 われわれは、貴方が重大責任を果たすべく最善をつくされるよう希望する。敬具。 |
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R.S.マコイ、IPPNW議長
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