爆弾はいらない 子ども達に明日を!


パウエル国連演説へのANSWERの回答




 ジョージ・W・ブッシュは今夜、全米向けテレビに出て「ゲームは終わった」と宣言し、国連各国が、国内の戦争反対世論に抗して、ブッシュのイラク侵略を支持するかどうかの決断を迫った。 ブッシュの演説は国務長官パウエルの昨日の国連発表への、よく振付けられたフォローアップであった。

 ブッシュは、この戦争をとめたいと願う世界の広範な民衆の意志と精神を打ち砕くために、戦争は不可避であると世界に思い込ませようと試みた。それに対して、われわれの世界規模の運動は大衆的反対を築きあげることであり、これこそがブッシュ、チェイニーそしてペンタゴンをとめうる唯一の政治的手段である。

 以下はパウエルの2月5日演説に対するA.N.S.W.E.R連合の回答である。

 パウエルの国連発表は不思議の国のアリス的宣伝の見本であった。現実が完全に逆転されていたのだ。12年に及ぶ経済制裁と米空爆で疲弊し切ったイラクが、10万以上の軍隊、戦闘機、戦艦、ハイテクミサイルといった重装備侵略勢力に包囲され、核攻撃で脅されているその時に、パウエルはイラクが”平和”に対して重大な脅威を与えていると主張した。

 ペンタゴンは最初の48時間に3000発以上の爆弾・ミサイルによる電撃戦をイラクに仕掛けることによって平和を維持するという計画を発表した。この計画は政府によって”衝撃と恐怖”と名づけられた。
 300発から400発のトマホーク巡航ミサイルが米国の攻撃の最初の日にイラクで炸裂する。この個数は第一次湾岸戦争の全40日間に発せられた総数を越える。2日目にはさらに新たな300から400発の巡航ミサイルが撃ち込まれる。「バグダッドに安全な場所はない」とある政府高官は言った。さらに「このような規模はこれまでに見られたこともないし、考えられたこともない」とも言った。「衝撃と恐怖」計画の作成者の一人はその意図を「数日数週ではなく、数分で広島の核兵器なみの効果を及ぼす」ことだと述べた。

 パウエル長官はメデイアでは通常、ブッシュ政権内の穏健派あるいはハト派と見なされている。しかし、1991年の湾岸戦争終了直後の記者会見において、殺されたイラクの兵士と市民(10万以上と言われる)の見積もりを聞かれた時に「私は数字にはあまり関心がない」と答えたのはコーリン・パウエルその人であった。

 戦争に正当性があるだろうか。ブッシュの戦争がもたらす危機は膨大である。何十万ものイラク人が殺されるだろう。何万もの人々が送り込まれ 命を危険にさらすことになるだろう。2千億ドルから2兆ドルもの経済的負担が国庫を襲い、次世代にまで付けを遺すであろう。それは教育、健康、児童福祉、仕事といった本質的な人間的必要に供することのできる資金の枯渇をもたらす。

 どのような状況下で、このような確実な危険と損失が正当化されるだろうか。パウエルの発表では何も示されなかった。米国あるいは他の誰に対してもイラクが脅威を与えていることは示されなかった。
 パウエルの発表には二重の目的があった。それは単に、戦争のための「状況つくり」のためだけでなく、中東地域を再植民地化しようとするブッシュ政権の真の目的から米国民の目をそらすことにあった。パウエルは煙、鏡、誤導を使い分け、恐怖まき散らし役を劇的に演じた。そして元々は米国の大量破壊兵器貯蔵から起こったタンソ菌襲撃にまで言及し、イラク攻撃が米国を安全にするかのように示唆したのだった。

 パウエルの全発表を通じて、「石油」という言葉は一度も使われなかった。しかし、全世界はブッシュとその取り巻きがすでにイラクの石油埋蔵量把握のための計画を立てていることを知っている。表向きには武装解除や民主化が語られるが、隠れたところで、政権は、イラク油田分割のために石油産業重役と会っている。
 (Wall Street Journal、January 16、2003)

 民主主義とは正反対に、ブッシュはイラクを支配するために、トミー・フランクス将軍を長とする軍政を敷こうとしている。イラク侵略のチアリーダーであるトーマス・フリードマンは2月5日のコラムにおいて得意げに次のようにイラクの将来図を描いてみせた。「イラクは米軍隊とその同盟の鉄拳によって支配されるだろう。そして毎日の生活を営むために、この鉄拳の陰から、市民の諮問的行政府が徐々に生まれるだろう。」(ニューヨーク・タイムズ、2月5日 2003)

 パウエルは脅威、計画、可能性について何も示さなかった。侵略の一撃を加え、イラク国民を大量の火器にさらすことに正当性があるだろうか。
 世界の平和に最大の脅威を与えているのは誰なのか。

 パウエルの発表はイラクの仮定の、そしていずれにせよ微々たる兵器に関するものであったのに対し、ペンタゴンは現実の、恐らく核兵器さえ含む大量破壊兵器を使ってイラクに壊滅的な攻撃を加える準備を進めている。 大量破壊兵器に関して、パウエルはイラク政府はいつか核兵器の所有を望むかもしれないと主張した。しかし、ブッシュ政権が来るべきイラク戦争で核兵器を使う選択肢を残していること、そして、最近ペンタゴンによって発表された新軍事ドクトリンによって非核国に対しても最初の核攻撃を行う権利を留保していることを世界は知っている。

 パウエルはもしも国連が、国連憲章を破壊する、米国のイラク軍事侵攻・征服を支持しないならば、それは国連の適性を失うと主張した。歴史は大いなる皮肉をもってパウエルの次の声明を思い起こすことであろう。「われわれは、自分流の立場に立つすべての人々への威嚇、強要、絶滅といった己の知る唯一の手段を使ってイラクと周辺中東を支配する野心を追い求めてきた指導者にストップをかけなければならない」

 ブッシュ政権はイラクによる差し迫った危険を取り払うために奔走しているのではない。彼らはわれわれの運動が戦争への打ち勝ちがたい障害になることを妨げようと奔走しているのだ。
 来るべき決定的な週日においてわれわれの運動を一層、強めることを誓い合おうではないか。




翻訳は野田隆三郎氏のご厚意によるものです。原文は下記をご参照ください。
http://www.internationalanswer.org/campaigns/f15/index.html



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