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私はあなたの意見には絶対に賛成できません。執務室にいるそれほど「男前」でもない人(ジョージ・ブッシュのこと−訳注)がどんな「自由」や「解放」を私たち人間にもたらそうとしているのかわかりません。強制的な体制の転換は民主主義ではありません。戦争は非人道的で、今回の場合、大衆の意見に反しているのだから違法です。私は、たいして「男前」でもない人による長年の経済制裁のおかげで、すでに何千もの人が亡くなっている国を襲う戦争が、爆弾によって、命を奪って、取り返しのつかない環境破壊をして、道徳的ダメージ、精神的ダメージによって、歴史上このような重要な国を破壊して(どれほど長い間、人々は歴史の本で、チグリス・ユーフラテス川、バビロン、バグダッドについて学んできたことか…)、どうやって解放をもたらそうというのかわかりません。 アメリカは、征服と殺戮(アメリカを建設するために赤い先住民族を駆逐し、原爆で日本の子達に永遠に消えない傷を負わせた)を行ったこの200年より前には、その名は歴史をもたない若い国です。そして、その征服と殺戮は「イラク国民の解放」という名目に覆い隠されて、今も続いているのです。戦争が表向きにはテロとの闘いを主張しながら、精密爆弾が極めて不正確なために病院や市場を破壊し、市民を殺すとは、なんと大きな皮肉、そしてなんという大きな精神や道徳の喪失でしょう。私は、タカ派だけによって「よし」とされる戦争はテロだと思います。私は、平和・発展・正義・公平を約束してくれるような、いい男がいないと思うと、とても悲しいです。ホワイトハウスにもブッシュ政権にも、すばらしく勇気のある人はどこにもいないでしょう。戦争をするなんて、臆病で精神がどうかしているからです。 私も眠りたいけれども、それはあなたの眠りとは違っています。あなたは多分、内なる平穏が外界からあなたを隔絶してくれると感じているのでしょうけれども、それは悲しいことだと思います。私にとっては、安心して眠るためには、人間の命を集め、人間の死体の上に富を築き上げるブッシュのような人間と同じ世界に住んでいることを、恥ずかしく思う感情をなくさなければなりません。 そう、サダム・フセインは人々の命を奪いました。皮肉にもこの戦争は、国のために立ち上がる根性を持った彼を、国民のヒーローにしてしまおうとしています。この戦争は、言わせてもらうと何百万人以上の新たなテロリストを生むでしょうし、それが事実です。また、今豪華な家に座って世界統治の計画に没頭しているまさにその人たちは、湾岸戦争の時におびえて戦うことができなかった人たちだったということも事実です。 真実は、ジョージ・ブッシュは、ペルシャ湾を破壊するという叶わなかった父の夢のため、彼の国を戦争に導いてしまったことです。彼は、サダムが父を殺したと思っており、それゆえに自分がより多くのイラクの子どもや女性や男性を殺すのは当然だと思っています。ブッシュは世界支配と石油を求めているというのが真実で、アル・カイーダとイラクの間になんのつながりもありません。現実には、多くの人々が死んで行っており、あなたにできるのはせいぜい人類をここまで引っ張ってきたこれらの指導者を恥じることです。 私の国ではファシストが権力を握っています。だけど、ファシストさえ基本的に人間で、何百万人もの国民は、どれほど豊富な資金が溢れた国であろうと人に国外退去せよと命令する権利はないと思っています。 FOXニュースやCNNとBBCしか見ていなかったら、エンベッド取材のジャーナリストたちが報告する輝かしい未来のほかにはほとんど何もわからないでしょうね。メディアから得られるものは戦争の一方的な報道だけです。別のメディアを読んでみれば、あなたに伝わっているのは連合軍に都合がよいことだけだということがわかるでしょう。 私の国では実際多くの反戦抗議行動が行なわれており、毎日何千人が参加しています。参加者たちは、大量殺人を間違った行為だと感じ、抗議しているのはイスラム教徒だけではなく(そしてイスラム教徒やその支持者たちがすべて自動的にテロリストというわけではありません)、おびただしいインドのヒンドゥー教徒も参加しています。私は定期的にそういった抗議行動に参加しているのでこのことを知っていますが、BBCはそれを散発的なインドの宗教団体の抗議として、小さく扱うにすぎません。メディアによる反戦報道は悲しいことに偏見に満ちています。同様に私も偏っているかもしれませんが、それは歴史の重要な時点で「抗議行動の不在」が存在したという事実を買収するためではありません。 マイケル・ムーアについて言えば、彼のように、オスカー受賞の場で立ち上がって意見を述べるような勇気のある人がもっとたくさんいればと思います。彼のコメントは「ばかげて」などいません。むしろあのように理性から発せられる言葉に出会うことはきわめてまれです。(ホワイトハウスにいる人たちのほとんどはそういった言葉をもっていません。)考えることができる理性、感じることのできる心です。「少なくとも人々は政治的に考えている」と彼が語ったように、「彼が定めた保守政策の日程遂行の口実に3000人を犠牲にする」というブッシュの言い訳は実際通用しません。 あなたの言うとおり、戦争にはさまざまな色があります。黒い人たち、茶色い人たちに対する戦争…。それらの人々はみんな異なった人種であり異なった文化をもっています。ホワイトハウスの悪人たちの中には、そういった人々をアメリカ国民への脅威とみています。私の手紙が政治演説のようになっていたらごめんなさい。でも、私は今、打ち続く血みどろの戦争と弱者に対する帝国主義者の征服の歴史を、平和、資源の地球的共有、そして思いやりと愛に基づいた何か豊かで美しい歴史に変えていく重要なときだと理解することが必要だと感じているのです。そうならなければ発展というのはありえません。 神は40数億年かかってこの世界を創造し、目もくらむ閃光のうちに(アメリカは最大の核保有国であり、CTBTへの調印、査察、軍縮を拒否し、それなのに他の国の武装解除を要求しているのです!)滅ぼしたり、あるいは戦争に引き裂かれた世界で数百万人がゆっくりと苦しみながら死んでいくことは神の意図ではありませんでした。あなたの祈りは精神的な恍惚という神がかった感覚のためでなく、このことのために向けられるべきです。なぜなら私たちのだれもこのような計画をしたのではないのに、私たちがその結果を引き受けなくてはならないのは確実だからです。戦争のたびに新しい方法で人を殺したからといって文明は進歩したといえるのでしょうか?それは文明の進歩の証なのですか?あなたのような意見を聞くと悲しくなります。なぜなら、神は支配者というより、「不思議の国のアリス」に登場する次第に消えて行く謎めいたチェシャー猫の最後の笑いにだんだんと似てくるように思われるからです。 ヴァーナ |
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上記の文章は、チェンナイ(インド)の少女ヴァーナさん(17歳。父はジャーナリストで平和活動家のシュリ・ラーマンさん。)が、戦争支持者のメールに対して反論した手紙を日本語訳したものです。 翻訳は大庭里美さん、西名みずほさんお二人によるもので、翻訳者のご了解を得て転載しました。 また、この文章は「希望の種子」37号に掲載されます。購読申し込みは/Fax:082-828-2603へ。実費で宣伝紙を送っていただけます。 |