
国防総省がリンチを記憶喪失に?
Does the Pentagon Have Amnesia on Lynch? (原文=英字の見出し)
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下院議員:デニス・クシニッチ 2003年6月2日 |
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ラムズフェルド長官殿 私はジェシカ・リンチ上等兵の救出をめぐる論争にピリオドを打つために、あなたからのお力添えをいただきたく、この手紙を書いています。 アメリカ特殊部隊がイラクの病院からリンチ上等兵を救出してしばらく、多くのアメリカ政府当局者は、全国のマスコミにこの出来事をめぐる状況を話しました。そしてマスコミは、リンチ上等兵は銃弾とナイフによる傷を負い、イラクの担当官からは虐待され、敵の砲火の中へと連れ去られたと報道しました。 また、リンチ上等兵は記憶喪失になっており、自身の救出も思い出せないとも報道していました。アメリカ政府筋は匿名を希望しましたが、彼らの報告は国防省が修正することなく広範囲にわたって報道されました。実際、記者団に公表されたものは軍専属のカメラマンが暗視装置を使って撮ったビデオテープを編集したもので、国防省はその報道を正確なものとしたかのように見えました。 また、このビデオを発表するに当たり、ドーハ滞在のアメリカのスポークスマンであるビンセント・ブルックス軍司令官は「何人かの勇者たちが命を危険にさらして救出したのだ」と話したとされています。(注:1) しかし、つい最近、逆の報道記事が浮上してきました。根本的に、この新たな報道は、彼女の救出が元々テレビ向けに計画されたものだということを論じています。特に、実際はリンチ上等兵が弾丸もナイフによる傷も受けていなかったことを明らかにしています。 またこの記事は、米軍は救出行動を起こす前にイラク軍が全く病院を警備していないことを知っていたと伝えています。イラクの医療スタッフは、献血してまでもリンチ上等兵を慈悲深く手当てしたと伝えているのです。 さらにイラクの医療スタッフは、本当はリンチ上等兵を2日早く救急車で運ぼうとしましたが、米軍の射撃に遭ってしまったとも伝えています。そしてまた、イラク軍はリンチ上等兵を救出した米軍に対し、発砲はしていないということです。 このショッキングな内容の報道は、国防総省の演出劇が「今までで最も驚くべき報道操作のひとつ」であるということを主張しているのかもしれません。 (注:2) そして、リンチ上等兵の父親グレッグ・リンチは、記者団に「ジェシカは記憶喪失になどなっていない」と話しています。そして父親はリンチ上等兵を救出した軍の行動について詳しい話を求められると、こう言いました。「今はこのことについて話さないことになっているのをご存知でしょう」。 これでおわかりのように、最初に報道された事実と今回の報道方法とでは、大きな違いがあります。国防省の立場はわかりますが、この最近の報道は「事実からすれば法外であり、明らかな虚偽であり、根拠のない報道」です。(注:3) 同時に国防省職員は、今になって彼らが当初述べていたことを修正しているようです。例えば、同省のスポークスマン、ブライアン・ホイットマンは、「米軍は病院に突入した時、アメリカ軍が銃火を浴びたとは言っていない」と話したとされています。(注:4) 私は、国防省が起こったことを全て明らかにする時がきたと確信しています。 まず、リンチ救出時の軍行動で専属カメラマンが撮影したビデオテープを未編集で一般公開するよう命じて下さい。 今回の国防省が行ったビデオテープ編集、公表のやり方には多くの論議が巻き起こっています。 いくつかのメディアの代表はアメリカ国民がこれら双方の対立した主張に対し、それぞれ個人が独自の見解を持てるようテープの最初から終わりまで全てを公開するよう求めています。国防省にこの要求を拒否する理由はないでしょう。 それから正式に答えていただきたいと思います。リンチ上等兵の健康状態と救出行動についての質問です。 --米軍は病院内でイラク軍に遭遇したのでしょうか? --米軍部隊は救出行動の間に発砲したのですか?もし、そうならば、交戦の内容 を具体的に述べて下さい。 --米軍はイラク軍が病院を明け渡したという情報を持っているのですか? --リンチ上等兵は銃弾、またはナイフによる切り傷を負ったのでしょうか? --政府当局はイラクの医療スタッフがリンチ上等兵をアメリカ軍に引き渡そうと したという情報をつかんでいるのでしょうか? --米軍は時を選ばずに救急車に発砲したのですか? 最後になりましたが、私はイラク軍がリンチ上等兵を捕らえたことについての調査を命じたのは、国防省だと理解しています。 しかしまた、その一方で調査団はリンチ救出時の状況の検証については命じていないとも思っています。 この事件についての論争に照らせば、国防省が現在行っている調査は、同時にリンチ救出を取り巻く事実調査を包含するべきではないかと思います。 もし、このお願いについてお聞きになりたいことがあれば、こちらの立法補佐官であるジャロン・バークに連絡して下さい。お返事をお待ちしております。 |
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敬具 国家安全保障、テロ、国際関係委員会委員長 デニス・J・クシニッチ |
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(注釈) 1.The Truth About Jessica, The Guardian (May 15, 2003) (ジェシカの真相 ガーディアン紙(2003年5月15日)) 2.ibid (同紙) 3.Pentagon Aims Guns at Lynch Reports, Los Angeles Times (May 29, 2003) (国防総省、リンチ報道を操作 ロサンジェルスタイムス(2003年5月29日)) 4.U.S. Rejects BBC Lynch Report, BBC (May 20, 2003) (米 BBCのリンチ報道を棄却 (2003年5月20日)) ※本文は、AlterNetの記事を、グローバル・ピース・キャンペーンのメールニュース「OPEN-J BOOMERANG 346」向けに荒木由起子氏が訳出されたものです。必要な場合は、下記のURLで原文を確認してください。 http://www.alternet.org/story.html?StoryID=16055 |