国際刑事裁判所問題問題日本ネットワーク(JNICC)は、小泉純一郎内閣総理大臣
と川口順子外務大臣宛てに日本の国際刑事裁判所規程批准を求める要請書を送りまし
た。
国際刑事裁判所問題問題日本ネットワーク(JNICC)
要請文は下記の通り
2002年3月28日
内閣総理大臣
小泉純一郎 閣下
本要請書は、Coalition for the International Criminal Court(国際刑事裁判所を求
めるNGO連合=CICC)を代表して送付させて頂きます。CICCは、世界のあらゆる地域お
よび市民セクターの構成員からなる1,000以上の非政府組織で構成された世界的なネッ
トワークです。
1998年7月17日、「国際刑事裁判所設立のためのローマ規程」が採択され、コフィ・ア
ナン国連事務総長はこれを、「将来の世代に対する贈り物であり、普遍的な人権と法の
支配を構築する道筋への大きな一歩である」としました。ご存じのように、ローマ規程
は139カ国によって署名され、本要請書を作成している時点で条約発効に必要な60カ国
のうち、すでに56カ国が批准書の提出を完了しています。
この実効的かつ公正で、独立した国際刑事裁判所(ICC)の実現へ向けた、閣下の個人
的な努力や、貴国による支援努力を認識しつつ、これまでの貴方がたの多大なる貢献に
敬意を表したいと思います。また、ローマ規程の批准に向けて国家的に取り組まれたこ
とについても、賞賛の言葉を贈らせて頂きたいと思います。NGO連合では、ICCの
設立に積極的に関われるよう、日本がすみやかに規程の批准を完了すること切望するも
のであります。我々の予測では、来る3カ月中に60カ国目の批准が完了し、2002年の9月
には国連事務総長により第1回目のAssembly of States Parties(締約国会議=ASP)が
招集されるものと見ております。そこで私どもは貴国による批准努力のよりいっそうの
促進をお願致したく、この要請書を作成いたしました。
総理大臣閣下。ICCの設立運動は、市民社会が形成する国際組織や非政府組織などの支
援の下、志を同じくする諸政府の集まりにより歴史的な偉業を達成しようとしていま
す。今から2年前、我がNGO連合では60カ国の批准完了を2002年の7月17日に設定する運
動目標を掲げました。2年前の時点では、ほとんどの専門家が数年に及ぶ大事業になる
だろうと見ていました。しかし今、私たちはローマ規程の発効まであと数カ月というと
ころにまで到達したのです。
上述しましたとおり、条約発効の折には国連事務総長により第1回目のASP会議が召集さ
れます。第1回会議では、最初の60の批准国だけでなく、それ以降に条約を批准したす
べての国々が投票権を得ます。この会議が我々の予測通りに2002年9月に開催されるの
であれば、これはすなわち2002年6月30日までに批准する国々に会議への参加資格があ
るということになります。ローマ条約は、各批准国について、批准書提出後あるいは受
諾、加入または加盟後60日が過ぎた時点で発効します。
第1回ASP会議では、様々な重要項目についての決定に加え、判事および検察官の指名に
ついての規則と手続きを採択します。ここで各国の重要な関心事となるのが、判事およ
びその他の職員を裁判所に派遣することです。この指名プロセスについての我々の非公
式な概算では、指名期間が90日あると仮定して2002年の年度末には候補者の指名が完了
するものと見られます。NGO連合では、指名プロセスの終了前に条約を批准したすべて
の国々が判事の指名を行えるものと見ております。すなわち、2002年10月中旬あるいは
10月末までに批准した国家には判事を指名する権利が与えられるのです。勿論、これら
の概算は非公式なものではありますが、過去の実例に基づいたものでもあります。
このようなことを踏まえ、「国際刑事裁判所を求めるNGO連合」は、閣下および貴国政
府において、裁判所設置時の全面的な参加権および裁判所職員の指名権獲得のために、
「国際刑事裁判所設立のためのローマ規程」の早期批准を果たされることを謹んで要請
いたします。特に、来る4月の8日〜19日の間に国連本部において開催される
Preparatory Commission on the ICC(国際刑事裁判所に関する準備会合=PrepCom)
は、批准書を提出する絶好の機会となり得ることをここに明記させていただきます。
一世紀にわたって罪を問われずにきた多くの惨劇の繰り返しに歯止めをかけ、そのよう
な行為が継続されている場合は、その加担者たちに正義の審判を下す。国際刑事裁判所
には、これらを実践するための大いなる可能性が秘められています。より普遍的で、す
べての地域のすべての民族および法律制度が締約国会議で代表されることは、国際刑事
裁判所に不可欠な要素であります。
我々は、「国際刑事裁判所を求めるNGO連合」を代表し、日本がこれまで果たしてきた
役割に敬意を表するとともに、貴国がこの歴史的な条約を初めて締結する国々の一国と
なられることを切に願うものであります。
敬具
ウィリアム・R・ペイス
「国際刑事裁判所を求めるNGO連合」代表