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演奏曲練習のはじまり
リンガーがまず最初にすることは、自分の担当の音の確認です。振り分けられたベルが無理なく 鳴らせない場合、音を抜いてしまうわけにはいけませんので、誰か(主に隣のリンガー)にやってもらう ことになります。そういった「貸すベル、借りるベル」は意外と頻繁に行われます。
担当がしっかり決まったら楽譜にそっての演奏が始められるのですが、最初は指定よりもゆっくり目の テンポから始めてみます。徐々に指定のテンポに近づけて練習を重ねますが、初めは楽譜を追うのが精一杯で、指揮を見ることが難しく、リンガーそれぞれ勝手な速さで進んでいってしまいがちなので、指揮者には机などを叩いて音で拍子をとってもらいます。まずはこの音を頼りに合わせます。
初期にありがちなこととしては、変化奏法の見落としが第一に挙げられます。ひとりだけプラックをしなかったり、シェイクが途中からだったり、思わず笑ってしまうことも度々です。変化奏法は慣れるまでなかなか厄介なものです。また、楽譜の多くはアメリカで出版されている関係から、演奏に関する指示が英語で書かれているがための苦労も少々あります。
曲の様子がわかるようになって手の運動も馴染んでくると、楽譜以外に指揮者を見る余裕が出てくるので、その時点で「叩き」はなくして指揮に合わるようにしていきます。また強弱やテンポの揺れなども付けていきます。
次第に曲中の難関が発覚してきますが、解決には何度も繰り返し練習するのみです。難関だけに限らず、そうする内に指揮者、リンガーの息が合ってきてバッチリ決まるようになっていくのですが、リンガー達が正確に音を鳴らせるようになった時、それはようやくハンドベルの音楽の始まりです。