IFF(燃えるイラク)マジド議長 東京講演会  補足資料

1)IFF(Iraq Frame Front:ジャバット・ワハジュ・アルイラク)とは?

Iraq Frame Front(燃えるイラク)は2004年5月19日設立されました。それは、ひとつの政治拠点としてアイディアや意見を調査し議論する役割を果たし、その上であらゆる出来事についてひとつの国としてまとまった態度をとることに合意しています。
IFFは、ひとつの勢力や政党を代表するものではありません。どちらかというと国の原則、つまり全てのことは神への忠誠を中心として周り焦点としているということを信念とし、また統一された自由で豊かなイラクを信念とするイラク中の勢力や動きを含む、開かれた議論の場です。IFFは、過去の歴史や紛争の幕を閉じ、現在の危機に対処するため適切な解決策を探ろうとするものであり、そのためにイラク中の政治的または社会的勢力に差別することなく働きかけ、より高次の国家利益を追求し、国の統一性を維持し、平和と安全を確立し、殺戮に終止符をうつことに貢献するべく、全てのイラク国民に以下の事柄を信頼するように働きかける国家レベルのプログラムを展開するものです。

1. 米国占領軍のイラク撤退のためのタイムテーブルの設定
2. これは、長いことその愛国心と軍事技術で知られ、イラク国民と全ての部分にわたりかかわってきたイラク軍の再編成を伴わなくてはならない。また、安全と防衛に関するすべての役割を、占領軍の撤退と合わせた定められた期間の間に、把握するべきである。
3. 選挙や任命される政府が、単なる暫定政権であり国家のために恒久的な憲法を制定する資格がないことを考えると、憲法の制定は、国際社会の監視のもとに行われる、差別のないイラク中の政治的そして社会的勢力による自由選挙により選ばれた国民議会にゆだねられるべきである。
4. 多党制イラク民主議会の設置の確保
5. バース党員排除と派生事項の中止。なぜなら、バース党市民も他のイラク市民同様に完全な市民権を持ち、イラク再建に参加し、他のイラク市民たちと交流する機会を与えられるべきだからである。
6. 占領軍と暫定政府の監獄に収監されている全ての戦争捕虜と拘留者の解放
7. こどもや女性に恐怖を与える、きちんとした家への無差別の乱入、追跡、攻撃の中止と軍事介入の過程で拘留された人々への恩赦
8. 軍事介入によって破壊されたイラクの都市の再建と、戦争の開始からこれまでに被害にあった人々への補償

Iraq Flame Front
本部:イラク バグダッド
email: alsaeet2005@yahoo.com

2)マジド議長 略歴

Sheikh Majeed Hameed Farhan al-Gaaod (シェイク・マジド・ハミード・ファーラン・アルガウード)
シェイク・マジド・ハミード・ファーラン・アルガウードは、1967年にアンバー地方(ラマディ市)で生まれる。彼は、米国に占領、破壊された直後にファルージャ市に住んでいた。国家を防衛した功績により名誉愛国者として記録されている。彼はまた、米国の占領に対するイラク国内レジスタンス勢力であるドレイミ一族の一員である。1997年8年以上居住していたポーランドのクラコウ大学より修士号を取得した。
彼は、イラク有識者前線事務局長の補佐であるが、この団体はイラク人のすべての部族を含むもので、2003年米国による占領後に設立された主な政治団体のひとつである。彼は、イラクの主要な政治指導者の一人である。彼は、2003年4月22日に事務局長が、また2003年5月2日に代行が拘束された際、全員一致でイラク有識者前線の事務局長に選ばれた。また、2003年6月19日には、ワハジュ・アルイラク(燃えるイラク/IFF)の議長に選出されている。これは、占領に反対する国内勢力の上部に位置する委員会であり、米国によるイラク占領に反対するより高次の政治的かつ国家的委員会のひとつと考えられている。
さらに、ガウード氏は、イラク消費者保護連盟の名誉会員であり支持者であり、イラク環境および自然保護センター政治委員会の委員長であり、イラクの人権および民主主義組織の政治委員会の委員長かつ支持者であり、イラクEZZ母子および障害者基金理事会の会長であり支持者でもある。彼は、スポーツの支援もしている。また、彼の兄は有名なイラクのサッカークラブ(タラバ)の責任者を14年以上も務めている。また、米国占領軍により編成された暫定政権に見捨てられた様々な文化団体を支援している。
彼は、米国占領軍、イラクのアラウィ政権や近隣州政府に追われ、自宅も様々な攻撃にさらされていた。また、近隣諸国の諜報部の嫌がらせを受け、これらの国におけるテレビ放送で米国占領軍とその枠組みによる犯罪を暴露することを禁止されている。2005年2月9日、バグダッドのアブ・グレイブにある彼と兄が所有する倉庫が暫定政権の治安部隊により襲撃、強奪された。その損失は、20万米ドル以上である。国連の人権委員会は、この事件の全容を知っている。



3)講演会の補足資料 イラクの現状とフセイン裁判の法的根拠と嘘について

イラク人による反米活動団体IFF(燃えるイラク)の主張を理解するため、現在のイラク情勢および法的な手続きを無視して行われているフセイン裁判に関する要点をまとめました。マジド議長の講演会の補足資料としてご一読ください。
*以下の内容は2005年6月10日にCS(TBS)“ニュースバード”でのジャーナリスト平田伊都子さんの発言と番組の内容、およびIFFに関する資料を参考にしています。

1 IFFとは?
2 IFFに集うイラクの人々の怒り
3 フセイン元大統領の裁判
4 弁護団の主張(要点)
5 フセイン元大統領に接見したハリル・アル・ドレイミ弁護士の談話
6 参考 国連アナン事務局長の発言(2004年9月15日 BBCニュース)
7 今後のイラク情勢 スケジュール
8 サマワの放射能汚染

1 IFFとは?
アラビア語では「ワハジュ・アル・イラク(“燃えるイラク”)」と称する。イラク有識者最前線ほか30を超える団体が集まり、アメリカの責任追及と被害者および破壊した住居や施設への補償を求め活動している。
「現在の政権はアメリカの傀儡であり認めることはできない。イラク人は自分たちの手でイラクを治めることができる。多党制の民主的な議会を目指す」と、議長のマジド氏は語る。
IFFの構成組織は多様で、婦人団体や障害者団体、サッカーのクラブまで集っている。サッカーワールドカップの予選に出場した選手も名を連ねている。
IFFを創設したのはドレイミ族のガウード家の末裔である7人兄弟。ガウード家はもとベドウィン(遊牧民)で、イラクの中では裕福な層に属する。IFFの発足は、2003年4月にアメリカが侵攻したとき、反対を唱え集ったのがきっかけ。
ガウード家7人兄弟、長男のサッタム・アルドレイミ氏らの呼びかけで、2003 年4月11日にラマディで、12日にファルージャ、21日にバクダッドでデモを組織した。IFFの最初の集会は、2003年4月21日。そこでサッタム氏は、イラクはイラク人有識者の指導で、イラクなりの民主主義ができるということを唱えた。その翌日、サッタム氏は米軍により逮捕され、いまだに彼は獄中にいる。米軍はサッタム氏を利用しようと「大統領にならないか?」と何度も誘いをかけているという。

2 IFFに集うイラクの人々の怒り

■根本原因は、アメリカが無謀な戦争を仕掛け、イラクを破壊したこと。
■掃討作戦:実態は、捜査令状も無く夜中に、ドアを打ち破って、女性や子どもを隅に追いやって、家の男性に三角頭巾をかぶせて拉致していく。
こうした情勢下でイラク人の心の拠り所となっているのが、宗教と部族・民族。大きく分けて北部のクルド族とその他のアラブ民族がいるが、細かく分けると200部族ぐらい存在している。その内一番大きな民族がドレイミ族で、イラク西部(いわゆるスンニトライアングル)を中心にサマワ近郊までいる。全人口の15%を占める。弁護士のハリル氏は、ファルージャ北西のラマディ在住。会合のあるときは、アンマンまで850キロの通称“アリババ街道”を行く。
スンニ・トライアングルは、非常に危険なところというイメージがあるが、それは米国に対して好戦的だと取られたため、最初に制圧を計画。フセイン大統領の母親は、ドレイミ族出身。
ドレイミ族は、もともと第一次世界大戦後、反米よりも反英闘争をしていた。その中でも最大の勢力が、アル・ガウード家。1920年7月にアル・ガウード家の先代が首長国を建設。そうした情報のため、アメリカは早々にスンニ・トライアングルを想定し制圧に乗り出したという経緯があったのかもしれない。
自分たちの国を守るためのレジスタンス運動を米国はテロと一くくりにしている。ただ当初国外からのテロリストの人数は2000人余りとされ、毎日100人単位で逮捕者され続けていることを考えれば、テロリストがすべてなのではないと考えるのが妥当。

3 フセイン元大統領の裁判
弁護団の正式名:フセインとその側近と拘束されているイラク人全員を守るための弁護団(12月16日の接見でフセイン本人がハリル・アル・ドレイミ弁護士に依頼して命名された。その際ジャード氏が弁護団長に任命された)
弁護団の団長をヨルダン人のジャード・アル・ハサウニ氏が務めている。ジャード氏は「フセイン大統領のファンではないが、この裁判はどうみても法的におかしい。裁かれるべきは、米国であり、国際刑事裁判所に告訴したい」と語る。
昨年7月にフセイン大統領が特別法廷に出てきているが、その際弁護士はつけられていなかった。米国占領当局としては、弁護士のいない裁判でも良かったということをうかがわせる出来事。
どんな罪を犯した人でも公正な裁判を受ける権利があるが、それが守られていない。人道上の問題であり、また戦争捕虜の取り扱いを定めたジュネーブ条約※にも違反する。
※1949年第二次世界大戦後に策定された。13条14条にて戦争捕虜の取り扱いを定めている。

4 弁護団の主張(要点)

■ イラク戦争は国際法に違反し戦争犯罪である。
■ 占領下での特別法廷そのものが非合法(占領軍が占領下にある人々を裁くことがジュネーブ条約に違反している)
■ フセインや側近のためだけでなくイラク人全体を守るために弁護する。
この中で注目されているのは、「イラク戦争は国際法に違反し戦争犯罪である」という一項。ここで言う戦争犯罪は:
1) イラク戦争の3つの大義※が全部嘘であったということ(これは米国自身・調査団がはっきり認めている)。
→正当な理由のない武力行使を、侵略行為という。
2) 虐待:アルグレイブでの虐待・虐殺・レイプ・拷問
3) 虐殺行為:現在イラクで殺された人数は概算で10万を軽く超えている
4) 器物損壊
5) 環境破壊
※以下の3点をアメリカは戦争を開始する大義として主張した。
1) イラクは大量破壊兵器を所持している。
2) フセイン元大統領は、国際テロリスト集団アルカイーダと関係がある。
3) フセイン元大統領は、米国にとって危険な人物である。
こうした戦争犯罪を何とかして法的根拠のある裁判所つまりは、国際刑事裁判所で裁きたい。国際刑事裁判所は、2002年にオランダのハーグで設立された戦争犯罪を含む国際的犯罪行為を裁くことのできる唯一の常設機関。ただ二つの欠点がある。@国連の常任理事国の不参加。A批准していない国の存在:日本、アメリカ、ロシア、中国。ヨーロッパ諸国は、殆ど批准している。

5 フセイン元大統領に接見したハリル・アル・ドレイミ弁護士の談話
2004年12月16日に元大統領に初めて接見した。接見した場所はバグダッドのとある所だが、詳しくはわからない。イラク弁護士協会を通じて、特別法廷に頼み、米軍からアメリカ占領当局に依頼した。その後、再度接見を求めているが実現していない。
元大統領への接見で明らかになったアメリカの嘘と疑惑
1. フセイン元大統領が拘束されたのは穴の中ではなかった?
ティクリートにある友人の家でお祈りの最中に、25人の米兵により拘束された。数機のヘリコプターも出動していた。
→穴に隠れていたというのは嘘と元大統領は主張し、その後、米軍も穴の中で拘束していないことを認めた。
2005年3月1日、来日中のジャード弁護士が記者会見で、フセイン拘束にまつわる米軍発表の嘘を弁明した。その後、米側が拘束は穴の中ではなかったことを認めたが、海兵隊の証言として、元大統領が民家の二階から発砲してきたと発表した。さらにこれを受け、ジャード氏はこれを即座に否定。すると米側は、他の海兵隊員の証言として、CBSの番組“60ミニッツ”の中でフセインの抵抗のすごさを物語、弾が尽きるまで銃撃戦の後、フセインが襲い掛かってきたと発表。元々、嘘で始めた戦争ゆえ、ひとつの嘘がばれると次々と新たな嘘をつかなければならなくなっているアメリカ政府および米軍の姿が垣間見える。
2. 元大統領拘束時の写真(これも捏造か?)
接見したドレイミ弁護士に元大統領は「拘束されてから3日間意識がなかっ た」と語っている。穴のそばで元大統領を米兵が押さえつけている写真が世界に出回ったが、この写真は元大統領の意識がない時に撮られた可能性がある。

6 参考 国連アナン事務局長の発言(2004年9月15日 BBCニュース)
Q.イラク戦争は、法的な裏付けを得たものではないとお考えですか?
アナン:私が明白にしているのは、イラク戦争は安全保障委員会や国連憲章に従ったものではなかったということです。
Q. 違法なものだったと?
アナン:そういうことです

7 今後のイラク情勢 スケジュール
8月15日 憲法草案の策定
10月15日 新憲法制定のための国民投票実施
12月31日までに新憲法の下で総選挙を実施し、新政府発足

8 サマワの放射能汚染

ジャーナリスト平田氏によるインタビューでドレイミ弁護士は次のように語っている。
「日本は、イラクを占領するための軍隊をイラクに送った。それは、アメリカを助けるためのものに過ぎない。しかも、米国は日本軍を放射能汚染のひどい地域(サマワ)に配置した。日本軍にとって非常に危険な話」
サマワが放射能で汚染されている地域だという情報は、日本ではほとんど報じられていない。しかし、自衛隊のマニュアルでは、危険地域が明示されており、サマワ周辺の元イラク軍の基地も危険地帯として指定されている。戦争中、バンカーバスターなど劣化ウランを使った爆弾を米軍は使用しており、サマワ近郊も放射能で汚染されている可能性が高い。
国際放射能医学研究所副所長のペット博士が、サマワは放射能で汚染されていると発表しており、この汚染情報はかなり信憑性があると思われる。また、汚染ゆえにオランダ軍が引き上げたという噂もある。