2000年8月

■2000/08/11 (金) 広い海

この日初めてベッキ−は海に入った。このベッキ−、本名をベアトリスと言って、名前の出所はスペインの女王の名前。でも、人前で「ベアトリスおいでー」とか、「ただいま、ベアトリス」とか、恥ずかしすぎて間違っても言いたくない。ということで、短くしてベッキ−に落ち着いた。

とにかく3才にして初めて入った海に興奮した彼女は、父親や、弟の制止する声を振り切って、豆粒ぐらいにしか見えなくなるまで遠ざかっていってしまった。その遠くの方で何かバチャバチャと、ひとしきり一人遊びを堪能してようやく戻ってきた。

しかし、まだ波打ち際でしか遊んでいない。
「コイツの泳ぐ姿を見てみたい・・・」と家族全員が思った。

そこで父親の出番がやってくる。ズンズンと、盆に入って波の荒くなった海に入っていく。それを追うベッキ−。「おぉ、泳ぐか!」と、私も弟もこぶしに力が入る。しかし、やはりイキナリは無理だったようで、波に向かって行きはしたものの大きな波に対しては逃げていってしまう・・・
後には
びしょぬれの短パンをはいたオヤジが残っただけ。

去年も同じ事を言っていたことを皆うすうす気づきつつ「来年があるさ!」、ともはや遊泳禁止となった海岸を後にする私たち。その後、彼女のジャリジャリの体を洗うという作業が待っていたのは言うまでもない。


■2000/08/12 (土) 海とクラゲと魚と女

今日も海は荒れている・・・
お盆の海に違わず、あちこちにクラゲが野垂れ死んでいる。大きのやら小さいのやら、溶けかけているのやら、先客の犬に喰われているのやら。しかし、意外にもベッキ−はそれらに目もくれず、昨日と同じ行為を繰り返している。波に向かっていったり、逃げてみたり。あるいは、走る父親の後を追ってみたり、キャッチボールしている父親と私と弟の間を駆け回る。絶対取れるわけはないのに・・・

やはりそれでは飽きたのか、母親に突進して怒られたりも。そんな私たち一家を浜辺で座って眺めている人もいたりして、曇天の下、のどかに時はすぎていく。私と弟は波打ち際で足を埋め、父は煙草を吸い、母はベッキ−がどこからかくわえてきたボールをあらっていた。

そんな時
「ぎゃ−!」という母の声が。

ベッキ−は小魚(あんまり魚は詳しくないので)を齧っていたのだった。首は半分もげ、血が出ていた事から、今朝方打ち上げられたものという事が分かる。ともかく、笑うと血まみれはさすがに気持ち悪いので、海で口を濯がせる事にした。ところが、うまく口を濯いでくれない。「ケンカうってんのか!」と私を見上げるベッキ−。仕方ないので頭をムリムリ押さえつける。

朝の海は何が落ちてるかわからない・・・


■2000/08/13 (日) 赤ラブ

ようやく千葉から帰ってきた。天気は良くなかったけど、十分リフレッシュ出来たので、良しとしよう。しかし、初日に腕が焼けてしまったので日焼け止めを買ったところ、台風が来てほとんど午前中にしか遊べなかった。買った私が悪いのか、そんな時期に休暇を取った父が悪いのか・・・

そんな事を思いながら、ふとベッキ−を見ると。なんと!首や背中の一部、足の一部が(日に焼けてか)脱色したように、
赤くなっている!「うわぁ〜、ナウーい」とは、さすがに言えなかったものの、あわてて皆を呼ぶ。しかし、誰一人として「大変だ」とか、「どうしよう」等の驚いた発言はなく、「ふーん」で終わってしまった。あんなに騒いだ私がまるで馬鹿。

しかし、本当にどうなってしまうんだろう?と不安になり、ベッキ−の体を調べてみる。だが当の本人は連日の疲れからか「ほっといてくれ」とケツを向けて寝てしまった。「まぁ、そう言わずにやらしてよ」と、すりよる私に全身を突っ張って拒否するベッキ−。「いぃーやぁー!」と首を仰け反らせる。結局、赤く色が抜けてしまったのは前に書いた通りだったが、その日はしばらく寄ってきてくれなかった。なんか、彼女に無理強いして、拒まれて、スネられた男の気分・・・


■2000/08/15 (火) メリーさん人形

この日は昼から友達と会うため、いろいろとわたわたしながら用意していた。そんな私の雰囲気を感じてか、ベッキ−も、一緒にわたわたしてくれている・・・私が脱ぎ捨てた寝間着や、気に食わなかった服等、床に置いたもの全てを咥えてぶん回している。

(あーぁ、毛まみれだよ・・・)と思いつつも、服を決めて化粧を始める。母親が朝のうちはクーラーを付けない方針なので、洗面所からダイニングまで、ほぼ一直線で見通せる。私が顔を洗っているとき、ベッキ−はまだダイニングに居た。
下地を塗り終えてファンデーションを塗り始めたとき、台所まで匍匐前進していた。
パウダーをはたいていると「チャッチャッチャッ」と音がして、マスカラを付けおわったときにふとふりかえると、背後に前の片足にあごをのせて上目遣いで私を見ている女王がいた。

なんかこれって、恐い話に出てくるメリ−さん人形みたいで、なんかやだなぁ。恐い話といえば、まだベッキ−が家に来たばかりで、仮の名前で「ノア」と呼ばれていたときのこと。

今も一緒の部屋で寝てるけど、まだそのときは私は普通のベッドで寝ていて、ベッキ−も来たばかりで、ダンボ−ル生活をしていたある朝。私の目が覚めるとなんだか部屋が臭い。ラベンダ−の消臭剤が混ざってオエっとなってしまった。「なんだよ、寝ウンコかよ」と思ってベッキ−のダンボ−ルを見ると、「おはよう」とつぶらな瞳でしっぽをふる犬の他は何もない。持ち上げてみてみるけど、おねしょでもない。ダンボ−ルの高さは1メートル弱はあったから、まだ2ヶ月ちょいの小犬が出られる高さではない。「じゃあいったいなんだ・・・」と思って部屋を見回してみると・・・

私の机の足元にウンコ

まぎれもなくウンコ

しかも表面は乾いていて、したばかりでもない。
いったいなんでそんな所にあったのか、いまだにだれもわからない・・


■2000/08/16 (水) ちぢれ毛

最近ようやくベッキ−の毛が抜けなくなった。気のせいか、この前海に行ったときに使ったシャンプ−が効いてるような?よく、人間用のものは洗浄力が強いから使うなって言うから、家でも犬用のシャンプーを使っていたんだけど、そのときはたまたまLUSHの黒ビールシャンプーがあったから、
それを使った。LUSHは無添加だし、変なもの使ってないし、まぁ、一回くらい、というつもりで使っんだけど、毛がつやつやになって、変にふわふわしない。しかも毛が抜けなくなった!これはいい。

しかしそれとは別問題で、アンダーコートは(アンダーヘアだと大問題)いつでも抜ける。黒ラブといのも問題。上の毛はまっすぐだからいいんだけど、下の毛がねぇ・・・ちょっと・・・ちぢれて、黒いんだよねぇ。この前なんか学校に白いスカートはいてったら、尻にベッキ−の毛が着いてて、皆の誤解を解くのに大変だったし。こっちがむきになって弁解すればするほど、相手は疑ったり面白がったりするしね。

あと、風呂が問題。家族は皆体洗ってから風呂入ってるはずなんだけど、湯船にアンダー毛が浮いてる・・・なんで?ベッキ−は水に入るのは好きだけど、風呂場はシャンプーされる場所っていうのを認識していて、風呂場には近寄らないから、本犬が毛を振りまいた、ってことはないし・・・人間のかなぁ、と思って見たけどやっぱり犬のだし。犬飼ってる家ってこんなもんなのかねぇ?


■2000/08/17 (木) アンダー毛

ちぢれ毛の続き。
卵がいっぱいあったから、プリンを作った。意外とプリンの作り方って本に載ってないんだね。必死に探したら母親のスクラップにあったよ。
まぁ、今日の問題は作り方じゃなくって

「なんでアンダー毛はあちこち飛んでいるのか?」

ということ。卵を割ればアンダー毛。牛乳をいれてかき混ぜればアンダー毛。
こし機でこしてもアンダー毛。うちに来たお客さんのケツにもアンダー毛。
そしてこのキーボードの上にもアンダー毛。
打っててあきてきたからもう止めるけど、とにかくすごい。
弁当にも入っていたりして、もうすんごい。

特にお客さんに付いちゃうと、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。毎日掃除機かけて、フローリング拭くシートかけて、ジュータンにコロコロかけても、まだこの様だ。
なんか良い方法ないかねー。Tシャツ着せるといいって聞いて、着せたら胸囲が意外とあってムチムチになってしまって以来、服は着せてない。
なんかすごく嫌がってもいた。

服を着せるといえば、靴下。うちは犬が来て以来、極力フローリングの部分を増やしたんだけど、
それが裏目に出た事件だね。穴ぼこが空いてはかなくなったルーズをはかせたら、もこもこするは、でも取るには長いわで、
奉行みたいに靴下の半分くらいを引きずって歩いてたねぇ。
そのうちに、自分ではいてる靴下をふんで、あごからコケた。
「一生怨むわ〜」っていう目でこっちを見てたけど、もうおかしくて誰も助けなかった。

あと、レインコート。
池袋のハンズで、売り場にあった一番大きいサイズを買ったにもかかわらず、胸がこぼれる。いや、はじける?パッチンボタン(正式名称不明)だからよけい。
メスだし、ラブにしては小型なベッキ−だけど、結構たくましくて胸囲というか、肋骨が出てる。
腹も出てんだけどね。そのせいでなんとか家を出るときには着せたものの、途中でプチプチン!とはじけて「腹を汚さない」という当初の目的を果たせない事が多い。
でも、最近はダイエットしてそんなことも減ったけどさ。
犬はいいよね。人間がエサ減らしたらそれ以上は食べないもの。
常に監視されてるから、計画的にやせられてさ・・・


■2000/08/18 (金) ウンコを、素手で。

あー、爪はきちんと切らないと・・・ウンコを拾うときやっちゃったよ。
ブスっとね。
柔らかいウンコしてたから、「掴みにくいなぁ」とは考えてたけど。やっぱり想像通り柔らかくて、うまく取りきれなかった。結果、何度も地面をこする事になって、ブスリ。嫌だねぇ。
昨日に引き続きウンコの話で汚いけど、しょうがない。大好きだもの。


■2000/08/19 (土) ケツ筋

今日の疑問は、「なぜうちの女王は音を立てて屁をこかないのか」
いびきはかく。もう、父親なのかベッキ−なのか、わかんないぐらいにかく。一緒に寝てるから、たまにそのいびきで起きる事もある。寝ぼけてたりすると、下から響いてくるいびきの音に、いったい自分はどこで寝てるのか?とびっくりしたりもする。まぁ、弟が言うには私のいびきも結構なものらしいけど・・・

でも、なぜか屁だけは音を立てないんだよねぇ?それは女の恥じらい?だから、皆が居間にいて、その足元でスかしたりすると「誰だっ!」と大問題になる。もちろん皆自分がやったんじゃない事は知ってるから、必死に否定する。そんな中ベッキ−はその騒ぎに興奮して、さらにすかしっぺをする、という事になる。そこでようやくベッキ−がやったという事が分かるんだけど・・・かなり迷惑。そしてクサイ。

まぁ、人間だって臭い事は臭いけど、犬のはまた格別。臭いといえば、足の裏。
もう家の床なんて、こいつの足の裏の臭いが染み付いてるぐらい。
家中がくさいという訳ではないけど、床に鼻を近づけるとなーんか匂うんだよなぁ。
でも、弟と母親はそんな足の臭いが好きらしい。
この前も弟がベッキ−のあしを掴んで臭いかいでたし。
でもこれって人間にやったら大問題。ベッキ−だって女なのにね。
で、やっぱり「さわんな!」と拒まれて、もう片方の空いた手(前足)でパンチされてた。
あー、題名のケツ筋について書こうと思ったけど、疲れてきたからまた明日にしよう。


■2000/08/20 (日) もうしません、ウルトラの母!!!

昨日の続きでケツ筋について書こうと思ったんだけど、それどころじゃない事件が!!
夏休みに入って、最近は暇を持てあまし気味。当然内なるパワーがこもってきてしまって、朝晩の散歩じゃ解消しきれなくなってくる訳で。今日の昼も昼飯を食べた後、なんか昼寝するにはパワーが余っていたため、「アイスでも食うかー!」と、やたらと気負って立ち上がりいつもなら女王をどかして冷蔵庫のある納戸に行くんだけど、今日に限っては
「とぅおー!!」
と掛け声一発、ウルトラマンっぽく片腕を上げてジャンプ一発!
その場で高く上がったため、「飛距離が出ねぇ!」と叫んだときにはもう着地。

「何っ!」と目を見開いたベッキ−と視線が合う。
その時私の足は彼女の左後ろ足の爪の付け根にあった・・・・
「ギャヒン」と鳴くかと思ったら、コイツ、一言も言わずに興奮したときの恒例の「頭をこすり付けて地団太を踏む」という行為しかしない。(なんだ、平気か。さすがは大型犬)と思ったのも束の間、その地団太を踏む足がビッコを引いている!

「大変だー!」と叫ぶも、妹はりぼん読んでるし、母にいたってはテトリスやってて「うるせー!」と怒られた。オロオロと冷凍庫でアイスノンを探す私。しかし見つからない。仕方なく、目を冷やす液体が入った何かを足に巻き付けて冷やす事にする。
気を紛らわすためにおやつでもあげようと思って、取りに行くとチャッチャッチャッと音がする。
振り替えれば犬。
首を傾げる例のおねだりポーズでこっちを見ている・・・(やっぱり平気なのかな?)と思ったが、コイツは前科があるから油断出来ない事を思い出した。

以前事故にあったときも、平然と歩いていた事があった。
この話はまた今度思い出したときにでもするとして、とにかく油断はできない。しかし、時間の経過と共にビッコも治り、足も熱はもっていない。ほっと一安心。もうこんな馬鹿なことはしないよ・・・とベッキ−をなでても、「うぜぇ。ほっとけ」とパンチをされる。何かこう書いてると犬より下にいるみたいだけど、本当は私に一番なついてるのよ?服従訓練も一応従うし・・・
それはともかく、あれだけの事をされても一言も発しなかった彼女に乾杯。


■2000/08/21 (月) 炭酸はだめらしい。

今日起きて、おそるおそるベッキ−の足を見る。・・・よかったー、何ともないよー!もう、どうなる事かと心配だった。
今日も朝からだらだらしているベッキ−。

妹が合宿行くというので、朝早くから何故か私も起こされた。しょうがないので二度寝をする。そこに、妹に駅までついていった母が帰宅。当然怒られ、仕方なく部屋の掃除を始める事に・・・朝飯が早かったため、小腹が減ったので冷蔵庫を漁るも特につまめそうなものは入っていない。奥の方に「キウイ味の炭酸飲料」があったので、それを飲みながら片づけに入る。しばらくすると誰も相手をしてくれないのですねたベッキ−が部屋に入ってきた。いや、入ってきたというか、共同の部屋だから戻ってきたというのかわからないけど、とにかくやってきた。
興味深げに私の飲んでいるモノを見つめる。
そのペットボトルに全神経を傾ける、そのあまりの真剣さに負けて一口だけエサ用ボールに入れる。

「ぃやった!」とばかりになめ始めるのを見て私は片付けに戻った。ピチャピチャ。と背後でなめる音がするが、直に止んでしまった。ん?もう飲んだのか?と振り向くと、ベッキ−がこっちを見ている。ボールにはまだだいぶ残ったキウイ味が。
「なんだよ、気にせず飲めよ」と言って、また片付けに戻る。すると、ピチャピチャと音が。しかしすぐに止んでしまう。

「いらないなら、最初から飲むなよ」と、少々怒り気味に言うと
「いえ、せっかくいただいたものですし・・・」と、ハの字になった眉毛を作って飲みはじめる。
またもやピチャピチャという音がするが、すぐに止む。
「もうこれからあげないよ」と言うと、
「それも困るわ」といった感じでなめる振りをする。なんてやつだ、という思いと、そこまで演技して飲まなくとも、という思いで、つい爆笑。本人はなんで笑われてるのか分からなくて、必死にこびてくる。なんともかわいい奴だ。しかし、よっぽど炭酸は苦手らしい。舌をつけると、「ぅえー」と舌が伸びる。おもしろいなぁ。


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