演劇の舞台音響
= 2005年 演技教室発表会2 稽古 =

タイトルはなんか本格的だけど、中身は地方小劇団の音響担当者の独り言に近いものです(笑)

 2005年 8月28日、演技教室の稽古に始めてサンプラーのアカイZ4を持ち込んだ。音(サンプル)は「準備編」通りだが、Output(出力ジャック)の設定を変更した。
 実はこのサンプラー、オプションのアナログ・パラレル・アウト・ボード IB-48P を装備すれば標準のL−R出力以外に8つ(ステレオ4組)の出力が得られる。

 「三人姉妹」では、終幕の幕切れ近くから軍楽隊のマーチが聞こえてくる。今回の演出では幕切れはマーチのコーダ(曲の結尾部)で終えたいとのことなので、セリフ・バックで鳴ってたマーチはセリフ終わりでこっそりコーダとクロスフェードさせる。
 そのためにコーダ部分の Output は標準出力ではなく、オプションの1−2に出してやる。

 また、同じ「三人姉妹」で遠くから銃声が聞こえてくる。この音はイリーナの恋人トゥーゼンバフが決闘で殺された銃声だ。わりと重要な音なんで、印象づけるため客席後ろのスピーカから出す。別の小型ミキサーに送るため、オプションの3−4に出すことにした。
 しかし、現場で万一エクストラ・スピーカが使えないことも考慮して標準出力のL−Rにも同時に出している。

拳銃の音のファイル名が「準備編」と異なってるが
気に入らないから作り直したため
 こういう風に、一部の音を標準出力以外から出す場合、通常の音の Output を "MULTI" から "L-R" に変更する必要がある。

 8月28日の「三人姉妹」の稽古は問題なく終了した。「ウィンダミア夫人の扇」は頭と幕切れに同じ音楽と言うことなので、次回の通し稽古の時に音合わせをすることになる。
 まだ台本ももらってない「ヘッダ・ガブラー」がちょっと心配だ。音は5つほどということだが…。

 それにしてもZ4は重い。ラック・ケースに入れて稽古場に持ち込んだが、12Kg ほどもあるんで電車での運搬は楽じゃないや。軽量大容量の BOSS SP-404 なんてのがあることを知るとよけい重く感じるわい。(笑)

 おっと、ついつい書き落とすところだったが、Z4と MPD16 のように MIDI 機器同士をつなぎ合わせるには MIDI コネクタって DIN 5pin コネクタのついた MIDI ケーブルが必要なんだ。

 ケーブルはたぶん電器店には置いてないが、楽器店で売ってる。色や長さは幾つか種類がある。
 MIDI の規格でケーブルの長さは 15m 以内ってなってたはず。だから、それ以上の長さのは売ってない。
 どうしてもそれ以上に延長したいって場合は裏技があるにはあるが、あまりお勧めできない。まあ、おとなしく音響効果の送り出しをやってる分にはやたらと長いのは必要ないと思うけど…

 ケーブルが切れたり接触不良になったりすることがあるんで、拙者はいつもラック・ケースの中に予備の MIDI ケーブルを押し込んでる。ちゃんとセットしたはずなのに音が出ないとか、鳴りっぱなしで止まらないとかって場合はコネクタの接触不良やケーブルの断線も考えられる。

 本番にはつもスペアとしてベーリンガーの UB802 って手持ちの中で一番ちっぽけなミキサーを持ってってる。もしメインのパワード・ミキサーが故障したら、これとスペアのアンプとで音出しするためだ。
 これでも、ステレオ3系統が扱えるのでなんとか音出し出来る。はっきり言って今年になってから関わってる演劇の公演だったらこれで充分なんだ。(笑) 現に「桜の園」の時はこの程度のだった。

 で、今回は銃声を再生する客席後方のエキストラ・スピーカのために、このミキサーを使うつもりでいる。けど、考えてみたらエキストラ・スピーカのコントロールっても音量調節だけなんだよね。だったら、銃声用に別の小型サンプラー SP-303 を使ってやろうかって気にもなってる。

 今回は人手がないことだしするから、手を抜いてスペアのミキサー&アンプなししてやろうか…、なんて。^^;
 けど、事故ってものは手抜きをしたときに限って起きるもんなんだよなぁ。・・どうするかは本番直前に決めよう。

 「たった一発の銃声のために…」なんてこと仰せになるな。芝居の音ってそんなもんだ。
 昔、テレコの不調かなんかで、棚から物が落ちる音が出なかったことがある。芝居の進行に重要な音だ。で、とっさに座ってた椅子を床に叩きつけた。ナマ音だ。(笑) 少しタイミングは遅れたけどなんとかなったぞ。
 それ以来、重要な音は出なかったときの代替手段を考えておくことにしてる。なんだったら運動会用のスタート・ピストルと煙硝を隠し持っておこうかな?音響卓のところでぶっ放すのだ。(^Q~)


芝居の稽古場に持ち込んだ AKAI Z4 サンプラー
銃声はテーブルの下の小型パワード・スピーカから出した
稽古だからとダイレクトに繋いでるが
本番では当然小型ミキサー経由とする

セッティングの時間が充分に取れなかったので線がゴチャゴチャだが
本番ではキッチリとコード類を整理するのが基本だ

パッドの MPD16 は弾力性のあるラック・ケースの上ではなく
机の上に置いた方がよい
どうしてかは、やってみれば判るけどね (笑)



オプションの IB-48P を装備したZ4


こうした機材は通常、ラック・ケースに入れる


MIDI コネクタ(MIDI ケーブル)
MIDI 以前にあった DIN Sync のケーブルが流用出来るように
MIDI もこのコネクタが採用されたんだろう
(MIDI ケーブルは DIN Sync ケーブルに流用出来ない)




BEHRINGER EURORACK UB802 & BOSS SP-303

August, 2005

 演出に音を聞いて貰ったりちょっとした抜き稽古のために AKAI Z4 を持ち歩くのはたいへんなんだよね。
 そこで、サンプルを Roland SP-404 に詰め込んで稽古場に持ち込んだ。台本も一緒にキャリー・ケースに詰め込んでしまったら仕事が出来てしまう。

 で、いっそのこと SP-404 をZ4のバックアップに使おうと思ってる。SP-404 は Output が一つしかないけど、最低限のことは出来るからね。

 8月末に「ヘッダ・ガブラー」の音楽の指示があったんだが、かなり曖昧なんだ。実は、拙者用の台本もまだもらってない。(笑) で、「たぶんこうだろう」って音を作って9月1日に SP-404 を持って行き、OKをもらった。
 「ピアノの低弦の和音が2つほど欲しいんだけど…」って要望だ。「長和音ですか?短和音ですか?」って聞いたら「どっちでも構いません」って答。更に協和音か不協和音かを尋ねるのはヤボなのでやめた。(笑)

 さて、今回はパソコンのソフト・サンプラーを使うつもりはないが、念のため、SE Producer Pro に音の割り付けをしておいた。

 演目は「三人姉妹」「ウィンダミア夫人の扇」「ヘッダ・ガブラー」の3本なので、右のように3段に組んだ。4段目はカーテン・コールの音楽と開演・休憩・終演のアナウンス、それにテスト用の音楽だ。
 開演や休憩のアナウンスは劇に使う音響効果とは別にしている。これは単なる我輩のクセだ。今回は SE Pro の4段目の最後に並べた。

 パソコンに EDIROL UA-25 を繋いで、手持ちの小型パワード・モニタでテストしてみたが、やっぱり SP-404 よりは良い音だ。Z4の方が更に良いみたいな気がするが微妙。差があるとしてもわずかなものだろう。

 Z4を使うのに、なにも SP-404 とパソコンとの2つものバックアップを用意する必要はないだろう。たくさん用意すると、追加・変更があった場合に手直しがたいへんだ。^^;

専用キャリー・ケースに入れた SP-404




ソフト・サンプラー SE Producer Rpo の演技教室用設定パネル

今回は演技教室の発表会ってことからか、2時間ちょっとの公演にしては
音のファイル数が極めて少ない

この程度の設定だと、ファイルさえ揃ってれば
テストも含めてほんの10分ほどで出来てしまう
それにしてもソフト・サンプラーは簡単でいい それが魅力だ

 照明さんがいらしての通し稽古の時に始めて「ヘッダ・ガブラー」の台本をもらって音の確認が出来た。
 「ヘッダ・ガブラー」の演出からは「ここでも和音」と3ヵ所ほど追加注文あり。また、作った和音はもう3度ほど音程を下げた方が良いことも判った。これくらいかな?
 一応、ここまでで音は下記の通りとした。 あと、稽古は残り少ないが、この音で稽古→ゲネ・プロ→本番と行きたい。「三人姉妹」と「ウィンダミア夫人の扇」はこのまんまだろうけど、「ヘッダ・ガブラー」は追加・変更の可能性があるなぁ…。

G7 と SynthChord は予備の音なので番号を振ってない
 ファイル名が元の曲名になってたり芝居の演題や場面の名前になってたりするが、ちゃんと統一した方がいいだろうな。(笑)
 あまりにも有名な曲だと、つい曲名になってしまう ^^;

 また、Z4はファイル名の判定を拡張子まで含めて頭から24文字しかやらないので、こんな長いファイル名はちょっと考え物だ。
 下手をすると「同じファイルが複数ある」ってメッセージが出て、それよりあとのファイル(サンプル)を読み込んでくれなかったりする。
 どうも拙者のやることは中途半端でチャランポランだわい。(笑)

 右は MPD16 用のパッド割り付けリストだ。音(サンプル)数が少ないので、カーテン・コールや開演・休憩・終演アナウンスは BANK B の下段に割り付け、リストも一枚にまとめてしまった。

 我輩は芝居の音響をやる場合、キュー・シートは作らない。全部台本に書いてしまう。それがいいんだか悪いんだか知らないが、昔っからキュー・シートの必要性を感じたことがないんで作らないんだ。
 かなり複雑なのでも、3〜4回も稽古に付き合うとキッカケのセリフや動きも覚えてしまうしね。役者やるときと違って手もとに台本があるってのは心強い。(笑)

 だからってキュー・シートなんて作らなくていいなんて言ってない。拙者だって、いつ何時なんの拍子にキュー・シートの重要性に目覚めるかも知れない。


稽古場から会場へ持ち込む音響機材
乗用車で運ぶってことなので梱包もいい加減だ ^^;
CDデッキとMDデッキもあるが使わないだろう


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左からアカイZ4サンプラー、ベーリンガーのパワードミキサ
それに MIDI パッドの MPD16


照明さんがいらしての通し稽古
この日の音響卓もシンプルなもんだ
本番もほとんどこんなもんの予定






September, 2005


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