演劇の舞台音響
= 2006年 9月Papa I Love U 「パパ、I Love You」 -2- =

タイトルはなんか本格的だけど、中身は地方小劇団の音響担当者の独り言に近いものです(笑)

 音出しは稽古の段階では Roland の SP-404 を使ってたが、キー数の関係からバンク切り替えが煩雑になるので、本番ではやはり2台の機器を使おうということになった。

 まだ舞台の装置図が出来上がってないが、スピーカの配置はおおむね右上のようになるだろうと想定している。
 舞台両脇に 12" のスピーカを2台、舞台奧に 6" のスピーカを2台置く予定だ。

 SEは舞台両脇のメイン・スピーカから出すものと、舞台奧のスピーカから出すのとがある。

 これを出力ポートが1つの機器から送り出すと、ミキサー側で、メインから出すかグループ・アウトなどから出すかを切り換えなければならなくなる。デジミキを使えばシーンで切り換えられるが、それにしてもシーン切り替えの操作が生じることになる。

 で、AKAI Z3 をメインに、Roland SP-404 を舞台奧から出す音専用にする。

 Z4の出力と SP-404 の出力をミキサーの別々の入力に立ち上げ、舞台奧から出す SP-404 の出力はグループ・アウトなどに送ってやればオペレートの手間が省ける。つまりそれだけミスが起こる確率を低くできる。

 AKAI Z4 の詳しい設定方法はこちらに書いてるが、残念ながらこの機種は現在入手が困難らしい。同じようなことは現行品なら同じアカイの MPC-4000 plus でも出来るだろうけど高いなぁ…。
 おっと、今回のような使い方だと別にZ4じゃなくても出来る。SP-404 2台ってのもいいんじゃないかと思う。

 ただ、ドアを叩く音&車のクラクションをオペ君が現場でキーあるいはパッドをひっぱたくことで実現してたりするのでサンプラーなし(MDのみなど)では苦しい。我輩の関係する劇団の音響はいつの間にかサンプラー依存症になってしまった。(笑)

 今回は音数(サンプル数)&バンク切替の関係から今まで使ってきた MIDI パッド MPD16 ではなく、手持ちの EDIROL PCR-M1 って25鍵 MIDI キーボードを使うことにした。MIDI キーボードなら、MIDI パッドと違い、最大で 128 音セットできる。

 この PCR-M1 はベロシティーを OFF に出来ないので、鍵盤を叩く強さで音量が変わってしまう。しかし、設定によりベロシティー感度を調節できるので、それほど支障はなさそうだ。

 右がZ4のサンプル(音)リストだ。頭にアルファベットの記号がついてるが、これは稽古時に SP-404 を使ってたときの名残だ。

 Z4はファイル名の判定を拡張子まで含めて頭から24文字しかやらないようなので、ファイル名の長過ぎに注意。たぶん日本語(2バイト文字)のファイル名もダメだと思う。

 メインの音だけでも25以上ある。これをキーボードの PCR-M1 に割り振らなくてはならない。一幕・二幕と幕ごとに分けるのがオペレートしやすいだろう。
 同じ音を一幕と二幕とに使ってるので、右のリストからはハッキリしないが一幕に割り当てる音が13個、二幕に割り当てる音が19個だ。同じ音を何度か使うのでキッカケの数は更に多くなる。

 PCR-M1 のデフォルトでは一番左のキーが C2(ノート・ナンバー 48)になる。これに一幕の音、13個の音を割り当てると最後が C3(ノート・ナンバー60)になる。
 つまり2幕の音はC#1(ノート・ナンバー61)から割り当てれば2幕の最後の音の終演のアナウンスは G3(ノート・ナンバー79)になる。
 一幕が終わったら [OCTAVE +]キーを押してやればよい。そうすると二幕の開演アナウンスは左から二番目のキー C# に来る。

 とかなんとかのんきに書いてるけど、今後の稽古で音数が増えることは明々白々だ。^^;

  下は SP-404 にセットした舞台奧から聞こえてくる「がしゃん!」とか「どすん!」とか「かんからからから!」とかいう音だ。稽古中に使った SP-404 の [BANK E] の音をそのまま使う。

 こういう乱闘音・騒音は作り込みでもいいんだが、セリフに合わせたり舞台の雰囲気を見ながら出す方がいいので、キーボード(あるいはパッド)に単独の音を割り当てて、オペ君の感性で出せるようにした。



 音はほとんどすべてステレオになってるが、舞台奧から聞こえる乱闘音なんかをステレオにする必要はない。ただ、CD-R に焼く必要がある場合は、44.1KHz, 16bit ステレオにしておくと面倒がない。

 近頃のことだから音はすべてパソコンで作ることになるが、拙者は音ファイルは公演ごとに右のように整理してる。

 [素材]フォルダはナマ録りした音や編集前のMEなど。[remainder]は作ったけど、都合で使わなかったファイルだ。
 また、[本番用]フォルダは音出し機器のバンクあるいはMD一枚ごとにフォルダを用意する。

 どういう方法で整理しようが人の勝手だが、要は作り直しが簡単に出来ることと、ファイルの用意のし忘れがないようにすることが重要だ。

本番でのスピーカ配置は上のようになるだろう


AKAI Z4 サンプラーと MIDI キーボードの EDIROL PCR-M1




AKAI Z4 にセットしたサンプル(音)一覧
Z4で MODE 設定すると、.WAV ファイルに情報が書き込まれる
従ってPC上の元のファイルと同じではなくなるので注意

波止場のモーツァルト」の時は音楽ファイルを 96KHz 24bit で
ナマ録りしたので、それをそのまま使ったが
今回は 44.1KHz 16bit だ。






今回初めて SP-404 を本番で使うことになりそう
おっと、スクール生の発表会では使ったな








サンプラーやMDに入れる音ファイルは
パソコン上で綺麗に整理しておく

YAMAHA MG16/6FX への入出力機器接続図 (破線内は MG16/6FX 内蔵エフェクタ)
← 斜線はステレオ・ラインなど複数のライン
 さてミキサーだが、今回はオペ君と相談の上、グループ・アウト&内蔵エフェクタが使える YAMAHA MG16/6FX を使うことにした。

 前頁に書いた AW2816 でもいいんだけど、すべてのツマミが表に出てるアナログ・ミキサーの方がフレキシブルだろう。
 で、MG16/6FX に上図のように入出力機器を接続する予定だ。MG16/6FX の 入力 1 に繋がってるのは受信機として使うトランシーバだ。

 舞台上で医師ヒューバートが助けを求める声を受ける。この声には安っぽいリバーブ・エコーを内蔵エフェクタで掛ける。

 こんなことをやるのは初めてだが、稽古の段階ではなんとかうまく行ってる。まあ、怖いのはハウリングくらいのもんだ。
 けど、音楽イベントと違って音量も低いから、よほどドジらない限り大丈夫だ。

 さて、

 以下、サンプラー&パソコンの出力は MG16/6FX の入力 9/10、11/12、13/14 に入れる。9/10、11/12 と 13/14、15/16 は入力の仕様がちょっと違うが問題なかろう。

 サンプラーZ4の標準出力(L-R)は素直に MG16/6FX のステレオ・バスに送り、サンプラー SP-404 の出力は グループ・バス 1/2 に送る。

 パソコンは客入れのBGMを担当するが、イザというときはサンプラーの代わりに SE Producer にセットされた音響効果を送り出す。

 我輩はサンプラーなどの出力は MG16/6FX のステレオ入力に割り当るプランを立てたが、オペ君はサンプラーやパソコンの出力をモノラル入力の 3/4、5/6、7/8 に入れるかも知れない。その辺は好みの問題。

 ステレオ信号をステレオ入力に入れるかモノラル入力に入れて左右に振るかは PAN/BAL コントロールの扱いが違うだけだ。
 頻繁に音を左右に移動させる場合はステレオ入力に入れる方が操作が直感的だけど、ちょっと慣れればどちらを使ってもどーってことない。
 あ、もちろんフェーダーを一つ操作するか二つ同時に操作するかの違いもあるけど、これも問題ない。ただし、現場でイコライザを操作しなければならない場合は話は別だ。

 出力側だが、ステレオ・アウト(ST OUT)には YAMAHA P2500S → メイン・スピーカの CSP12。
 GORUP OUT 1/2 は FLYING MOLE DAD-M100 → 舞台奧の CSP6 に繋がってる。
 前述したが MG16/6FX の GOROUP 1/2 にはサンプラー SP-404 の出力(乱闘音)が来てる。

 MG16/6FX はあくまでも簡易ミキサーなのであまりフレキシブルは使い方は出来ないが、今回の公演のような簡単なイベントにならこれで充分だ。

 ミキサーを使いこなすにはバス(BUS)の概念を理解しなければならない。んで、そのミキサーの仕組みを読み解くにはブロック・ダイアグラムが読めなきゃならないんだよね。苦手だなんて言わずにブロック・ダイアグラムを読めるように勉強して欲しい。


 我輩は演劇の音響プランを練る場合、まずスピーカから決める。どこにどんなスピーカをどういう風に置くかだね。それのよりミキサーや音出し機器がだいたい決まってくる。

 ともかく、現場でまごつかないように事前にちゃんとしたプランを立てることが重要だ。スピーカの配置などは音作りの段階から考えておかなければならない。
 そうでないと本番時にとんでもないサーカスやアクロバットをやらなければならなくなったりする。また、機材リストも必ず用意する。

 現場に入ってから急遽変更、なんてこともあり得るが、あらかじめプランがあるのとないのとでは大違いだ。行き当たりばったりはやめよう -> オレ ^^;

 機材で思い出したが、今回はグライコは使わないつもりだ。風月堂ホールは音響特性がいいので、イコライズの必要性を感じない。たぶん、トランシーバのハウリング止めで苦労することもないだろうと思ってる。

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YAMAHA MG16/6FX


このトランシーバの超ミニジャックの出力が
MG16/6FX の1番入力端子に入る予定



YAMAHA MG16/6FX の出力部
MG16 シリーズの場合、AUX1 と AUX2 とを
ポスト・フェーダーの L-R ステレオ・バスとして使えない


MG16/6FX 入力制御部ブロック図
各チャンネルの [ON] スイッチがステレオ・ライン専用の ON/OFF で
このスイッチを切っても GROUP 1-2、GROUP 3-4 のスイッチがONなら
グループ・アウトに信号が流れてしまうのが戸惑う

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