演劇の舞台音響
= 2006年11月 学校公演 「若紫の巻」 - 本番 - =

タイトルはなんか本格的だけど、中身は地方小劇団の音響担当者の独り言に近いものです(笑)

 11月 7日、某学園での公演の仕込だ。今回はエレベータなしの3階の講堂で、しかも音響担当者が我輩一人。

 んで、出来るだけ軽量化するために、前頁に書いたように、ミキサーは YAMAHA の MG10/2、サンプラーは Roland S-P404、メイン・アンプは FLAYING MOLE DAD-M300pro x 2 を使うことにした。

 DAD-M300pro を使ったのが間違いだった。まず、バナナ・チップ対応のターミナルの間隔が 5way binding post のターミナルと異なるのだ!
 そのため、スピーカ・ケーブルのバナナ・プラグ部を破壊しなければならなかった。

 音出しをしてみると、L側(下手側)に使ってるアンプが軽い発振を起こしてる。発振と言うより、入力が入った時に起こる寄生振動(寄生発振)だな。L側のみ猛烈に音質が悪化する。

 平衡/不平衡変換器(ライン・コンバータ)に使ってる Behringer EURORACK UB802 をパスしても、ケーブル類を交換しても、ラインの引き回しを工夫してもダメ。
 しかたなくゲネ・プロはそのまんま突っ走った。

 原因は確かめてないが、長いスピーカ・ケーブルを接続したことによるものか、アンプの故障かのどちらかのようだ。(スピーカ・ケーブルは右図の通り15m)
 ついでに書いておくが、アンプから左右のスピーカへの距離が異なっても、同じ長さのスピーカ・ケーブルを遣うのが常識だ。

 で、本番当日の 11月 8日朝、いつもの YAMAHA P2500S を運び込むハメになってしまった。^^;

 さて、その他の機器だが、音出しは Roland SP-404 サンプラーにした。音質は AKAI Z4 に負けるが、軽量コンパクトで非常に便利なサンプラーだ。
 しかし、パッド(ボタン)の感触が拙者の手に合わない。しっかりと押さないと音が出ないし、下手すると2度押しになったりする。

 稽古中から場当たり&ゲネまでは散々悩まされたが、本番ではなんとか克服した。外部 MIDI キーボードを繋いだ方が良いかも知れない。

 ミキサーもケチって YAMAHA MG10/2 だ。外部エフェクタには AUX を通して送るのだが、SEND ボリュームがヘンなんだね。左へ回すと AUX1 に、右に回すと AUX2 に送られるシカケになってる。

 また、入力の ON/OFF がスイッチないんで、入力を生かしたり殺したりはフェーダーでしか出来ない。

 フェーダーは小型の丸型だが、拙者にはまったく違和感がなかった。台本への目安レベルの書き込みは、いつものデシベル値ではなく、時計の文字盤式に11とか12とか1(時)とかにした。

 スピーカは舞台下にスタンドに載せた ClassicPro CSP12 x 2 のみだ。一部、舞台奧から出したい音もあったが運搬の労力やセッティングの面倒さから諦めた。何しろ今回は一人で何もかもやらなきゃならないから手を抜いてしまった。

 グライコは持って行ったが、使う必要はなかった。確かにいつもの風月堂ホールとは響きが違うが、妙なクセもなかったので使わなかったのだ。

 グライコを使わないんだったらミキサーは MG16/6FX にして、内蔵エフェクタを使った方がセッティングの手間などを考えると楽だったろう。

 霊になって出てくる「夕顔」の声にエフェクトを掛けるため、ワイアレス・マイクを使った。
 受信機は舞台近くに置こうかと思ったが、オペ席で試すと音の途切れもなくまったく問題ないので線の引き回しも面倒だからオペ席に設置した。

 マイクは前頁に書いた超小型の AKG C417L を女優さんの頬にサージカル・テープで貼り付けた。

 ちょうどヘッドセットのマイクのようになり、通常のピン・マイクより口元に近づくのでハウリングの心配も全くなく、音質も良好。これは成功だった。

 心配ないと思ってもハウリング・マージンの確認は必ずしておくこと。ハウリングはPAマン最大の恥と心得るべし。

 一人だけの声をスピーカから出す場合は、何よりも他の俳優の声とのバランスが重要だ。くれぐれも大きすぎないように。

 通常、ワイアレス・マイクの取り付けは、女性が担当するんだが、今回は仕方なく舞監助手の男性にお願いした。

 今回はそこまで管理しきれなかったが、トランスミッターにマイクを取り付けるのは一番最後に、取り外すのは一番最初にしたい。
 そうでないと、思わぬ力が加わって細いマイク・コードが断線しかねない。

 なお、使い終わったワイアレス・マイクは化粧落とし用のアルコールなどで汚れを綺麗に落としておくことを忘れないように。


 今回はオペ席が舞台から25mほどもあったんで、役者の微妙な息遣いが感じられにくく、ちょっと辛かった。しかし、稽古にはフルに付き合ったんで、なんとかカバーできたかな?

 使った機材は下記の通り
  • 音出し1: サンプラー Roland SP-404
  • 音出し2: パソコン(客入れの音楽のみ)
  • ワイアレス・マイク: REXER RZM-417/L 相当品
  • ワイアレス受信機: REXER RZR-810
  • ミキサー: YAMAHA MG10/2
  • エフェクタ: YAMAHA SPX90
  • メイン・アンプ: YAMAHA P2500S
  • スピーカ: ClassicPro CSP12 x 2
 仕込は勢いで出来てしまうが、独りぼっちでの取っ払いはなんとも情けなくうら淋しい…

学校公演 音響接続図


左は上から ワイアレス・マイク、グライコ、エフェクタ
ミキサーは YAMAHA MG10/2、音出しは Roland SP-404
右端は予備の音出し用のパソコン



MG10/2 の AUX SEND LEVEL コントロー



舞台下手(しもて)奧のメイン・アンプ
アンプは本番当日 YAMAHA P2500S に変更
もちろんインターフェースの UB802 も取っ払った




左から DPA 4061BM、DPA 4061FM、REXER LMC-10N/1、AKG C417L
今回はコネクタの関係もあって、一番右の AKG C417L を使った




芝居は授業時間の関係で50分ほどだが
音はキッカケ数にして43だ


November, 2006





・前段と桜の園
・「桜の園」の音
・ 「ホテル・ボルティモア」
・「源氏物語MIX」
・「演技教室 準備編」
・「演技教室 稽古」
・「演技教室 本番」
・「2005年10月公演 1」
・「2005年10月公演 2」
・「2005年10月公演 本番」
・「2006年 4月外部公演」
・「2006年 6月 朗読教室」
・「2006年 7月 波止場のモーツァルト」
・「2006年 7月 スクール発表会
・「2006年 9月Papa I Love U 1」
・「2006年 9月Papa I Love U 2」
・「2006年 9月Papa I Love U 3」
・「2006年11月学校公演 1」
・「2006年11月学校公演本番」
・「2006年11月演技教室」
・「2007年 3月スクール生卒業公演 1」
・「2007年 3月スクール生卒業公演 2」
・「2007年 3月ボランティア公演」
・「2007年 5月 水鏡の女 1」
・「2007年 5月 水鏡の女 2」
・「2007年 6月 スクール発表会」
・「2007年 9月 夜の向日葵」
・「2007年 9月 石山寺 秋月祭」
・「2007年11月 煙が目にしみる」
・「2008年 2月 じゃぱねすく十二夜」
・「2008年 5月 瀬田の鬼」
・「2008年 5月 しんしゃく源氏物語 他」
・「2008年 6月 朗読教室 発表会」
・「2008年 7月 スクール生 発表会」
・サウンドのツールたち
・サウンドのツールたち 2
・サウンドのツールたち 3
・サウンドのツールたち 4
・稽古用音響ツール
・サンプラー考
・音出しアイテム考
・ミキシング・コンソール
・フェード・イン&フェード・アウト
・パワー・アンプ
・8の字巻き
・ダウン・サンプリング


exji1fnd@gmail.com


  戻る
JA3AEB