『Midnight Dejavu 色彩のブルース/EGO-WRAPPIN』

 2001年11月28日に出た、EGO-WRAPPINの『Midnight Dejavu 色彩のブルース』のこと。

 なんでも、昭和歌謡(昭和30年代or1960年代の流行歌)の雰囲気がブームなのだそうで。。。で、どうやらこの曲はその代表でもあるらしいのですが。。。私には「ピン」と来ません。なにしろ、リアルタイムでその頃の曲(いわゆる「流行歌」)を聴いていたみかん星人にとっては、この『色彩のブルース』なんて、ただ新しく新鮮なだけなのですもの。この曲が「Retrospective」だとしたら「キリンジ」だって「キンモクセイ」だって(ちょっと違うけど)「スピッツ」だって「電気グルーブ」だって(笑)レトロだぞ(笑)って感じです。みかん星人のおぢさんに言わせれば、「昭和歌謡」的だったのは、むしろサザンの『HOTEL PACIFIC』だったりするのです(^^;
 ま、そんな事はともかく、この『色彩のブルース』は、まるで演歌のように売れていて(そういう部分は「昭和歌謡」かもしれないけれど)、ともかく麗しい曲です。そう、元々は2000年の秋だったかにインディーズでリリースされた『色彩のブルース』という(収録曲の少ない)アルバムの曲で、それはもっと泥臭く、しかし悪女のように絡みつくような曲でした。(ヴァージンで試聴した時のショックは、今も忘れられない(笑))

 女声のジャズ・ボーカルというと、実は「悪声」が多かったりするのですが、このEGO-WRAPPINの中納良恵さんの声も独特で耳に残りますね。特に高域で伸びる感じは藤圭子さんを思わせたりして(笑)結局やっぱり昭和歌謡?ついでに、宇多田さんの高域も似た感じなので、きっと「癒し音(f/1揺らぎ)」が出るタイプの声なのでしょう。
 耳に残る音といえば、この曲で聞こえる「鈴の音」が、またなんとも好い匂いですね。場末のクラブ辺りで、バーテンが振るシェーカーの音にも似たこの「鈴の音」が、この曲に独特の肌寒さを運んでいるようです。それから、なんといってもサックスですね。。。きっとあまり動かない銅像の様なサックスプレーヤーが、タバコの合間にサックスを吹くような感じでやっている雰囲気。そして、おまけに怠惰な(けれど正確な)ドラム。ハケの様な物(なんて名前の道具なんだろう?)でスネアと戯れている感じがなんとも可愛いに違いないでしょう。

 しかし『EGO-WRAPPIN』という名前はなんともすごい。。。
 「エゴを包んだもの」。。。男女二人のグループで包んだ「エゴ」って、どんなものなのか覗いてみたいような、恐いような。。。曲のタイトルである「Midnight Dejavu」というのは、つい繰り返してしまう恋の始まりの予感なのか、二日酔いへの序曲なのか。。。ともかく、酒と夜と異性が似合う怠惰で麗しい曲です。

 ところで。。。この曲を聴くと、その雰囲気から連想してしまうのですが、、、食事をしながら音楽を聴くスポットってありますよね?ああいう場所での「楽しい過ごし方」って難しいですね(笑)。そもそもは、その音楽が好きで行っているわけですから、ましてアルコールを飲みながら聴くなんてのは楽しいもの。ですが、「食事」となると難しいです。特に食事が美味しくて。しかも音楽が最高だった場合、これはある意味で「拷問」かもしれません。実際、そんな場面は幸いにして(不幸にして?)まだ経験したことがないのですが、例えばこの『色彩のブルース』を生で聴きながら、スペインの赤ワイン「リオハ・レゼルバ」なんかを飲むのは楽しいでしょうけれど、それと一緒に鴨のコンフィなんかが饗されていたら、私は音楽とワインと食事の間で悶絶するかもしれません。
 あ、、、そうだ、、、この音楽には、赤ワインというよりも、バーボンの炭酸割が似合うかもしれないですね。そっか、こういう「音楽とアルコールのマリアージュ」という側面は、面白いかもしれない。

2002・01・31

 というわけで・・・曲に似合うお酒を考えるという不埒なお話。

 この曲のPVは、昔の「キャバレー(『ミカド』とか『ハリウッド』ですね(^^;)」な雰囲気で、そこから考えると、意外にも似合う酒は「ウヰスキーのハイボール」かもしれません。「ハイボール」って言い方が、なんとも昭和レトロでしょ?(笑)
 でも、それだとつまらないから、もう少し掘り下げてみましょう。。。
 「オレンジ色の翳り」、「モノクローム」、ともかく「色彩のブルース」という「色物なかんじ」・・・古いカクテルに「プースカフェ」という、まさに「色彩のカクテル」があるけれど、それは遊び半分のカクテルなので失格。それに強い酒が似合う雰囲気もあるので、あまりロングなカクテルでもだめ。
 とくれば、、、『Between the sheets』など如何だろう。ブランデーにラム酒を加えるという大胆な背骨に、オレンジのリキュールを配してオレンジ色のカクテルに仕上げたこのカクテルは、「寝床で」(をいをい)というタイトルに相応しく甘美で危険です。ベッドのサイドテーブルに置かれた『Between the sheets』は、フット・ライトの僅かな明かりを受けて、モノクロで輪郭がぼやけたベッドの上に横たわる「愛しい生き物」とは別に、「オレンジの翳り」を記憶の中に演出し、妖しい既視感を呼び起こすことでしょう。

 ところで、上の部分に書いておいた『Rioja Reserva』もなかなか似合う1本だと思います。ただし
このワインは少々重いので、本気で酔ってしまいます。酔ったら酔ったで「デジャヴ」にハマれて楽しいかもしれませんが、「そのアトのお楽しみ」を失う可能性も在ります。
 ので、もしワインを選ぶとしたら、イタリアの「Spumante」で赤いものがあるのですが、これなどはかなり甘くセクシーでお薦めです。。。なんで?(笑)  ま、ともかく、お試しあれ。。。相手の「変なスヰッチ」を押してしまうこと、うけあいです。

2002・03・06