第1回 老後に必要なお金はどのくらい?

◆夫婦で現役の7割、ひとりなら現役の半分

「60歳はまだまだ若い、老後だなんてとんでもない!」とおっしゃる方も多いのですが、定年が60歳だとして、それからのセカンドライフの生活費を考えてみましょう。

現在、あなたは、毎月どのくらいの生活費を使っていますか。まずはそこから!

退職したから、さあ、節約!というわけにはいきませんね。生活スタイルは人によって異なるもの。急にレベルを落とすこともできません。しかしながら、リタイア後は、現役世代ほど必要でない費用もあります。セカンドライフの生活費を見積もる場合、夫婦ふたりなら、現役時代の7割を目安にしてみましょう。ひとりになった場合は、現役世代の半分を目安にします。

そうはいっても、平均的にどのくらいの生活費で暮らしているのかは、気になるところ。

金融広報中央委員会の「老後の生活費調査」では、全国平均で、26万円です。また、生命保険文化センターの「老後のゆとりある生活費」についての調査では、最低必要な生活費として、全国平均で約23.5万円、ゆとりある生活のためには約37.3万円必要というデータが出ています。もちろん、これは全国平均で、地域差はありますので、ご参考に。

◆定年時の平均余命で計算する

必要な費用の総額は、1年間の生活費×生きている年数。何年分になるのかは、「平均余命」で考えます。平均余命とは、その年齢からあと何年生きられるかという年数です。

例えば、60歳の夫と55歳の妻。60歳の男性の平均余命は約22年。55歳の女性の平均余命は約32年。このケースでは、妻ひとり期が10年にもなります。

それぞれが平均余命まで生きるとしたら、「ゆとりある生活」では約1億3000万円、「最低限の生活」として計算してみても、約8200万円必要となるのです。年金がどのくらい受けられるか、社会保険事務所等で計算してもらったうえで、計画を立てるといいでしょう。(58歳になれば、社会保険事務所で年金見込み額を計算してくれます。)

ただ、これは「平均的に生きたら」という話。これ以上に長生きすれば、これ以上にお金はかかります。元気なうちはまだいいけれど、病気で入院したり、介護を受けながら長生きすると、もっとお金はかかります。

◆ライフスタイルに合わせてプラスアルファを用意

それにしても、一番大切なことは、セカンドライフをどのようにすごすかということです。退職後に自分で事業を始めたい、ボランティア活動や趣味ですごしたいなど、いろいろありますね。当然、ライフスタイルによって必要な金額もかわります。

そしてもうひとつ大切なことは、通常の生活費の他にも、お金を準備しておくことです。家にかかるお金もそのひとつ。自宅の改修費用が必要になることもありますね。また、セカンドライフを楽しみたい人にとっては、趣味やレジャーの費用も大切です。それから、子どもの結婚資金。親がどのくらい子どもの結婚費用を援助しているかというと、平均200万円以上という調査結果もあります。一番心配なのは、病気になったときや介護が必要になったときのこと。介護保険を利用して施設に入った場合でも、月に5〜7万円は自己負担額しなければなりません。

最低必要な生活費を見積もって、その上で、それぞれの状況に応じて、住宅改修費や子どもの結婚資金、入院などいざというときのための費用など、プラスアルファを考えておきたいものです。