ラジオを作る

はじめに 小学生の頃、初めて買ってもらったラジオがゲルマ・ラジオでした。電池が入っていないのに、イヤホンから聞こえてくるラジオ放送が不思議で不思議でたまりませんでした。「ラジオ小僧」が誕生した瞬間です。「電子工作」と称して、様々な、がらくたを作って遊んでいましたが、お小遣いも続かず、中途半端に終わっていました。 最近になって、これまでにやり残したことを整理する意味で、一からやり直すことにしました。
ラジオの仕組み ラジオは、(1)放送局から出された電波をキャッチし、(2)数ある電波の中から聞きたい放送局の電波を選別し、(3)その電波から音の信号を抽出し、(4)その信号を音波に変換して、私たちの耳に聞こえるようにする仕組みとなっています。

(1)がアンテナ、(2)が同調回路、(3)が検波回路、(4)がイヤホンやスピーカーとなるわけです。

1.ゲルマニュウム・ラジオ

2.HAM Journal102号付録 ゲルマニウムラジオ

3.鉱石ラジオ(Gakken 大人の科学シリーズE「磁界検知式鉱石ラジオ」)

4.鉱石・ダイオード付き ラジオキット(Gakken 大人の科学VOL4)

5.Gakken 大人の科学 Vacuum Tube Radio

6.ストレート式・ラジオ

7.スーパーヘテロダイン受信機

ゲルマニュウム・ラジオ

ゲルマニュウム・ラジオとは、検波器にゲルマニュウムダイオードを使っていることから、その名が付けられました。ラジオの基本形で、電池を使用しません。そのため回路がシンプルで、ラジオの仕組みを理解する上でもっとも適しています。
アンテナに直接ダイオードをつなぐ

アンテナが目的周波数に対して正確に共振していれば、アンテナ自体が同調回路となるはずです。普段使用しているBCL用アンテナ等をつないで実験しました。810KHzのAFNが受信できました。何本かのアンテナを試しましたが、いずれもAFNだけが聞こえるか、TBSが混信しています。これは、AFNやTBSの電波が強力であることから起こる現象で、アンテナだけでは放送局を選別できないことが分かります。

LC並列共振回路をつける

コイルとバリコンで同調回路を製作しました。コイルはサランラップの芯になっている直径約4センチの紙の筒にホルマル線を80回ほど巻き、バリコンは300pF前後のエアーバリコンやポリバリコンを使用して実験しました。いろいろ試しましたが、聞こえるのはやはりAFNとTBSばかりで、どうもうまくいきません。同調回路をどのように作るかによって、中波放送から短波放送、さらには航空管制無線まで受信できるはずです。コイルの大きさや巻き方など、同調回路の製作が今後の課題です。

AM検波回路のバージョンUP

(1)倍電圧検波回路 ダイオードはAM放送の正の信号を検波出力として取り出しています。同調回路からの信号が負のときはD2を通り、C1に電荷が蓄えられ、次に正のときC1にたまった電荷が加わって、D1を通り、出力電圧は2倍になります。これで感度が2倍になるはずです。(2)エンベローブ検波 D1を通った信号は、いったんC2に貯められ、その充放電によって、なめらかな低周波信号になります。

スピーカーを鳴らす

ゲルマ・ラジオは放送局からの微弱な電波をそのまま検波していますので、スピーカーを鳴らすほどの信号は得られません。そこで、クリスタルイヤホンの代わりに、アンプ(低周波増幅器)につなぎスピーカーを鳴らすことができるか実験をしてみました。アンプとスピーカーはパソコンの外付けスピーカー(アンプ内蔵)を使用しました。雑音はあるものの見事にAFNが聞こえます。

ちょっとお洒落なゲルマラジオ

回路をチョコレートが入っていた箱に収めてみました。同調コイルを箱の周り(直径約9センチ)に巻いて、Qの高いコイルとして性能アップを目指しました。2個のコンデンサーと2個のダイオードを使用し、倍電圧検波回路としエンベローブ検波を行っています。

 

ストレート式ラジオ

ストレート方式ラジオとは、ゲルマ・ラジオに「高周波増幅回路」を付加したもので、同調回路によって目的周波数を選別した信号を直接増幅してから、音声信号を取り出します。信号の増幅には、かつて真空管やトランジスターが使われていましたが、最近ではICを使用するのが一般的です。これらの部品を動作させるために電源が必要となります。ストレート方式では、感度が悪く、電波の弱い地域では聞こえないことがあります。逆に電波の強い放送局があると混信し、選択度も悪く、性能がいいラジオとはいえません。しかし、回路がシンプルで分かりやすく、感度調整が不要です。
キット「らじおくん」の製作

電子工作の楽しみの一つに、部品を集めることがあります。しかし、最近ではトランジスターやFETの入手が難しく、部品集めも大変です。手っ取り早くキットの製作を楽しみました。「らじおくん」は、ラジオ用ICとパワーアンプ用ICを使用したストレート方式のAM専用ラジオです。ICを使用しているため、部品数も少なく、製作時間は2時間ほどです。

「らじおくん」の構成

バーアンテナ(コイル)とポリバリコンで同調回路を構成し、ラジオIC「LA1800」で同調回路からの信号を増幅し、音声信号を取り出しています。パワーアンプIC「TA7368P」でスピーカーを鳴らすために音声信号を増幅しています。全体にわたってAFNの混信がひどいですが、バーアンテナの向きをいろいろ変えて、バリコンを回すと、東京で聞こえるローカル局はすべて受信できました。

「らじおくん」の回路図

「らじおくん」で短波放送を受信する

このキットは、AM中波放送専用ラジオですが、同調回路を短波用にすることで、短波放送が受信できるはずです。バーアンテナとバリコンを取り外して、実験をしてみました。自作のコイルとエアーバリコンによるLC共振回路を試しましたが、AFNの混信が気になります。そこで、HAM用のアンテナチューナーを通して、アンテナからの信号を直接ラジオIC「LA1800」につないでみました。アンテナチューナーは、アンテナと無線機のインピータンスの整合性を図る機器として広くアマチュア無線家に使用されていますが、その理屈は共振回路といえます。AFNの信号は見事に消え、ラジオたんぱをはじめ、VOA,BBC、中国国際放送など数多くの海外短波放送が受信できました。ただし、混信がひどく、ストレート方式ラジオの限界かもしれません。また、受信周波数を正確につかめないなど、まだまだ研究の余地があります。

スーパーヘテロダイン受信機

スーパーヘテロダイン受信機は、受信する電波をアンテナから取り入れて、高周波増幅器で増幅ます。その後、周波数混合器(ミキサー)へ局部発信器の出力とともに加えて、中間周波数と呼ばれる一定の周波数に変換して、また増幅します。これを検波器に通して、音声信号を取り出すことになります。現在使用されているラジオや受信機のほとんどすべてがこの方式です。感度がよく、ストレート方式に比べ混信もあまりありません。しかし、多数の部品を使用し、回路が複雑で、コイルなど特殊な部品が必要となります。また、調整箇所が多数あり、正確な調整のためには専門の測定器が必要となります。ラジオの性能は、調整がきちんと取れているかどうかにかかっています。
キット「TS5mt2」の製作

昔なつかしい真空管式ラジオの製作に挑戦しました。「Ts5mt2」は、ポピュラーな2バンド5球スーパーです。回路はそれほど複雑ではなく、ラジオ放送を聴くための必要最低限の構成を持ち合わせています。製作は、プリント基板に部品をはんだ付けするのと異なり、かなり根気のいる作業になりますが、実体配線図を見ながら、丁寧に工作する事で、トランジスター世代の私にも十分に楽しめました。2バンドコイルパックは完成品なので、調整もほとんど必要ありませんでした。中波、短波放送ともに良好に受信でき、特に、管球式のため、音質が最高で、長時間聴いていても疲れず、実用性の高いラジオといえます。