1.はじめに
我が家では、10月上旬から翌年の5月下旬頃まで、室内のワーディアンケースに入れ、最低温度18℃をキープしています。レース越しの日をよく取り、蒸れに注意しています。夏の間は戸外の日陰に置き、風によく当てて、多めの灌水をしています。
胡蝶蘭は、花芽分化の温度が18℃前後と言われていますので管理方法によれば、いつでも咲かせられるはずですが、私の栽培方法では、毎年3月に花を咲かせます。
2.最適今度は20〜30度
洋蘭を栽培するうえで最も重要な条件が温度です。胡蝶蘭は、高温性の植物で、特に冬の低温に注意しなければなりません。東京でも冬の最低気温は、氷点下まで下がりますので、日本の野生蘭のように、一年中戸外で栽培することは不可能です。また、各家庭の住宅事情にもよると思われますが、我が家では、冬の一番寒いときには、室内でも2℃まで下がります。
我が家の胡蝶蘭をよく観察していると、6月上旬から7月中旬(戸外)と10月から12月頃(ワーディアンケース内)までが、もっとも活発に葉や根を伸ばしているのがわかります。つまり、胡蝶蘭には、20℃から30℃くらいが、一番過ごしやすいようです。
私は、真冬の一番寒いときでも、最低温度18℃を維持するようにしています。加温栽培の工夫はこちら
3.高めの湿度管理
胡蝶蘭の原種は、東南アジアの標高2000メートル以上の山地に分布しているとされています。昼間は適度に乾いた状態で、夜間は霧が発生し、湿度がかなり高くなる環境です。ですから、栽培するにあたっても、この環境にできるだけ近づける工夫が必要です。
私、夜に水を与えまたは霧吹きをして、湿度を上げてやります(70〜80%)。冬、めがねが曇るくらいの湿度です。しかし、低温多湿には注意しています。
4.たっぷり乾かし、たっぷり水やり
私は、完全に乾かしてから潅水するようにしています。胡蝶蘭はバルブを持たないため、もう少し早めに潅水したほうがいいのかもしれませんが、以前、根腐れで失敗したことがありますので、どうしても辛目の灌水になってしまいます。
まず指で水苔をさわってみて、パリパリと音がするようだったら水を与えます。少しでも湿り気を感じたらまだ大丈夫。(鉢の中は
まだ濡れています。) 素焼き鉢の場合は、鉢の色も参考になります。完全に乾いていたら、鉢の色はやや白っぽく、少しでも水分が残っていれば赤味をおびています。(私はスリットの入った素焼鉢を使用しています。)
潅水するときは、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり与えます。水苔が完全に乾いているので、バケツにくんだ水の中に浸けることもあります。パリパリに乾かして、たっぷり水を与えるのが良いようです。
5.直射日光はダメ
10月の中旬頃、わずか30分ほど直射日光に当てただけなのに、葉焼けを起こしてしまったことがありました。胡蝶蘭は、直射日光のもとでは育ちません。
私は、戸外では明るい日陰に置き、ワーディアンケースの中ではレースのカーテン越しの日を取って、一年中直射日光に当てないよう注意しています。
胡蝶蘭は、日が嫌いなのかと思うと、そうでもなく、光の方向に向かって葉や花茎を伸ばすところは、他の植物と同じです。でも、光の当たる方向に向かって葉を伸ばして、自分で葉焼けを起こしているのだからよくわからない植物です。
6.肥 料大好き
私は、葉や根の動きを見ながら、成長を続けている時期に与えています。(真冬でも、ワーディアンケースの中で成長を続けているときは肥料を与えます)肥料は、ハイポネックスを1000倍にうすめたものを週一回ぐらいの頻度で与えます。肥料の効果は絶大で、花の数や大きさに大きな影響を与えます。
葉面肥料(霧吹きで同じ液を葉に吹きかける)も効果的で、大きくて丈夫な葉っぱに育ちます。成長が止まっている真夏の間でも、葉面肥料なら大丈夫。油糟の置肥も効果がありますが、水苔を早く劣化させたり、ナメクジがよってきますので、私は使用しません。
7.植え替えは丁寧に
植え込み材料は水苔+素焼き鉢(スリット入り)を使っています。化粧鉢やプラ鉢は、根腐れの心配があり、私は使いません。
水苔が古くなったものや、大きく成長したものは、ワーディアンケースがら出す6月頃に植え替えをします (一度に大きな鉢に植替えず、一回りずつ鉢増ししてやる)。水苔は、古くなると保水力が無くなり、水やりの頻度が多くなって大変です。
(1)
植え替えは、まず、植え替える株にはたっぷり水を含ませておきます。新しい水苔は前日に水洗いをして、水を含ませておきます。ニュージーランド産の輸入された水苔には、消毒がかかっているので、その消毒を洗い流す意味もあります。乾燥水苔は、一晩くらいかけてゆっくり戻します。
(2)腐った部分の根と水苔は取り除きます。
(3)根の周りに水苔を丁寧に巻いて、鉢の中央に株を納めます。出来るだけ硬く植えています。水苔が少ないと、根が鉢から飛び出してきます。特に硬く植えるのは、鉢の上から2,3センチのところで、首もとをしっかり締めます。
(4)根を傷めないように鉢に納めます(ただし、あまり神経質にならなくても大丈夫)。鉢には、1センチ程度のウオータースペースを作って植え込みます。胡蝶蘭やカトレアなどの洋蘭では、富貴蘭のように、山植えしないのが、一般的です。植え替えたら、1週間から10日程度は水をやらないようにします。新しい根を早く出させるためです。
8.あおむしが大好き
軟腐病が大敵です。これは症状が出てからでは遅いので、戸外に出している時期は毎月1回殺菌剤を散布するようにしています。ベンレートやダイセン、トップジンM等、2〜3種類を交互に散布してやるのがいいと思います。私は、夏の間、液体肥料に混ぜて、一緒に散布しています。殺菌剤や殺虫剤は、何種類かを用意しておいて、いろいろブレンドしながら散布しています。
害虫はアオムシ(アゲハチョウの幼虫)、ナメクジ、貝殻虫がつきます。殺虫剤はあまり効きませんのでこまめに取り除いています。
9.二度花を咲かせるのは?
ステムの下から2〜3節を残して切っておくと、その節からもう一度花芽が伸び、もう一度花が咲きます。しかし、2回花を咲かせるという事は、株もそれだけ体力を使うことになり、栽培を楽しむのが主たる目的なら、やめた方がいいと思います。
私もやってみましたが、2回目の花は小さく、数も咲きません。一番問題なのは、それ以降(3年間)花が咲かなくなってしまったことです。
10.花が咲いたら
花が咲いたら、早めに花茎から切り取るようにしています。2,3月ごろの寒い時期に花が咲く場合、切り花にしても、1ヶ月は楽しめます。そのままにしておくと、株は相当のエネルギーを使っていますので、翌年花が咲かなくなってしまいます。これは胡蝶蘭に限らず、すべての蘭にいえることだと思います。
また、種子をつけることにも注意が必要です。種子をつけたら、その後3年間咲かなくなってしまいました。
|