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□震災復興 後藤新平の120日 編 後藤新平研究会 
 2012/1/30

 



関東大震災復興事業の最大の事業は、土地の区画整理である。その区画整理の手法は、当時プロイセン フランクフルト中心に行われていたアジケス法の模倣であったと言われている。
当時大蔵大臣であった井上準之助の「帝国復興秘録」のなかで、「後藤伯は、なかなかの名案を持たれており、相当の研究者でありましたが、今私として伯の長所短所を言わせるならば、どうも十分咀嚼されたことでもう少し研究されたらよかったと思ったのはフランクフルトのアジケス法に類似の案である。」
それまで建築線の規定のみで都市環境をコントロールすることはできず、土地の区画整理を採用することで都市の統合的な計画が可能になった法律である。その後1918年ドイツでは住宅法を公布し、土地の区画整理と用途地域制を導入する。この法の重要なところは、小住宅建造に関する社会政策的な補助で建設促進という方向に統一されたことである。
住宅が営利の対象ではなく、社会政策の対象であることを打ち出したことはヨーロッパの都市政策では最も重要な考えである。都市政策よりもむしろ住宅政策の方を戦前にすでに基調としていた。
日本の震災復興では、同潤会のような住宅政策はほとんど行われず市民のための住宅保障は守られることはなった。
後藤新平は当然、国民の住まいの保障を考えていたと思うが、莫大な予算が区画整理に費やされるのを感じていたため、住環境の整備はとても手が出せなかったと思う。
復興は、国民の自治精神が大切だということを遊説し、困難な区画整理を断行し、また政府主導の復興に水を自ら挿したのである。この自治の精神の延長に、ヨーロッパ型の社会政策としての住宅供給があるのだと思う。現在の東京は、営利としての住宅が中心で、都市環境は劣悪になっていっている。資本主義の盲点である。住宅は、都市を構成する最も重要な要素でもあり、投資としての機能もあり、複雑な経済活動の中に組み込まれてしまっている。

もう一度、ドイツやオランダのような住環境にならないかと祈っていると同時に少しでもよりより住環境にしなければと一設計士としての努力を行っている。

 




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