板額(はんがく)
鎌倉時代の勇婦。越後の豪族城資盛の姨。1201年(建仁1)に資盛が幕府に抗して挙兵したとき、自ら陣頭に立って敢闘した。敗れて捕えられた後には、甲斐の御家人・浅利義遠に請われ、その妻となったという。巴御前と並んでその武勇を知られるが、武勇のみ知られて美女という声がなかったため、後に体格がたくましくて顔の醜い女をあざけっていう語ともされた。
幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべえ)
(1622〜1657)江戸前期の侠客。浅草花川戸に住し、人入稼業を行う傍ら、町奴白束組の首領として活躍した。旗本奴と激しく対立したが、旗本奴大小神祇組の首領水野十郎左衛門の家で殺害された。河竹黙阿弥の「湯殿の長兵衛」では罠と知って水野邸に赴き、袴に酒をこぼされて湯殿で浴衣一枚になったところを槍で襲われて命を落とす。
常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)
平安後期の伝説的人物。源義経の家臣で、元比叡山の僧とも園城寺の僧ともいう。『義経記』によれば弁慶と共に大物の浦で活躍したが、義経の最期には朝から物詣に行ったまま帰らなかったとされ、逃げ上手のイメージがある。その後、東北地方を中心とする民間伝承では、不老長寿を得て残夢あるいは残月と称し、源平の合戦を人々に語り伝えたという。また、古浄瑠璃「海尊」では、神仙力でもって義経の遺児を助け、源実朝を倒そうとしていた。
平手造酒(ひらてみき)
講談、浪曲の「天保水滸伝」に登場する用心棒。千葉道場の高弟であったが生来の酒好きがもとで破門され、田舎周りの剣術指南となる。下総で笹川繁蔵と知り合ってその客分となり、飯岡助五郎一家との大利根河原の決闘で全身に傷を負って死んだという。史実では平田深喜なる浪人で、一説では繁蔵からスパイの嫌疑をかけられて刀を取り上げられ、やむなく長ドスで戦って死んだという。
風魔小太郎(ふうまこたろう)
安土桃山・江戸時代前期の忍者。身の丈七尺を超え、眼は逆しまに裂け、口からは牙が覗いていたという。北条氏に仕え、風魔一族を率いて攪乱戦術や奇襲作戦に活躍した。北条氏の滅亡後は江戸で盗賊団を率いて暴れ回ったが、捕まって処刑されたという。
補陀落渡海(ふだらくとかい) new
観音菩薩のいる南方浄土・補陀落に向かうため、南の海に向けて小舟で出ていくという入定法。熊野の那智の浜から渡海していくことが多く、「平家物語」によれば、平維盛も那智の浜から海に消えたという。
不破伴左衛門(ふわばんざえもん)
歌舞伎等に登場する名古屋山三郎のライバル。歌舞伎『鞘当』では友人である山三郎と遊女葛城を争って山三郎の父を殺し、ために親の仇として山三郎に討たれる。一方、実録『幡随院長兵衛一代記』では問題を起こして主家を離れて江戸で剣術道場を開いており、自分を殺して手柄にしようとした山三郎を吉原で返り討ちにし、また、幡随院長兵衛と決闘の末に親交を結んでいる。そのモデルは豊臣秀次の小姓として寵愛され、秀次切腹の際に殉死した不破万作だという。