主水血笑録

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2003/01/28 (火)

「荒舞 花の小十郎始末」(花家圭太郎 集英社)
 土井大炊頭に招かれて江戸に帰ってきた小十郎。だが江戸は辻斬りや凶暴な押し込みの横行により、騒然としていた。小十郎も着いた晩に辻斬りに出くわし、犯人かと思われた相手に刃を向けてみればそれが夜歩き中の将軍家光。事件に巻き込まれた形となった小十郎は、真犯人を捕らえるべく、牢人に身をやつして探索に乗り出す。姿無き謎の忍びとの対決、宮本武蔵との決闘を経て真相を突き止めた小十郎だが…

 希に見る痛快な作品だった「暴れ影法師」の続編。今回もかぶき者・小十郎の暴れっぷりは健在で、いきなり(知らぬこととはいえ)家光と柳生十兵衛に喧嘩を売ったり、宮本武蔵と十数時間にもおよぶ決闘を演じたりと相変わらずの豪快さ。辻斬り・押し込み事件の黒幕の正体もなかなかに「伝奇」的で言うことなし、としたいところなのですが、正直いささか不満…というよりとまどいがあるのは事実。というのも、前作の基本ストーリーは、幕府のお取りつぶしの矛先を如何に他の藩にそらしていくかという、むしろ企業小説的なものであったのに対して、今作のストーリー・趣向はあまりにも「時代小説的」。確かに、自分の藩を救うために他の藩を蹴落とすという相当に生臭いストーリーに比べれば、今作のような(巻き込まれたとはいえ)世のため人のため小十郎が活躍する方が読んでいて気分もいいし、面白いことは面白いのですが、何となく普通の時代小説になってしまったなあ、という印象も個人的には拭えないのです。
 もちろん、まだまだシリーズ第二作。第一作のイメージをいたずらに引きずるのは厳に慎むべきですし、ここはバラエティに富んだシリーズ展開を楽しむべきなのでしょう。むしろ、ストーリーの構造、物語の趣向に引きずられることなく、どんな世界にあっても小十郎は小十郎というべきキャラ立ちの見事さを素直に讃えるべきかもしれません。いずれにせよ、次の作品を読むのが楽しみです。

母だいぶ治る
 昨日もらった薬が良かったらしく、ほとんど平熱まで下がった様子。まずは一安心。
 しかし今度は私の方にうつっているんじゃないかと個人的に戦々恐々としたり。

復活
 「水滸伝」目当てで「BJ魂」誌を立ち読みしたら、昔大好きだったプロレスギャグ漫画「THE MOMOTAROH」が唐突に復活していて驚き&大喜び。なんというかにわのまこと先生、ここしばらく迷走としかいいようのない状況が続いていたけど、ここで一発盛り返していただきたいなあと切に思います。
 個人的にはモモちんにはもっと劇的な登場をしてもらいたかったけど、復活だけでも御の字です。「同人誌で終わるかと思った」云々の台詞には大笑い。

 あ、肝心の「水滸伝」(北方謙三版のコミック化)は、個人的に好きだった喪門神鮑旭のエピソードで、漫画化されても感動は変わらず。全くの北方版オリジナルエピソードですが、いいものはいい。