産業組織論(一部:火曜2時限、二部:月曜6時限)
講義概略| 「産業組織論」は、現代資本主義社会の市場メカニズムについて研究する学問分野である。すなわち、市場のメカニズムが正しく機能しているかについて分析するものであるから、ミクロ経済学に、あるいは価格理論の応用分野に位置づけられる。 分析方法としては、通常3つの概念が使用される。産業のシェアや企業の市場への参入、ブランドや広告による製品差別化、M&Aによる産業再編成などによっ て規定される「市場構造」、価格や投資の決定などの企業の戦略的行動などを示す「市場行動」、その結果生じる「市場成果」であり、成果として資源の最適配 分がなされるよう市場が機能しているかどうかを判断するものである。 そして3つの概念の相互互関連の中から、市場がうまく機能していなければ「独占禁止法」や「規制緩和」等の産業政策によって、健全な産業組織となるように、すなわち、市場のメカニズムが正しく作用することを目指すものである。 したがって、現在提起されている「規制緩和」の問題や企業間の提携・合併、各産業におけるシェア争い、広告競争、内外価格差など、現代産業の特徴的な市場システムに関わる問題が研究対象となる。 |
講義のねらい| 現代市場経済のメカニズムを産業組織の理論や実態を通じて理解し,ミクロ経済学における価格理論や現実の産業とその変化の状況、市場構造や企業行動との関連で理解を深めるようにする。 現代の資本主義経済のあり方に関連して,規制と規制緩和,独占禁止法など産業政策の重要性を考える。 特にその週の新聞に掲載された合併や統合化など産業組織に関する諸問題を取り上げ、最近の産業再編成や産業構造の変化,情報化社会と現代の市場経済についての理解を深めたい。 |
連絡事項
| 本ページ内容はあくまで学生諸君の学習の手助けをするためのものである。進捗状況や内容は変化することもある。講義内容を優先されたし。 |
講義内容・講義資料
| 回数 | テーマ | 資料 |
| 第1回 | 産業組織論を講義するまえに、産業組織論とは -特徴及び課題 | |
| 第2回 | 産業組織論の概要 -研究対象、基本性格、分析方法・枠組みなど- | |
| 第3回 | 産業と市場、産業構造論と産業組織論との関係 -産業構造の変化と経済発展- | |
| 第4回 | 市場と国家の役割-市場の原理と経済計画- | |
| 第5回 | 産業組織論はどのようにして発展してきたか:考え方の歴史 1.産業組織論の源流、競争についてのモデルと系譜 |
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| 第6回 | 2.産業組織論の新しい展開、伝統的理論体系の確立と発展、新自由主義の台頭 独占規制か自由競争か、複雑系の経済学 | |
| 第7回 | 市場集中について、市場集中の意義、測定方法と実態 -市場集中の決定要因と規模の経済- | |
| 第8回 | ブランド製品がなぜ生まれるのか -製品差別化と競争 : 製品差別化の意義と方法- | |
| 第9回 | 製品差別化の実態、広告・宣伝費の役割 |
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| 第10回 | 競争が行われにくいのはなぜか 参入障壁の形成とその要因 |
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| 第11回 | 市場の成長とプロダクト・ライフサイクル論 |
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| 第12回 | 前半の講義の総括として前期試験を実施 |
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| 第13回 | 前期試験の答案返却と説明、及び、産業再編成と企業の統合化 |
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| 第14回 | 企業の多角化:合併(M&A)、提携、系列化、下請けなど |
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| 第15回 | 産業組織のグローバル化と多国籍企業、市場構造まとめ |
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| 第16回 | 価格設定行動の原理 -新古典派の価格理論と市場の原理- | |
| 第17回 | 企業の相互依存関係とゲーム理論の展開 |
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| 第18回 | 目標利潤率設定 -フルコスト原理と産業組織- | |
| 第19回 | 管理価格:プライス・リーダーシップ -参入阻止価格論、コンテスタビリティ理論 | |
| 第20回 | 投資行動と研究開発(R&A)活動 技術革新、特許制度など |
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| 第21回 | 市場成果の基準と社会的費用 資源配分の効率性(Xー非効率、測定法と実態)利潤の源泉、その他の成果と市場支配力、その実証 | |
| 第22回 | 産業組織政策:規制と規制緩和は何をもたらすか |
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| 第23回 | 独占禁止法、公正取引委員会の役割 |
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| 第24回 | 情報化社会と産業組織の問題点、今後の課題など |
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| 第25回 | 期末試験 |
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| 第26回 | 補講 |
講義の進め方| 理論的な問題と産業の具体的な事例を取り合わせながら講義を進める。可能な限り新しいデータや講義内容についての補助的なプリントを配布して理解を深めるようにしたい。また、今年度はテーマによってはパワーポイントを利用して分かり易いプレゼンテーションを試みたい。 eメールによる質問、ホームページで簡単なレジメ公開などを補助手段として利用し、できるだけ大教室での一方通行の授業を補完できればと考えている。 |
成績評価| 夏休み前の前半試験と学年末試験により成績を評価するが、授業終了前にその日の出席と授業内容の理解を確認するために提出させる小ペーパーも勘案する。 |
受講者に対する要望| 教室における積極的な勉学姿勢を要望する。特に、不明なことや、疑問に対しては積極的に質問してほしい。メールによる質問も歓迎する。 |
テキストおよび資料について| テキストは使用しない。 |