国民健康保険・国民年金の手続き   


 私たち社会保険労務士は、事業主から従業員の社会保険資格取得・喪失に関
する手続きの書類作成や提出代行などを日常的に行っている。ところでこれら
のついでに、国民健康保険の喪失(健康保険資格取得の結果)や国民年金第1
号被保険者の資格喪失(厚生年金資格取得の結果)などの手続きも依頼される
ことが時たまある。

 
 国民年金第1号被保険者の喪失手続きについては、原則市町村役場の窓口で
行うことになっているのだが、市町村役場は受付応対だけで後の処理は社会保
険事務所で行っているのである。ちなみに第1号被保険者の年金手帳再交付申
請(紛失したとき)は、市町村役場での手続きだと年金手帳は後日送付になっ
てしまうが、社会保険事務所の国民年金課で手続きすれば、即再発行して持っ
て帰れるのである。事実ときたま何かの手続きの関連でついでに国民年金第1
号被保険者の年金手帳再発行の手続きを、原則に従い市町村役場に届け出ると
社会保険事務所へ行けば即年金手帳をもらえますなどと誘導する担当官もい
て、それでいて社会保険事務所の国民年金課で年金手帳が即再交付されるから
である。まぁこんな感じなので社会保険労務士が市町村役場で手続きしても委
任状なく職務でできるし、たとえここの担当者がごねられても、こちらは社会
保険事務所に談判すればよいのでさほど不便なことはない。


 しかしこれが国民健康保険になると、同じ役所内のクセに環境が異なってく
るのである。最近某市町村役場で国民健康保険資格喪失届(健康保険被保険者
の被扶養者になったのに伴い)をあわせて依頼され、しかも医療受給者証(老
人保健適用者/原則75歳以上もしくは昭和7年9月30日生まれまでは70
歳以上)所有者だったのと、この某市町村役場では第3者が手続きを行うとき
は本人の委任状が必要となっていたのであった。
 まず医療受給者証の扱いについては依頼主も気にしていたので、某市町村役
場に電話照会してみたところ、担当者がこちらの質問を把握できていないのか
質問に対し満足した応対すらしないので用を足さなかった。さすが頭にきた・
・・。ラチがあかないので県庁の医務国保課の老人保健担当に電話をして、医
療受給者証の扱いについての先の例と同じように質問をしてみたら親切丁寧に
答えていただいたのである。その結果は、市町村役場で医療受給者証異動届書
で保険者変更(今回は国保から政管健保へ)の手続きをするだけで、この届け
用紙だけでできるとのことであった。
 次の第3者による今回の届出だが、これは社会保険労務士は社会保険労務士
法第2条、別表1の25(国民健康保険法) 30(老人保健法)によって某
市町村役場の指定する委任状はなくとも提出代行はできる法的根拠があるから
不要のはずではある。それで先の電話より相当前の日に近くまで行ったついで
に紹介してみると、やはり社会保険労務士でもいります・・・と回答されたの
で、上記の社会保険労務士法の根拠を話してみると窓口氏は奥にいる年配上司
が出てきて相談したところ、資格喪失は委任状なくとも認めましょう、しかし
職務身分証の写しを取らせてくださいということで、こちらもまぁ納得した。
今回は対象ではないが資格取得は本人の委任状(社会保険労務士であっても)
が必要ですと年押された。これには頭にきたけど、事案が発生したときには再
度押し問答しなければならなくなるだろう。社会保険労務士法で認められてい
る訳だからなおさらである。


 少し発展するが、社会保険労務士法詳解(平成16年発行版/厚生労働省監
修 全国社会保険労務士会連合会編)の132頁4行目から7行目の解説文を
抜粋してみると・・・、

 労働者皆保険諸法令の社会保険に関する法律中には、健康保険法、厚生年金
法等のいわゆる被用者保険に関する法律のみならず、国民健康保険法、国民年
金法等の国民一般を対象とした保険に関する法律も含まれている。これは、一
部の小零細企業の従業員が国民健康保険や国民年金の被保険者になっているこ
と、また、社会保険労務士は、被用者のみならず、国民一般の保健に関する事
務についても、取り扱うことが必要であるからである。

と説明されているのである。したがって社会保険労務士は業として上記第3者
の国民健康保険法に関する諸手続は、一般のように資格取得も含めて委任状な
くともできるはずである。




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