世界でのAD有症率、動向
世界的な疫学調査としては、アンケート調査ではあるがISSACの調査が有症率を
反映していると思われる(図4)8)。この調査では膝、肘などの屈側部に反復する
かゆみのある紅斑がこの1年間に生じたものをADと診断している。6〜7歳では全
部で約26万人、90施設で調査が行われ、2%以下のイランから、16%以上の日本、
スウェーデンまでの地域差がみられている。また、13〜14歳では約46万人153施
設での調査が行われ、1%以下のアルバニアから17%以上のナイジェリアまでの地
域差がみられている。全体的には、オーストラリア、北欧で有症率が高く、東
欧、ヨーロッパ中部、アジアで低い傾向にあった。この調査でも以前から指摘さ
れていたように、日本は世界でも有症率の高い国であった。
これらのアトピー性皮膚炎の有症率の経時的増加は日本に特異的なことではな
く、他国でもみられる。Schultz−Larsen9)はデンマークで812組の郵便による双
児調査を行っている。診断方法が不明瞭で、解析方法が難しすぎるが、7歳児で
は1960年初めは2%台であったのが、1975〜1979年には11.5%に増加しているこ
とを報告している。また、Hsiehは健診によって台湾における小中学児童のアト
ピー疾患の頻度を経年的に調査しているが、ADは1974年1.43%、1985年1.23%、
1991年3.84%、1994年5.82%、1996年9.01%に認められたと報告しており、台湾
においてもアトピー皮膚炎の有症率が増加していることがうかがえる10)。
8) Williams H, et al:Worldwide variations in the prevalence of symptoms
of atopic eczema in the international study of asthma and allergies in
childhood. J allergy Clin Immunol 103:125-138, 1999