AYUMI'S エッセイ


現実味は間が作る(1998.12.4)


映画「フーテンの寅さん」シリーズの第1作をテレビで見た。
内容はどのシリーズもそれほど変化はないが、ある場面で、間の重要さを認識
させてくれた役者がいた。
日常生活において、あたしたちは「間」というものを意識して過ごすことはほとん
どない。
それどころか、「間」と言えば間の悪いヤツというように、あまり良い意味に使わ
れる事はないようだ。
ところが演技においてよりリアリティーを出すためには、この「間」ってやつが最
大の武器となるようだ。
その役者のスゴイところは、ストレートにせりふを言うべきところを、一瞬、まさ
に呼吸の一瞬だけの間を置いたところにある。
セリフの内容は覚えていないくらい、ごく普通のものだったが、長すぎもせず、と
いって短くもない、わずかな息をのむ間だけがそこにはあった。
これまで、どんな役者を見てもそれほど感動したことはない。
脚本家のセリフに頷いたとしても、役者の技量に感動することなどなかったあた
しが、役者に対して素直に感動していた。
「間」は人と人とのつきあいも、良いものにも悪いものにも変えてしまう。


AYUMI'S MAIN PAGE