AYUMI'S エッセイ


女の知恵と男の保護欲(1998.12.8)


冷え性というヤツは非常に頑固であたしを困らせる。
冬場の冷え性ならまだ可愛いが、あたしの場合夏でも冷えるというんだから、もし
かすると血行障害といった方が的確なのかもしれない。
外気温25度以上あると正常な温かさを保てる手も、それ以下になると雪女も真っ青
というくらい冷たくなる。
北国に住むモンにとっては、普通に暮らせる日なんてほとんどないに等しい。
昔、「手が冷たい女は心が温かい」なんてセリフがあって
(今じゃ、「手が冷たかりゃ心も冷たい」なんていわれるしね)
手が冷たいことだけが、あたしの取り柄だった。
だって、男の子と手をつないだとき、すんごく冷たいと「あっためて〜」なんて言
えるじゃない。
ポケットなんかに一緒に手を入れて「あったかいね!」なぁ〜んてさぁ。
ちょっぴり青春できるわけよ。
明るい青春がそこにはありました(死語だろうね)。
でもこれって、相当昔からの一般論らしくて、歌舞伎なんかの世界でも名優と呼ば
れる女形(女性になる方ね)は、出の寸前まで氷の入った水に手を浸して、かじか
むくらい手を冷たくするらしい。
そうすると、相手役が「ああ、可哀想に俺が守ってやらなきゃ」とばかりに、立ち
回りも激しくなるんだって。つまり、保護欲を引き出すって訳。
一瞬の気の迷いとはいえ、女のカッコををした男を男が守ってやりたくなるってス
ゴイと思いません?
それでも青春が過ぎ去ってしまうと、大した役目もなくなって、重荷でしかないの
がこの手の冷え。
養命酒でも飲んで元気になるか、旦那の首にでも勝手にくっつけて暖めるしかない
のかしら?
さびしいわぁ。



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