Tanka  

 「間違いのない死者」 ─『短歌朝日』2002年7・8月号

 

崩れ落ちたビルの話を少ししてまた箱詰めの作業に戻る

人を殺める心の固さを思いつつ休憩室に弁当を食う

燃やされる、踏まれる、引きずり降ろされる、振られる、掲げられる 国旗は

「9・11以降」の世界を澱みなく語りつづける画面のおとこ

幾たびも数え直されてひとりひとり間違いのない死者となりゆく