→Tanka
公園にひとり座りていし男 立ち去りにけり 傘を残して かの夜のごとく静かに 雨の降る墨染駅の 自動改札 魚屋の息子なりしが 魚屋のあるじとなりて ふるさとにおり 夕飯の後に手品を見せてくれし 父を思えば かなしかりけり 作業場の床を掃きつつ 塵取りに 今日の心を収めゆくかな わが一度見しことのある ゾウの死を 伝えて小さき夕刊の記事 アルバムを子どもの写真で埋めていく 限りない未来など もうなくて
公園にひとり座りていし男 立ち去りにけり 傘を残して
かの夜のごとく静かに 雨の降る墨染駅の 自動改札
魚屋の息子なりしが 魚屋のあるじとなりて ふるさとにおり
夕飯の後に手品を見せてくれし 父を思えば かなしかりけり
作業場の床を掃きつつ 塵取りに 今日の心を収めゆくかな
わが一度見しことのある ゾウの死を 伝えて小さき夕刊の記事
アルバムを子どもの写真で埋めていく 限りない未来など もうなくて