| ショートコラム:「中小企業とインターネット」 |
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このコラムは、八震会会報(第3号)に寄稿した文章をもとに、ホームページ用に再構成したものです。 情報化はコストがかかるのでわが社には無理と思っている中小企業でも、ほとんどお金をかけずにできる情報化の1つがインターネットの活用です。最近はホームページの開設とその維持にかかわるプロバイダー費用を月に2,000円以内に収めることもできますし、若い世代の社員のなかに見栄えのよいホームページを作成できる人材を探すのはそれほどむずかしいことではありません。 私が今年にはいって、工場見学した京都のA社と情報化対応診断を実施した滋賀のB社はともに社員が30名に満たない中小企業ですが、両者とも自社のホームページをお持ちでした。特にB社の場合は非常に感じのよいホームページを若い社員が作成されていました。日本でも多くの中小企業が(また個人が)ホームページを開く時代になってきているように感じます。 中小企業の情報化への対応のあり方について書いた特集記事『情報革命にどう対応するか』(月刊 中小企業、1996年11月号)の中でも、情報は「収集・整理・保管・加工・分析・活用」に加えて「発信」する時代にはいった、という指摘がありました。情報の「発信」は、情報化を考える上で無視できない一面になってきたわけです。 それでは、中小企業がホームページによる情報発信をどのように活用していくのかということになると、これはなかなかむずかしいものがあります。商業ベースや宣伝として成功した例は良く雑誌などに掲載されていますが、それはあくまでごく少ない例に過ぎないと思っておく方が無難だと私自身は考えています。中小企業がインターネットの活用から簡単に何かメリットを得ようとするなら、情報の収集と活用の方がより実を結びやすいと思います。 しかし、それでもインターネットは大きなマーケティング・チャンスであり、そのチャンスは年々急激な勢いで成長していることに何ら変わりはありません。インターネットでマーケティングに成功しそこからお金を産み出している企業は、実はホームページに多くの人が繰り返し訪れるような魅力的なサイトを提供しています。そこには当然ホームページ作りの努力とノウハウがあり、インターネットでの商売は誰でも真似して簡単に成功できるということではありません。 アメリカでは『Webonomics - Nine essential principles for growing your business on the world wide web』(Evan I. Schwartz著、Broadway books, 1997)というビジネスに成功するためのインターネット・サイト作りの原理を取り上げた本が息の長いベストセラーとなっています。ではその9つの原理とは何なのでしょうか?ここでそれらについて取り上げて1つ1つ説明するつもりはありませんが、魅力ある商店づくりと相通じ合う原理あり、一方で電子の世界にユニークな原理あり、で、大変興味深い内容になっています。 (注)先日、この『Webonomics』の翻訳本が出版されていることを知りました。訳本の題名は『ウェブサイト・ビジネス・マネジメント』です。誰かが興味を持つ本というのは、やはり他の人も同じで、翻訳が出たりするのですね。 電子メールやインターネットに関連した中小企業の取り組みとしてもう1つ非常に面白いと思うのは、中小企業間のネットワーク化への取り組みです。川崎にある中小製造業の若手(2代目、3代目)経営者のグループはグループ内でのミーティングや電子メールを通じて、お互いの情報連絡や相互啓発の機会を持っています。またこのグループは同時に「ものづくり共和国」をインターネット上に建国し、中小製造業に興味を持つ一般の人を含む幅広いコミュニティを築きました。その活動はマスコミで何回も取り上げられ有名になっています。 京都では「機青連」という、これも中小製造業の時代の経営を担う若手メンバーのグループがあり、相互の工場見学会や電子メールによる連絡などの機会を持ちながら技術や経営のレベル向上を図っています。こうした「ものづくり共和国」にしても「機青連」にしても、従来のような仕事を融通し合う企業間ネットワークではないところに特徴があります。参加する企業は基本的には仕事として独立した関係にありながら、うまく電子世界をも利用してネットワーク化のメリットを生み出しています。 これらの例を見てもわかるように、インターネットに代表されるような情報発信とネットワークという要素が今後どのように中小企業にかかわっていくのかは、大いに注目に値するのではないでしょうか。確かなのは、これらはともに中小企業が大企業に対して規模の差に対抗する手段となり得るということだと思います。 |
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