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収穫の悦楽

ノリタケのティーポット

ティーサーバーを割ってしまった。
わたしにとっては別に珍しいことではない。
わたしはよく食器を割る。
ひどい時はひと月に十も割ったことがある。
ちっとも自慢にならない。
うぱ(夫)に言うと、
「また新しいのを買える楽しみが出来ていいじゃないか」となぐさめてくれる。
友達に言うと、「厄を落としてくれてるんじゃないの?」
とこれまたなぐさめてくれる。
気に入ったもの、買ったばかりで使う前に洗っている時に割ったこともある。
そんな時はかなりショックである。

ティーサーバーを割ってから、友人に紅茶を入れる時、急須を使っていた。
これはとても気に入っているもの。
十年以上前に下北沢の陶器屋で無名の若手作家の作品を買い求めた。
友人達も「変わっていてオモシロイね」と珍しがってくれたので、
それもなかなかよかったけれど、やっぱりティーポットが欲しいなと思っていた。
それでちょっと小さめだけれど、気に入ったものを見つけたので買ってしまった。

デパートで食器を探す時は、家具売場を歩いているとお気に入りが見つかったりする。
テーブルやカップボードに気の利いた食器がチョイスされ飾られているからだ。
わたしが見つけたティーポットも、家具売場のテーブルにディスプレーされていたものだった。
食器売り場も回ったが、いまひとつだったので、見つけた時はうれしかった。
2、3人用で小さめだが、大きいものは重いし、
収納時にかさばるのでこのくらいがちょうどいい。
ティーカップをひとつづつ集めているので、ティーポットは白一色のものか
シルバーのものが他のカップと合わせた時にクセがなくてすっきりすると探していた。
これは、白くて蓋のつまみに薔薇の花のつぼみがかたどられている品。
蓋には葉が三枚レリーフされている。
それに茶こしがついているところがいい。
シンプルなのに、可愛らしい。

帰りにドンクのクロワッサンを買った。
甘いカラメルの香りに、
このティーポットで友人たちとテーブルを囲む楽しみを想像し、
足どりは軽かった。


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