このサイトを作るにあたって

小学校6年間で習う教育漢字は全部で1006字です。この1006字をなんとか習得したい、させたいと子どもも教師も真剣に取り組みます。
しかし、現実はせっかく覚えたつもりの字をすっかり忘れてしまっていたり、思ったほどの効果が得られなかったりすることが多いのではないでしょうか。

私達のサークルでは、この漢字の習得を効果的にできないものかと1994年より研究してきました。
その結果、少し見えてきたことや役に立つ漢字関連の情報も得ることができました。私達の得たものが少しでも先生方の漢字指導のヒントになることができたら…との気持ちから本サイトを作ることになりました。

尚、研究の性質上、文献の引用や先行実践の追試が多々あります。出典がわかるものはできる限り載せていたり、ご本人に確認を取ったりしておりますが不明のものもあります。
もし、オリジナルの出典や先行実践者をご存知の方はご一報下さると助かります。


教師へのアンケートの結果から
市内の小学校の先生方に漢字指導のアンケートを取ってみました。(回答数41)
その結果、

・単元に入ってすぐ新出漢字の指導をしている・・・87パーセント
・一字の指導に約3分の時間をかけている。
・毎日、漢字の宿題を出している…87パーセント
・一回の宿題で平均113字ずつ宿題にしている。
と、いうことがわかりました。アンケートに答えてくれた先生方は、みんなこのように漢字指導に力を入れていることが伺えます。


漢字習得は、3年生でつまづく
1998年5月、市内の小学2年生から6年生を対象に漢字の定着率を調べるためのテストを行ってみました。
テストの実施方法は
・前学年までに習った無作為の漢字を一学年につき20問ずつ、テストする。
・したがって2年生は20問、6年生は100問を回答することになる。
・20問ずつ採点し、(一問5点)学年別漢字の定着率を調べる。

その結果、2年生から6年生とも1、2年生で習った漢字の正答率は読み、書きとも80〜90パーセント以上なのに、3年生の問題になったとたん読みは70〜80パーセント、書きにいたっては40〜50パーセントと正答率ががくんと下がってしまうことがわかりました。この結果は漢字の定着率の結果ともいえます。

部会内での分析
どうしてこういう結果になるのか部会のメンバーで分析してみました。

・3年生になって画数の多い新出漢字が増える。
・1.2年生では「兄弟」「学校」「教室」「火曜日」など学校生活や日常生活に密着した文字が多いのに対し、3年生では「湖」、「炭」など日頃あまり使わない字が増える。
 また、3年生では「安心」「世界」「幸福」など抽象的、観念的な思考に使う文字が多くなる。「具体的思考」から「抽象的思考」に移る際のいわゆる「9歳の壁」が漢字習得への「壁」になっているのかもしれない。
・3年生の新出漢字は、象形文字、指事文字が減り、変わって会意文字、形声文字が増える。
・3年生の国語の時間は2年生より35時間減る。新出漢字は40字増える。新出漢字1字あたりの指導にかける時間が取りにくくなる。
・算数、社会、理科等他教科の単元数が増え、子どもも教師も漢字にじっくり取り組む時間がなく未習熟のまま、進級しているのではないか。
・教師、親の意識が低学年の頃より変化し、家庭学習などに目をかけてやることが減ったのかもしれない。

そこで・・・
これらの分析を踏まえ、次のような研究テーマを立ててみました。

楽しみながら効果的に漢字を習得させるための工夫はどうあればよいか

研究仮説をいくつか考えてみました。
・漢字の成り立ち、部首の意味など興味深いものを低学年の頃から教え、漢字に興味を持たせる。(例:「鳩」の「九」は鳩の鳴き声からきている…など)
・形声文字、会意文字の成り立ちのきまり(「意味記号」と「音記号」、「基本漢字による合わせ漢字」など)を理解させ、未学習の漢字であっても意味や読みをある程度推量できる力をつけてやる。
・国語の時間に限らずすきま時間、学級活動の時間を利用し、、漢字ゲームや漢字クイズ、漢字カルタなどを取り入れ、漢字に親しませる土壌作りをする。(とくに中学年はゲームやクイズを喜ぶ。漢字指導に十分時間が取れない分をこれらの活動で補っていけるのではないか。)
・学年が進むにつれ漢字練習に時間が取りにくくなる。新出漢字を生活の中で使っていける工夫をしたり、子ども同士が調べてきて発表し合うなど自学、自習の力もつけていくとよい。

仮説に基づいて私たちが、集めた色々な情報を「メニュー」の中にまとめてみました。
漢字指導でお悩みの先生方に、少しでもお役に立てたら幸いです。

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