ホテルに泊まらない旅行の場合、どこから通信するかが問題となりますが、公衆電話から通信出来ればその問題は解決出来ます。最近はどこの国でも携帯電話が急速に普及してきて、公衆電話は減る傾向にはありますが、現時点では公衆電話もまだなんとか存在しています。
公衆電話からの通信にはモデム以外にカプラーという機器が必要です。これは電話機の受話器の形をしたもので、電話機の受話器と音響的に結合し(向かい合わせてマジックテープで縛る)、これにモデムの出力を接続して使用します。現在ROAD WARRIOR JAPANのテレカプラーIIプラスというのが入手しやすそうです。
外国(わたしの経験は西欧諸国のみですが)の公衆電話はコイン式が減って来て、カードしか使えないものが多くなっています。各国毎にテレホンカードを買って使うのが簡単だと思います。最近はクレジットカードも使えますが、たぶん1通話が相当高いのではないかと思います。テレホンカードはだいたいの国では日本みたいに、差し込めば使えます。
北米だけは特別で、旧式の公衆電話でも使えるように非常に手間のかかるシステムになっています。まずテレホンカードの会社のフリーダイヤルに電話し、そこから音声案内に従ってテレホンカードのカード番号などを手動で入力して使うようになっています。カードスロットのある公衆電話もありますが、これも自動的にフリーダイヤルに電話してくれるだけで、そこから以降の手間は同じです。公衆電話からの通信の経験が少ない場合、とりあえず『北米ではテレホンカードは使えない』くらいに考えておくしか無いと思います。それくらい面倒で手間がかかります。
使い方
(1) 機器の接続
接続はカプラーのマニュアルに書いてある通りですが、公衆電話はあまり長い間受話器をはずしていると電話をかけられなくなるので、ダイヤルする前に一度オンフックして初期状態に戻してからテレホンカードを入れ、ダイヤルするようにします。
(2) パソコンの設定
通信速度は28.8kbpsまで対応していると思いますが、もう少し下げておくと安定して使えます。v90のままだとネゴシエーションに時間がかかるので、モデム設定の中に初期化コマンドを入れる場所があれば、"+MS=10"と入れておきます。(モデムにこのコマンドが存在する場合ですが)これによりネゴシエーション時間の短縮と通信速度の制限が出来ます。v32bisでの接続になり、最高14.4kbpsです。(ホテルからの接続時にはこれをはずしておかないと遅いです)
(3)手動ダイヤル
使い方ですが、一応オートダイヤルも出来るようにはなっているのですが、わたしが使った限りでは日本でも相当レベルを上げないとうまく行きませんし、外国の公衆電話ではオートダイヤルで繋がった経験はありません。と言う事で、パソコンの設定はオートダイヤルのままで使いますが、タイミングを合わせて自分で公衆電話のボタンを押して電話をかける必要があります。タイミングはパソコンがダイヤルするのと同時くらいか、ちょっと遅い程度で手動で電話をかけます。あまり早く手動で電話をかけるとネゴシエーションがうまくいかない可能性があります。
(4)アクセスポイント
各プロバイダのローミングアクセスポイントはどこの国でもあるんじゃないかと思いますが、アクセスポイントによっては公衆電話からはかけられない番号もあるようなので注意が必要です。そういうアクセスポイントは、電話番号で見分ける事が出来る場合もあります。その国の中の普通の電話番号と桁数が違ったりする場合はだめな事が多いです。市外局番、電話番号共に普通の桁数であれば通常OKです。
(5)北米でのテレホンカードの使い方
大変面倒なのですが、一応使い方を書いておきます。テレホンカードの会社によって少し使い方が異なるかもしれませんが、例えばTELUSと言うテレホンカードにはPIN NUMBERというカード番号と暗証番号を兼ねたような番号が付いています。この番号は隠されているので、購入後に削って番号を見ます。この番号のみが重要で、これを他人に見られてしまうと、カード本体が手元にあったとしても他人に使われてしまいます。使い方は、(a)受話器とカプラーをマジックテープで結合した後、受話口を少しずらして聞こえるようにしておきます。(b)カードに表示されているフリーダイヤルに電話します。カード式電話の場合はカードを挿してすぐ抜けば、自動的に電話してくれます。(c)受話口からの案内に従って、案内言語を選択、(d)選択した言語の案内に従って、PIN NUMBERとアクセスポイントの電話番号を入力します。(e)ずらした受話口を元に戻し、パソコンからの接続を起動しますが、このあたりの、アクセスポイントの電話番号を入力するタイミング、結合を元に戻すタイミング、パソコンの通信を起動するタイミングは、「適当なタイミングで」としか言えません。ちなみにこのカードはTELUS Prepaid Long Distance Cardと言う名前で、その名の通り、アクセスポイントの電話番号には市外局番も付けて使います。市外局番の前に長距離識別番号も必要。(このカードでは1)
北米のごく一部の公衆電話にはモジュラージャックの付いている機種もありますが、上記のように色んな入力やタイミングがあるので、わたしが試した範囲ではうまく接続出来ませんでした。北米のプロバイダのフリーダイヤル系のアクセスポイントへの接続の為のモジュラージャックではないかと想像しています。