自転車は化石燃料を使わずに済む、最も安価な”旅”の移動手段です。ついでに体も鍛えられ、肥満防止にもなるし、低速な移動手段でしか見えない物も色々見えます。より低速なものとして”歩き”もありますが、運べる荷物量や移動距離の点で自転車の方が適度に簡単です。より大きな困難を求める手段としては”リヤカー”もありますが、これは冒険家の領域となります。自転車の場合は年配の人でも可能な一般的な移動手段です。
今まで色々な旅行をしてきましたが、段々、『移動速度が低速になればなるほど、宿に使う費用が安ければ安いほど、旅はおもしろくなる』というような考えになってきました。例えばモーターキャンプで、照明器具を持ち、テレビを持ち、冷蔵庫、冷暖房、ベッド、と、より快適さを追求する傾向がありますが、それを究極まで突き詰めれば、「キャンプに来ずに家に居なさい」となります。”旅”で高級ホテルに泊まれば、外界から遮断され非常に快適ではありますが、それは『自然や人とのふれあいの機会からも遮断してくれる』ということと同じ意味でもあります。
で、なぜ海外かというと、『日本の交通環境が劣悪である』ということによります。日本の道路は自転車が使うようには作られていません。淡路島から四国に自転車で渡る手段はありませんし(輪行してバスに乗れば別、渡る手段が無いのに怒った外人サイクリストが自転車で高速道路の大鳴門橋に侵入した事もあったようです)、唯一、自転車を意識して作られたしまなみ海道でさえも、広島側の歩道の段差や傾斜はとても自転車が走るように作られているとは思えません。実際にしまなみ海道の広島県側で目撃したことですが、うばぐるまを押した歩くのがやっとのおばあさんや、自転車に乗った危なっかしいおじいさんも、歩道を避けて交通量の多い車道を行く、という状況でした。一般道でのドライバーのマナーは最悪で、『自転車の横ぎりぎりを減速せずにトラックが追い抜いていく』、というのは日本ではごくありふれた光景です。
西欧諸国では、一般的に言って、わりと自転車を尊重してくれます。もちろん全てのところでそうというわけではなく、特に都市部などでは危ないドライバーも結構いますが、基本的には『ある程度の間隔を開けて追い抜く』とか、『抜けない場合には減速してしばらく後ろを走る』、なども多いです。もしかすると、『事故を起こした時の賠償金が高いので注意している』とかもあるかも知れませんが、なんにしろ日本よりは相当快適なところが多いです。使いやすい自転車道が整備されている場所もそこそこありますし。
一度など、ニュージーランドで追い抜いて行った車ですが、反対車線を越え、反対側の路肩に片方のタイヤを突っ込んで、砂煙を上げて抜いて行きました。「そこまでしてくれなくてもいいんだけどなー、返って土ぼこりが煙たいし。」まあこれは単に運転がへただっただけでしょうが、ちょっとした笑い話です。
カナダだと一車線分の舗装された路肩がある道路も多く、その場合その路肩は自転車専用みたいに使えます。(法的には日本と同じく自転車は、車用の車線の端を走ることにはなっているのですが、自転車の路肩走行は問題なさそうです。)このたっぷりした路肩があれば、時速100km/hの車に追い抜かれてもそう怖くはありません。オランダには100%自転車道があります。ドイツにもそこそこあります。
これに加えて、西欧諸国ではキャンプ場が充実しているので、『自転車+キャンプ』がおすすめ、というわけです。でもまあ外で行動するわけですから、当然ある程度の危険は存在します。行く時は自己責任でお願いします。おすすめはするけど責任は持てませんのであしからず。(もっと詳しい海外情報など必要でしたらメールしてみて下さい。返事出来ることがあるかも知れません。って、メールアドレス何処?)
ちなみに、自転車での歩道走行についてですが、日本でも無条件に認められているわけではありません。基本は『車道の左側走行』で、『自転車歩道通行可』の場所のみ歩道を走行出来るということです。海外でも同じような感じですが、『自転車歩道通行可』の無い場所での歩道走行は白い目で見られる事もあるので注意が必要です。確かスイスでは『子供とお年よりのみ自転車で歩道走行可』だったと思います。日本の感覚で歩道を走りまくらないように。一方、ドイツで自転車道が併設されている道路の車道部分を走行していたら、「自転車道を走れ」という声が飛んで来たこともありました。