My mind
日々の徒然、或いは呟き。或いは...


1999/9/9
 
不思議な数字....。
今朝起きて、一番最初に見たカレンダーは
なんだか可笑しなニュアンスだった。
今日だ。今日しかない。
何故かそう思ってこのコーナーを作ろうと思った。
 まだ真っ白なページ。
来てもつまらないかもしれないページ。
でも私の為だけの言葉が
綴られていくページ。
いつもこんな調子だとは限らない。
今日はちょっと気取ってみた。
宜しくmy mind
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1999/9/11

目にあざやかなオレンジ色。
私の目にとまったのは一本の傘だった。
私専用の傘は家に二本ほどある。
一本は好きなキャラクターのついた傘。
もう15年も前に買った物だ。
そしてもう一本は友人Tから誕生日に貰ったもの。
柄の部分がまるで猫のしっぽのように
くるくる渦を巻いている。
それぞれに個性的な私のお気に入り達。
けれども一本は恥ずかしいくらい汚れて、
そしてもう一本は壊れてしまった。
秋の長雨に傘は必需品である。
そんな時、その鮮やかなオレンジ色がふいに目に飛び込んで来た。
雨の日は気持ちがしずむ。
せめて鮮やかな色の傘をさして
軽やかな気持ちで歩きたい。
今日、我が家に新しい傘が一本増えた。
気が付くと、ウキウキと雨を待っている自分がいた。

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1999/9/13

久々に友人Tから電話があった。
開口一番
「いや、うつって無いなかなと思って」
何のことかと思った。
友人Tは今妊娠している。
私と同じ年なのにお腹の子供を入れると、もう三児の母だ。
実は彼女の兄嫁が、彼女と何日も違わぬ予定日で妊娠したらしいと言う。
「私の妊娠は人にうつるらしいのよ。この前会ったからうつってないかと思って」
兄嫁の妊娠が分かったのは、彼女と会って間もなくだったのだと
なかなか真剣そうに言う。
妊娠の伝染病なんて私は聞いたこともない。
-幸せな伝染病-
彼女の話すアルトな声を聞きながら
そんな病にならなら、一度はかかってみてもいいかと
私は思った。

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1999/9/17

夏ももう終わりだと言うのに
私はウインドベルを買った。
水を蒔いたばかりの気持ちの良い園芸センター。
ふいに旋律のない音楽のような響きに誘われた。
見渡すと、その音の主は、店の隅っこの方で微かに微かに揺れていた。
細長い一本の枝に、沢山のテラコッタで造った葉っぱがピアノ線で吊るされいる。
それが風をはらむ度、カラコロと素朴な音を立てていた。
いつか見たテレビで日本の風鈴をアメリカの砂漠で聞くと言うのを見た。
広大な砂漠に鳴る微かな響きが胸に深く残ったのを覚えている。
熱く乾いた大地に響いていた涼し気な音.....
我が家の窓辺にあの熱い砂漠の音を聞いた。

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1999/10/13


近頃ぶらぶらと街を歩くと金木犀の香りが漂って来る。
ああ、もう秋だなぁ...。
金木犀は秋の訪れと、昔の思い出をいつも私に連れて来る。
祖母と母と私で暮らした懐かしい土壁の家。
その家には小さな庭があった。
小さいけれども木々が鬱蒼と茂り、
苔むした庭石がなんとも風情のある庭だった。
タイザンボク、コブシ、アオキ、モミジ、イチジク、クコ、ウメ....
その他季節の木々がいつも風に揺れていた。
その中でも一番のお気に入りが金木犀だった。
ある朝ふっと香る金木犀は私に秋を告げた。
芸者だった祖母の持っていた扇子も秋になるとなぜか
金木犀が香っていた。

今はもう、あの懐かしい家は無く、新しい家が建ち、祖母もとうに亡くなった。
秋の街にあの甘くせつない香りを見つける度、
土壁の家と、苔むした庭。そして祖母の事を思い出す。
それは年を重ねるたびに、ますます鮮明になって行く。

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         西