遥かなる想い(オークス)

恵比寿からそう遠く離れていない彼女のマンションへ2人は入った。
「結構きれいなとこに住んでるな」
そう言うと田島は彼女の肩を引き寄せた。
「待って・・・シャワーを浴びたいわ。。」
「一緒にはいろう」
「恥ずかしい・・・」
そう言って頬を赤らめた。

バスルームで服を脱ぎ捨てると着やせするタイプか弾むような肢体があらわになった。
引き締まったウエストに突き出た乳房がより魅力的に見えた。
田島は後ろからやさしく抱きしめ手にすっぽリ収まるバストを揉みしごく。
ブラジャーを剥がし、パンストを引き下げた時
「ちゃんと別れてくれるよね。約束して・・・・」
彼女がそう言った。
「ああ・・・」
めんどくさそうに答える田島。
「じゃあ契約書にサインしてね」
「シャワーを浴びたらな」
「いや、ちゃんとしてくれないと不安なの。あなたとこうなることに・・・・」
やはり彼女はマジモード全開だった。
「わかったよ。先にシャワー浴びてきなよ。それまにでサインしておくよ」
遊びのつもりの田島は当惑した。長瀬と別れてこの女と付き合うつもりは毛頭ない。

彼女がシャワーを浴びている鋤にマンションを逃げ出した。
「急用ができた」と一言メモを残して・・・・

そのまま自宅に帰るもの面倒なので、会社に向かった。
守衛に身分証明書を見せて中に入る。宿直ルームでは暇な文屋が麻雀をやっていた。
「どうした?田島。女に振られたような顔して」
「・・・・・・・・」
「なんだ図星か?!」
そう編集長が言った。
「俺の変りに入れや」
「気分じゃないんで・・・」
そう言って、ウィスキーのボトルを取り出す。
失うものは無いと思っていたけど、長瀬を失うとなるとやはりショックだ。
ためしに携帯やメールを送ったが使われていませんと帰ってきた。
田島はグラスの氷がカタリと鳴った音にも気が付かず、眠りに就いていた。

次の日長瀬の担当から外されたと知った長瀬は、やけくそ気味に団子を打った。
団子打ちの宿命とも言える。的中率、回収率。これの絶対神が存在する以上
競馬はどんな方法でも当てたものの勝ちなのだ。
田島の◎はマイネヌーヴェル。2000m以上で負けなしの馬だ。
相手は当然アドマイヤグルーヴ。この単勝1.5倍の馬を対抗に落とした田島の
心理はどんなものなのか?叶わぬ恋に立ち向かう気持ちなのか?
それは本人にしかわからないこと。


JackPotでは、桜、皐月と連勝しついでに天皇賞でも儲けたコウシャクが
絶好調モード。
「武が本気になりゃ、オークスなんて楽勝よ。エリカ賞や若葉Sのような競馬をすればいい
だけた。枠もいい枠だ。これなら先団につけられる。あとは馬の調子だけ」
「そうですよ。そろそろ武の勝利もみたいですしね」
そう健も後押しする。
「いずれにしても1強じゃあまりつかないな」
そう黒川。
「相手はスティルインラブとタイムウィルテル、それからマイネヌーベル、シンコールビーあたりだな」
そうコウシャク。
「ピースは乗り込み十分で勝負がかってるみたですよ」
健が聞く。
「骨折明けの馬にこの時期の2400mはキツイ。ここは走らせるだけで十分だ。」
「じゃあメモリーキアヌは?」
「この馬も人気してるし、タイム、上がりともに素晴らしい。だがこの時期の牝馬は力より調子
なのさ。中2週で2400mを走ることがどんだけ大変か?しかも関西馬なので短い間に2度の長距離
輸送だ。馬体重が落ちていたら楽勝で切りだ。それにスイトピー組は今まで来たことがない。」
饒舌が続く。
「穴はなに?」
そう健。
「案外桜花賞組のオースミやヤマカツかも知れんぞ。マイネサマンサがいないのが残念だが・・」
コウシャクの独断場となり、賭けに負け続けているだけに他の3人は何も言えない。
もう夜も更ける。高橋は何か言うことはないのか?
「・・・・ハルカちゃんがいいな・・・・でへ・・・」
一同あぜん・・・・
「高橋さんどうしたの???」
心配する健。
「どうやら、恋わずらいみたいやな」
冷静に黒川。注目がコウシャクから高橋に変わって、高橋が4月の人事異動で住民課に来た
大隅遥って女の子の話を熱く語りだした頃には、すっかり競馬の話も姿を潜め泥酔し始める
仲間たちであった・・・。さて結果はいかに・・・