コウシャクの意地(桜花賞

今まであまり女に入れ込んだ事のないコウシャクは、毎日の美咲の
太陽に酔いしれていた。とりわけ仕事から戻った美咲は酔いも手伝ってか
色っぽく、コウシャクを虜にした。
ここ1ケ月あまりで変化したことと言えばコウシャクの馬券に切れがなくなった
こと。はっきり言えば当たらなくなったことだ。それに反比例するかのように、
美咲の身体は色香を増した。18歳から22歳にかけて女のホルモン分泌が多感に
なる歳に毎日性器を刺激していれば、そこが発達するのは科学でも証明されているごとくに、
美咲の胸と尻が発達した。とは言ってもけして太ったわけではなくウエストや太ももは従来のままだ。

JACKPOTでいつものように飲んでいると健がこう言った。
「もうコウシャクさんはコウシャクでないよ」
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一同あっけにとられたが、黒川が笑って
「まあ女にうつつを抜かしている内は馬券も当たらんな」
というと
「以前とは明らかに違うな・・・なんか守りに入っているような感じですね。」
と高橋も続く。
「ぶっちゃけもうコウシャクさんのコウシャクはいいって感じ」
そう健が息巻く。
「この間の高松宮記念だって、ショウナンカンプから流して沈没だってさ〜。
外れてもあの講釈がよかったのになあ・・・」
コウシャクは終わったそんな言い方をする健に
「まあコウシャクさんも幸せなんだから、いいんじゃないの?
ひがまない。ひがまない。」
そう言って美和が健にビールをついだ。
「ひがんでなんかないやい!」
その言い方がまたひがんでるようで、笑いが起きた。
「じゃあ、コウシャク呼んで久しぶりに後先やるか?」
そう黒川がにやりと笑って言う。
「じゃあ田島さんも呼びましょうよ」
高橋も乗り気だ。それぞれに電話をする。

その頃コウシャクは、珍しく休みの美和とのんびり過ごしていた。
突然の携帯のベルにあまり言い気持ちはしなかった。
「なんだ、健かどうしたんだ?」
「コウシャクさん。今皆で飲んでるだけど、後先やらないかって?黒川さんが・・」
「後先?電話でもいいのか?」
「いや久しぶりに皆で飲みましょうよ。田島さんも来るし・・・」
「今日はちょっとな・・・。でも田島さんには会いたいな。
しばらく会っていないしな。」
「コウシャクさんは終わったってみんなで話してたんですよ」
「え!俺が終わったって?誰がそんなことを・・・」
「みんなですよ。だったらコウシャクさん。勝負して証明してみたらどう?」
そう健は挑発する。一瞬カっとなり、美咲がいることも忘れ、
「わかった直ぐに行く!待ってろ!!」
そう言って携帯を切った。
「どうしたの?急用?」
そう美咲が心配する。
「うん。ちょっとな・・。」
「出かけるの?」
「ちょっと出てくる。。。」
「今日はずっと一緒じゃなかったの?女?」
「何言ってるんだ。男の友達だ。」
「なんだか。あやしいな・・・」
「だったら、お前も来るか?むさい男の競馬談義だ」
「コウちゃん居なくなると寂しいから、私も行く!」
行かないと言うと思ったら、美咲が来ると言う。
コウシャクの読みも外れ今更引けなくなった。

JackPotのドアを開けると羨望の視線を一斉に受けた。
コウシャクが女を連れてきたことに、ビックリすると同時に、
若いピチピチとした弾むような肉体とスタイルのよさに視線が釘付けになった。
その視線の中に嫉妬めいた眼差しが含まれていたことに美咲は肌で感じ取った。
「コウシャクさんこちらは?」
美和が川を切った。
コウシャクが美咲をみんなに紹介し、みんなを美和に紹介した。
「何にしますか?」
美和が美咲に聞く。
「とりあえずビールで。」
そう答えると、
「とりあえずね〜」
と意味不明な笑顔でカウンターに消えた。美咲はこの時視線の主を知った。

「コウシャク景気はどうだい?」
そう黒川が言う。
「ぼちぼちだよ。。」
「ぼちぼちか。勝負するか?!」
「いいよ。そのつもりで来たからな。」
「じゃあ明日の桜花賞で勝負だ。マスター頼む」
「あいよ。」
そう言ってマスターはコースターとペンを配る。
一斉にコースターに馬名を書き込む姿に美咲はあっけにとられた。
「なにこれ?」
「あなたもやる?」
そう美和がコースターを渡す。
「私何もわからないから・・・。」
「いくじがないのね。」
の美和の挑発にはまった美咲は、「レイナワルツ」とコースターに記入していた。
コウシャクは「スティインラブ」健は「アドマイヤドン」黒川は「ヤマカツリリー」
高橋は「モンパルナス」で美和は「チアズメッセージ」と見事に割れた。
2枚目のコースターを用意していたマスターが目を丸くした。
そして6万とコースターを金庫をしまった。
桜は散ったが明日は晴れの桜花賞。
長瀬のこの馬から流せは◎アドマイヤグルーヴとか。
こない田島を心配しつつ、競馬談義に花が咲き夜が更けてゆく・・・・