ノーリーズン(菊花賞)

かき集めた金で馬券を買うマスターは、普段買わない大金に足が震えた。
心配で付いてきたコウシャク、健、黒川もこれじゃ予想も出来ないな・・・
といった顔だ。
最終決断はパドックで。そういうマスターの目は血走っている。
コウシャクが
「マスター。馬単じゃ儲からないって。3連複にしなよ。」
そう新馬券を進める。
「そうそう、CMでもやってるじゃん」
そう健も急かす・・・。
「3連複?よくわからなくて・・・」
更に困惑するマスター。
「このレースは堅いんじゃないのか?堅いか荒れるかどっちかの秋華賞だろう」
そう黒川が言う。
「そうそう。ファインモーション断然で、ローズ組はサクラビクトリア以外はいらない」
コウシャクも口を挟む。悩んでいると馬体重の発表があった。
それを見て4人は愕然とした・・・・。
マスターも相手筆頭としていたシリアスバイオがマイナス14キロ。シャイニンルビーは
マイナス20キロだ。トシダンサーもマイナス12キロ。
絞れていいのはシリアスぐらいか。
なにを迷ったかマスターは増減の激しい馬はいらないと、3頭を切ってしまったとか。
残る3頭に資金配分か。
「高橋はなんか言ってたか?」
そう黒川。
「高橋さんは、シリアスバイオかトシダンサーがいいって。今ごろテレビの前か
家族サービスってところかな」
そう健が答える。
「まああの人は、ワイドも複勝も押さえるから大きく負けないよね。」
そうコウシャク。
「まさに公務員馬券だな」
そう黒川がいうと笑いが起きた。
マスターが1点勝負に出ようとしていたのをコウシャクと健が止めたが、
言うことをきかない。
「馬単12⇒18の一点勝負だ!」
そうマスターが叫ぶ。
「もう少し頭冷やして考えて来い!」
そう黒川がマスターをトイレに促した。
「参ったな。マスターの思い込みは・・・。」
そう肩を落とす黒川。
「普段、小金で遊ぶ程度だからな・・・。」
とコウシャク。
「そう、俺たちみたいに生活が掛かってないから平気で1点勝負する」
「12−18で堅いと見えて間に馬が入らんとも限らない。
まあワイドが一番堅実だが・・・配当がなあ」
「いっそ3連複にするか」
戻ってきたマスターにワイドで勝負するか、3連複にするか、選択をせまる。
マスターは昨日から緊張でろくに寝てないらしく、ここは絶対に増やしたという。
「見送ってもいいんだぞ」
そう黒川。
「いや・・・じゃあ3連複でいく。12・18を固定にして当初のシリアス、
トシザ、ブルーリッジリバー、カネトシへ。ワイドで保険を掛けて、馬単は12−18
1点」
「それでいいんだ」
金がなくなることを心配した黒川は頷いた。
買ってきた馬券は
ワイド12−18(120万)これは外れた時の保険だ。
3連複12・18⇒4,17(50万)12・18⇒9,16(10万)
馬単12−18(60万)締めて300万。どれが来ても1000万にはなるように買ってあった。



週が明けてJackPotのマスターは、テーブルの積みあがった札の塊に胸が慄く。
1000万円の塊を転がすか?又はこの金で・・・・
菊花賞は混戦。
やはり騎手からか・・・となると武豊ノーリーズンか?!。